食欲旺盛なカラスは●●まで食べる! 意外とショッキングな身近な鳥たちの食生活

スポーツ・科学

公開日:2020/4/20

『身近な鳥のすごい食生活』(唐沢孝一/イースト・プレス)

「生まれ変わったら何になりたい?」
「空を自由に飛びまわる鳥になってみたいな…」
 
 うん、確かに鳥になれたらさぞ気持ちがいいだろう。だが、安易な考えだけでは自然界で生き残れない。きっと鳥だって苦労は多いはずだ。
 
 鳥たちが大空を羽ばたき続けるためには、膨大なエネルギーが必要となる。とはいえ、食べ過ぎてしまうと、その体重のあまり飛びたてない危険もある。
 
 そんなジレンマを常に抱え、過酷な自然界でサバイバルする鳥たちに注目する『身近な鳥のすごい食生活』(唐沢孝一/イースト・プレス)は、スズメやカラスなど身近な鳥を中心に、意外と知られていない食生活の秘密を解説する1冊。“謎の食生活”を送る鳥たちの中から、特に気になった秘密を紹介したい。

スズメは桜の天敵!?


 街中や公園など、どこでも見かける鳥の代表といえば、やはりスズメ。小さくてかわいいスズメたちは、たくさん集まってチュンチュンと賑やかな姿が印象的だ。

 和気あいあいと穏やかに暮らしている鳥と思いきや、実はそうでもないらしい。春になると満開を迎える桜からあふれる甘くておいしい蜜。スズメはこれを盗み食いしている。

advertisement

 蜜を吸うだけなら問題ないのだろうが、スズメのくちばしは短くて太い。すると、花の根元に穴をあけてしまい、切り落としてしまうのだ。さらに、花に顔をうずめないので、花粉を運ぶこともない。結果として、ただ盗み食いをして花を散らせるだけになってしまう。開花日数が少ない桜にとって、実は迷惑な話だという…。

なんでもかんでも丸のみしてしまうカワウ


「鵜呑みにする」――真意を理解せず、すぐ受け入れるという意味だ。この言葉の由来となったカワウは、なんでも丸のみすることで有名。基本的に鳥には歯がないので、どの鳥もエサは丸のみだが、カワウはレベルが違う。

 なんと、背びれに針がある魚や、ほかの鳥が苦戦するようなサイズの魚も一気に呑み込んでしまうのだ。カワウが1日に必要な食糧は500グラム。小さい魚ばかりを食べていては非効率だ。そのため、大きい獲物を狙う必要があるというわけだ。

 とはいえ、ときには大きすぎる獲物もいるわけで、特にウナギなんかを狙ってしまうと大変。半分は呑み込めたけど、もう半分は口からにゅるり。加えて、首に巻き付いたり暴れたり…。慌てたカワウは、まさにウナギの名の俗説と同様に「うなんぎ(鵜難儀)」してしまうのだ。

カラスは食欲を満たすためにも〇〇まで食べる!?


 都会でよく目にするハシブトガラス。朝の繁華街のごみ捨て場ではピカイチの遭遇率を誇るが、どんな食生活を送っているのだろう。生ごみだけを食べているわけではないだろうが、ハトのように餌をまいたら食べにくるイメージもない。

 ハシブトガラスは、動物の死骸を食べるほど食欲旺盛。いくら都会でも、ときに動物の死骸の一つや二つあってもおかしくないはずなのに、目にする機会がないのはカラスたちが処理しているからだという。これは、同族のカラスが死んでいても同じ。昨日までの仲間も、死んでしまえば食物連鎖の中に組み込まれてしまうのだ…。

 これを人間界に置き換えて考えると、なかなかおぞましい話だ。だが、自然界で生き残るためには当然のことなのかもしれない。

意外にも狩りの素質があるカルガモ


 親子でほのぼのと行進する姿がニュースになるカルガモ。なんだかのんびりとした生活を送り、草や実だけをのんびり食べていると想像してしまいがちだ。

 だが実は、昆虫やカエル、巻貝など何でも食べる雑食。しかも、大きな鮎やブラックバスまで狙うというから驚きだ。特に、鮎は泳ぎがとても速いので捕まえるのは大変だ。しかし、カルガモにはそれを捕食する能力が十分備わっているという。

 本書ではこのほかにも、ツバメやメジロなど30種類もの鳥の食生活がわかりやすく紹介されている。誰でも知っている鳥についての情報が多く解説されているので、手軽にウンチクとしてストックしておくもよし、友達にちょっと得意げに披露するにももってこいだ。

文=冴島友貴

この記事で紹介した書籍ほか

カラー版 身近な鳥のすごい食生活 (イースト新書Q)

著:
出版社:
イースト・プレス
発売日:
ISBN:
9784781680644