仕事も恋愛もうまくいかない…その理由は、自分の「心のクセ」かも。「うまくいかせる」ための即効ヒント集

ビジネス

2019/10/4

『なぜかうまくいく人のすごい無意識』(梯谷幸司/フォレスト出版)

 なぜだろうか、世の中には「なぜかなんでもうまくいく人」がいる。仕事がうまくいかない、恋愛や結婚に恵まれない、お金に不安がある…という私たちの悩みとは無縁なうらやましい人たちだ。彼らと私たちの決定的な違いはいったい何だろう。

 その答えは、『なぜかうまくいく人のすごい無意識』(梯谷幸司/フォレスト出版)にある。ズバリ「メタ無意識」だ。私たちの心の奥にある「よくないクセ」をよい方向へ導いてあげることができれば、「うまくいかない人」から「なぜかうまくいく人」に生まれ変わることができそうだ。

 本書の著者は、心理技術アドバイザーの梯谷幸司氏。これまでのべ4万8000人の人生を手助けしてきた確実な実績がある。さらにこの心理技術を裏付けするため、東京大学院が研究をスタートさせたそうだ。これは本当に信じられそうな「すごい本」の予感がする――。

■メタ無意識とは「無意識の判断基準」のこと

 期待する前にきちんと説明しておくと、そもそも「メタ無意識」とは何だろう。それを説明するために、まず「顕在意識」と「潜在意識」の説明をしたい。顕在意識とは、会話や思考など、日常生活を送るときに使われる容易に知覚できる心の領域。

 一方、潜在意識とは、没我状態やぼーっとしているときに活性化される領域であり、顕在意識にも大きな影響を与えている。そしてその潜在意識に大きな影響を与えているのが、著者が名付けた「メタ無意識」だ。

 私たちの脳は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を通した純粋な五感情報を常にキャッチしている。たとえば熱いものを触ったとき、触覚が脳に情報を送る。ポイントはここにある。脳が“情報に言葉をくっつける”とき、はじめて人は「熱い!」と知覚する。この“言葉をくっつける”瞬間に「メタ無意識」が大きく関わっていると梯谷氏は指摘する。

 私たち人間は言葉を使って考える生き物。頭で考えたことはやがて行動になり、人生となって表れる。脳が受け取る五感情報に対して、なぜかうまくいく言葉のくっつけ方を続けると、その人の考えはよい行動へ導かれ、よい人生へと向かう(はずだ)。反対に、よくない言葉のくっつけ方を続けたら、失敗する行動ばかり繰り返してしまう…。

 このように人は、五感情報の受け取り方で自然と判断基準が形成される。その判断基準は、人ひとりのビジネスや結婚、健康問題にまで大きく影響する。メタ無意識とは、無意識の判断基準のことで、人生の方向を決める「心のクセ」のようなものなのだ。

 今、何かうまくいかなくて悩んでいるという人も、メタ無意識を直すことができれば、なぜかうまくいく人に近づけるかもしれない。本書を読むと、そんな希望がぐっとわきあがる。

■なぜかうまくいく人の「パターン」とは?

 メタ無意識は目に見えないものなので、ここまでの紹介でもイマイチ内容が頭に入ってこない方もいるかもしれない。本書でもそれについてページを割いて解説している。それだけ人は“自身の心”を認知することが難しいのだ。

 だがたとえ難しくても、どうしても紹介したいトピックは、人生をよい方向に導くという「14のメタ無意識のパターン」だ。なぜかうまくいく人は、これらの判断基準を身につけて生きている。この記事ではその中から2つを紹介したい。

【物事のとらえ方:悲観基準と楽観基準】

 もし明日、再びリーマンショックが起きるとしたら、あなたは何を考えるだろうか?

「景気が悪くなって会社をクビになるかも…」と、最悪のシナリオを考える人は、悲観基準の持ち主だ。これもひとつの心のクセだろう。一方、「混乱期には得する人と損をする人が両方いる。このチャンスで何ができる?」と、自分が成功するための行動に焦点を当てる人は、楽観基準の持ち主。この差を知ったら、次はこのメタ無意識パターンを獲得しよう。

 本書によると、歴史的な経済の混乱期ほど、億万長者が多く誕生してきたという。これは「誰かが損をするときは、誰かが得をする」という前提が、証明されてきたことにもなる。もし問題が起きたら、いかなるときも「最悪のシナリオ」にだけ焦点を当てるのではなく、「どうすればうまくいくか?」という前提で行動して、期待する未来を引き寄せたい。

【自己認識:限定的自我と絶対的自我】

 うまくいかないときほど、「こんな自分はダメだ…!」と自己嫌悪に陥りがち。これは“限定的自我”の持ち主だそう。世の中の多くの人が当てはまるかもしれない。

 一方で、「うまくいかなくても自分の存在価値とは全然関係ない、今回はたまたまダメだっただけだから、また別の方法を試せばいいし」と考えられる人もいる。この人こそ“絶対的自我”の持ち主だ。

 人は自信をなくすと、気のせいではなく“すべて”のパフォーマンスが落ちる。また、自分のことが嫌いになると、他人との距離感も見失う…。

 しかし、最低限、人の道を踏み外すことがなければ自分の存在価値はもともと絶対であり、何度でも取り返せるはずだ。うまくいかなくても、自分だけは自分の味方でありたい――このメタ無意識パターンは、深く心に刻みたいところだ!

 日本人は、周りのことを始終気にしてきたのに、“見えない自分の内側”を長いことないがしろにしてきたのかもしれない。そのツケがあちこちで表面化している。まずは、あなた個人のために曲がった心のクセを直すことができれば、個人の人生だけでなく世の中もなんだかうまく好転していきそうだ。本書の明快なヒントは、「私ったらなんでうまくいかないんだろう?」と原因も分からず苦しんでいる人の光明になるはずだ。

文=いのうえゆきひろ