「同窓会に行けない症候群」が急増中! 参加をためらう理由のトップは?

暮らし

2019/10/20

『同窓会に行けない症候群』(鈴木信行/日経BP)

 同窓会。懐かしい顔に会いたいと思う一方で、「ちょっと行きづらいなあ」と思ってしまう、という方も多いのではないだろうか。そう思ったのも、私も同窓会の参加をためらってしまうひとりだからだ。

 出世したわけでなく、収入が高くもない。対して、かつての級友たちはきっと何かしらの役職に就き、お金持ちになっているはず…。格の違いでみじめな気持ちになるかもしれない。そうなれば、同窓会は「生き地獄」のようなものだ。

 実は今、同窓会に行けない人が、20代から50代という広い世代の間で急増しているという。かつては多くの人が集った同窓会。一体どんな変化があって、人は同窓会を避けるようになったのだろうか。その原因を平成期に起きた社会現象から分析。同窓会に行けない事情や、同窓会に対する考え方をひもとくのが『同窓会に行けない症候群』(鈴木信行/日経BP)だ。

 著者は、累計18万部を突破した話題作『宝くじで1億円当たった人の末路』シリーズの鈴木信行氏。会社員から著名人まで、幅広い層を取材し、バブル期以降の社会現象に注目した本書は、マクロとミクロの視点で楽しめる1冊となっている。

■同窓会に行きたくなくなる最たる理由は――

 著者によると、同窓会に行けない最大の理由は「自信喪失」であるという。どんなことに自信を喪失するのか。よく話題にあがるのが、スクールカーストと容姿の変化だ。

 学校という狭い“階級社会”で下位に属していたと感じている人は、同窓会に行けば自分の暗い過去を思い出し、気持ちも暗くなる。また、中年になって体格が大きく変わった、薄毛になってしまった…という人は、自分の容貌に関するコンプレックスだけでかなりの抵抗を持つだろう。いずれの場合も、同窓会を欠席したいと考える理由としては十分と言えよう。

 けれども、こうした事情は今に始まったことではなく、昔から存在している。今の「同窓会に行けない症候群」の核心とは言えない。大人になってからの境遇や収入面で、他人にマウントを取られるのが嫌だと思う人が増えているのだ。

 希望の職に就けず、出世も高収入もままならない。これらの原因は平成に起こった社会現象が関係しているという。

 大きな要因となったのはバブルの崩壊。多くの企業が倒産の危機に瀕し、日本でも成果主義が主流となり、実力がある者なら性別年齢に関係なく出世できるようになってきた。かつての日本の企業は年功序列。50代になれば相応の役職と収入がある程度約束されていた。だが、今となってそんな企業はほとんど存在しないだろう。中には、実力のある若手が管理職となり、“年下上司”が誕生したことで、さらにプライドがズタズタになってしまったという人もいるかもしれない。

 さらに平成期に起きた悲劇は止まらない。大量のリストラや非正規雇用の増加、就職・転職難、収入の不安定化など、社会的な不安を抱く要素が湧くように出てきた。日本という国が、「自信をなくしやすい環境」になったということだ。

 このような中で自信を失した人は「同窓会に行けない症候群」を患いやすい。また、こうした事情以外にも自信をなくしてしまう人もいるが、その背景は本書に説明を譲りたい。

 自信をなくした私たちが、自信を取り戻すために、あるいは同窓会に顔を出せるようになるためには何をすればいいのだろうか? 本書では8人の有識者・著名人に対するインタビューを交え、そのヒントを提示する。「自分に自信がなくて…」というのは私だけではない。さらに、あなただけでもない。共に一歩を踏み出すヒントを本書から得ようではないか。

文=冴島友貴