このアニメ映画を見ろ! アラフォーライター肝いりおすすめ80年代アニメ映画10選

マンガ・アニメ

2019/12/30

 一大アニメブームが巻き起こった黄金の10年、それが1980年代。ここでは当時を彩った劇場版アニメを10作品紹介しよう。この10作品は、未視聴の方におすすめなのはもちろん、既に見たことがある人にもぜひもう一度見てほしい。いやむしろ、当時のことを覚えている方は幸せだ。この名作を大スクリーンで見た映像と当時の思い出がよみがえるかもしれないから。

 年末年始の長期休みに、すべてのアニメ好きにおすすめしたい以下のラインナップ。こちらを当時の状況を説明しつつ、解説していく。

劇場版 六神合体ゴッドマーズ(1982年)

『劇場版 六神合体ゴッドマーズ』

 横山光輝のSFコミック『マーズ』を原作に制作された。主人公のマーズこと明神タケルは、ギシン星から地球を滅ぼすために送り込まれた。しかし地球人として育てられたことで、地球を守るため、ギシン星と実の兄であるマーグと戦うのだ。劇場版はこのテレビ版“ギシン星編”を再構成したもの。作品の主要エピソードを一気に見返すことができるぞ。

『ゴッドマーズ』は玩具の売り上げが好調で、さらにキャラクターが女性ファンを獲得し大ヒット。放映期間は延長され、さらにこの劇場版映画はファンの署名活動により制作されるほどだった。

クラッシャージョウ(1983年)

『劇場版 クラッシャージョウ』
『連帯惑星ピザンの危機 (クラッシャージョウ1)』(高千穂遙/早川書房)

 原作は高千穂遙氏のSF・スペースオペラ小説。舞台はワープ航法により恒星間航行が可能になった時代。人類は宇宙に進出し、多くの惑星を改造して植民を行っていた。この惑星改造を主に引き受けたのが「宇宙の何でも屋」と呼ばれたクラッシャーたちだった。ある日クラッシャーのジョウのもとに、冷凍睡眠処置を施されたさる令嬢を、極秘に移送してくれという依頼が入る…。

『機動戦士ガンダム』の日本サンライズが制作した初のオリジナル劇場用作品で、ガンダムのキャラクターデザインを手がけた安彦良和氏の初監督作品でもある。SF好きなら間違いなく楽しめる作品だろう。原作となった小説は、最初に刊行された1977年から、21世紀に入っても続巻が書かれ続けている。また2018年から小説版のコミカライズである『クラッシャージョウ REBIRTH』(針井佑:漫画、高千穂遙:原作、安彦良和:キャラクター原案/講談社)も連載中だ。

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年)

『うる星やつら 文庫版』(高橋 留美子/小学館)

 本作品は演出家である押井守氏が監督をつとめ、彼の出世作と言うべき作品だ。『うる星やつら』のキャラクターを使ったオリジナルシナリオが高い評価をうけた。いつまでたっても終わらない文化祭の前日、世界の終末を迎えたように廃墟と化した友引町。諸星あたるとその仲間たちは、この不思議な世界から抜け出すことはできるのか…。

 後に押井守氏は難解と評された作品も製作したが、本作はエンターテインメント性が高く、「夢」というテーマもわかりやすく、だれでも気楽に楽しめる。原作の『うる星やつら』(高橋留美子/小学館)は1978年から1987年にかけて連載された大ヒットコミックで、氏の原点のひとつだ。テレビアニメシリーズも4年半という長期で制作された。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか(1984年)

『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか [DVD]』(バンダイビジュアル)
『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』

 異星人の奇襲をうけた地球から1隻の宇宙戦艦が脱出した。その名はマクロス。艦内は広大で、5万8000人の民間人が艦内に市街地を建設するほどであった。彼らが地球への帰還を目指し航海、そして交戦を続ける中で、敵の異星人は地球人の“文化”に衝撃をうけ、戦闘不能になると判明する。主人公の一条輝(いちじょうひかる)は、歌手リン・ミンメイの歌を背にうけ、敵の母艦へ向けて飛び立つのだった。

 オリジナルテレビアニメ『超時空要塞マクロス』の劇場版、ではあるものの、いわゆる再構成版ではない。全編新作フィルムとして制作され、テレビシリーズとは設定などが一部異なっている。作画クオリティは当時の最高レベルと言われた。その後「歌」をテーマにした本作の続編が、数多く制作されている。

タッチ 背番号のないエース(1986年)

『タッチ コミック 完全版』(あだち充/小学館)

 双子の高校生上杉達也・和也兄弟と浅倉南は幼なじみ。和也と南は野球部で、エースとマネージャーとして甲子園を目指していた。勝てば甲子園という決勝戦の日、和也が来ない。なんと交通事故で帰らぬ人になっていたのだ。だが試合中、マウンドに向かう和也の姿が…一体あれは…?

 原作コミックは総売り上げ1億部を超えるあだち充氏、最大のヒット作。テレビアニメも全101話が放映された。この劇場版第1作となる『背番号のないエース』は、オリジナルシナリオの衝撃的なラストが用意され、当時大きな話題になった。原作(およびテレビシリーズも)とは異なる設定で、劇場版は3作品制作された。

映画 ドラえもん のび太と鉄人兵団(1986年)

『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』
『大長編ドラえもん (Vol.7) のび太と鉄人兵団』(藤子・F・不二雄/小学館)

 大長編ドラえもんシリーズ、劇場版の第7作にあたる。作者の藤子・F・不二雄氏が「ドラえもんの映画史上最強の敵」と語るメカトピア星鉄人兵団との戦いを描いた作品である。ある日のび太は偶然北極で巨大なロボットの足を拾う。それからロボットの部品が野比家の庭に次々と降ってくるようになった。ドラえもんと組み立ててみると、そのロボットは恐るべき兵器だったことがわかる。そこに謎の少女リルルが現れ、ロボットを返してほしいと迫る。実は彼女は、ロボット惑星メカトピアから来た鉄人兵団の先兵だった…。

 ハッピーエンドなだけではないラストは、複雑で哀しく、大人も感動できるだろう。2011年には、新キャラクターが登場するリメイク作『ドラえもん新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ 天使たち〜』も公開された。オリジナル版と見比べるのも楽しいかもしれない。

オネアミスの翼 王立宇宙軍(1986年)

『オネアミスの翼 王立宇宙軍』

『新世紀エヴァンゲリオン』『ふしぎの海のナディア』を手がけたGAINAX制作のSFアニメ映画だ。架空の王国、オネアミスの王立宇宙軍の士官、シロツグが宇宙飛行士に志願し、仲間とともに史上初の有人ロケットの打ち上げを目指す物語である。

 まだ大学生だった庵野秀明、前田真宏、貞本義行ら、後に名を馳せるクリエイターたちが、初のオリジナル商業作品として制作。GAINAXは本作を製作するタイミングで設立された。圧倒的なハイクオリティ作画が魅力で、その映像美に国内のアニメ関係者、海外から高い評価をうけた。

機動警察パトレイバー the Movie(1989年)

『機動警察パトレイバー 文庫版』(ゆうきまさみ/小学館)

 OVA、コミック版に続いて製作された本劇場版は、レイバーが突如暴走する事件が多発するところから物語が始まる。特車二課第2小隊の篠原遊馬(しのはら あすま)は、自社のレイバーが搭載するコンピュータにウイルスが仕込まれていることをつきとめる。暴走のスイッチになるのは強風と、それによりビルから発せられる低周波だった。大型台風が近づく中、泉野明(いずみ のあ)たちは、最も大きな低周波を発すると予想される建造物“箱舟”を破壊するために出動する。

 1980年代後半は、パソコンの普及がまだまだだった時代。だが本作は社会システムが特定のOSに依存している状態への警鐘ともとれる内容で、今見返しても古さを感じないシナリオだ。なお『パトレイバー』は本作の後に満を持してテレビシリーズが放映され、劇場版は計3作公開された。

https://www.b-ch.com/titles/1413/

聖闘士星矢 邪神エリス(1987年)

『聖闘士星矢』(車田正美/集英社)

 神話の時代より女神アテナに仕え、天空に輝く88の星座を模した鎧、聖衣(クロス)を身にまとう聖闘士(セイント)。その聖闘士どうし、そして神々との戦いを描いた作品である。『邪神エリス』は劇場版の第1作。死の世界から蘇った亡霊聖闘士たちと主人公の星矢と仲間たちが戦うオリジナルエピソードだ。劇場版は本作を含め、80年代だけでも4作品、いずれもオリジナルシナリオで制作されている。

 原作コミックスのシリーズ発行部数は3500万部を超え、テレビアニメは1986年から1989年まで放映された。玩具が売れ、女性ファンも多く、幅広い人気を獲得。なおコミックは出版社を集英社から秋田書店に移し、2019年現在もシリーズ連載が継続中の長寿作品となっている。

劇場版 機動戦士ガンダム(1980年~1988年)

『機動戦士ガンダム』のテレビ本放送は1970年代だが、その後社会現象と呼ばれるまでのブームになったのは1980年代。まさにこの時代を代表するアニメと言っていいだろう。ここではアムロとシャアの戦いを描いた以下の4作品をおすすめしたい。

『機動戦士ガンダム』
『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』
『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』

 劇場版3部作は、“ファーストガンダム”と呼ばれるテレビシリーズを再構成し、作画を追加して制作された。そしてその後、『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』がテレビで放映。満を持してアムロとシャアの物語の最終章『逆襲のシャア』が公開された。劇場版を4作品続けてみると、非常に味わい深い。

 その後、ファーストガンダムの延長線上の物語、全く別の世界観のガンダム、そしてファーストガンダム自体をリメイクした作品など、数多く制作され続けている。今も全く人気が衰える気配はないガンダム。その原点をこの機会に見返してみてはいかがだろうか。

 テレビも安価で大きくなり、サブスクリプションサービスで手軽に配信視聴もでき、スマホやPCなどを使えば場所を選ばず見られる今は、アニメ映画を見返すにはうってつけの時代だ。

 懐かしい方は当時を思い出して、見たことがない方は古さを感じさせない名作を、ぜひ楽しんでみてほしい。

文=古林恭