木南晴夏のパン愛が炸裂! 名店と、パンの楽しみ方がマスターできるガイドブック!

食・料理

2020/4/20

キナミトパンノホン

著:
出版社:
講談社
発売日:
『キナミトパンノホン』(木南晴夏/講談社ビーシー/講談社)

 木南晴夏さんのパン好きを知ったのは、バラエティ番組「櫻井・有吉 THE夜会」がきっかけだ。食パンに鼻をくっつけんばかりに近づけて、スーハ―スーハ―と匂いを嗅ぐ。職人と、パンの水分率の話で盛り上がる。パン好きというよりはマニアっぷりに驚くと同時に、なんて素敵な笑顔でパンについて語るんだろう、と、そのかわいらしさにキュンとなった。一緒にパンの世界にのめりこみたくなった。とりあえず木南さんおすすめのパンはすべて食べてみたい。そんな視聴者の願望を手助けしてくれるのが、『キナミトパンノホン』(木南晴夏/講談社ビーシー/講談社)。

 近年、食パン専門店が流行したおかげで、店によって得意分野があることは知られているが、素人にはどの店で最初に何を食べるべきかわからない。本書では、「食パン」「サンドイッチ」「バゲット」「クロワッサン」「総菜パン」「ベーグル」など9つのカテゴリー別に木南さんの推しパン屋さんを紹介してくれるのがうれしい。しかも、店舗ごとにどんな味わいを得られるのか、しっかり差異が説明されている!

 たとえば食パンの名店「ペリカン」は、〈みっちりと詰まったキメの細かい生地で、噛みしめるごとに小麦の甘みがふわっと漂い…毎日食べても飽きない味〉。高級食パンとして知られる「に志かわ」は、〈シフォンケーキじゃないの? と疑いたくなるほど繊細でしっとりした生地〉で、〈デザートとして食べたくなるくらいやさしい甘さが鼻から抜けてくる〉と紹介。さすが、パンシェルジュ検定2級を持つだけのことはある。「食パンなんてだいたい似たような味じゃないの?」なんて無礼は二度と言わせない、秀逸な表現の書きわけ。むしろ掲載されているパン屋を行脚して食べ比べてみたくなる。

 3月に放送された「THE夜会」で、櫻井翔さんにおすすめしていた本所吾妻橋にある「パン・メゾン」の塩ミルクフランス。木南さんの発案で完成したメニューということには驚いたが、ミルクフランスへのこだわりはやはり強いようで、9つのカテゴリーにしっかり入れられている(デニッシュとかカレーパンとかではなくミルクフランスが入るのは珍しい気がする)。それだけに、やはり、一番気になる。パンの端からはみ出た部分だけ食べても感動するレベルだという「ベッカライ徳多朗」。ソフト生地かハード生地の2種類があり、日によっては両方食べることもあるという「ポワンタージュ」など、4店をご紹介。「なぜパリのクロワッサンはおいしかったのか?」「パンの食べ方でわかるキナミ的性格診断」など、雑誌『おとなの週末』で約5年にわたり連載されてきた「キナミトパン」から厳選されたコラムも必読だ。

 お店紹介では、駅の出口もしっかり記載されているだけでなく、コインパーキングが近くにあるかどうか、焼き上がり時間や姉妹店の情報など、隅々まで配慮がきめ細かい。読んでいるだけでお腹がすく本書を片手に店を訪れるのはもちろん、一冊を通じてパンをどんなふうに味わい楽しめばいいかがわかってくるので、いつもの地元パン屋さんを覗いて再発見するのもいいだろう。

文=立花もも

この記事で紹介した書籍ほか

キナミトパンノホン

著:
出版社:
講談社
発売日:
ISBN:
9784065194973