次女誕生…忙しいダンナに長女の“赤ちゃん返り”!? 2人育児の記録に癒され泣かされる

出産・子育て

更新日:2020/4/23

『ぎゅうにゅう日記 ほへーっと2人育児編 ひたすらどうでもいい日々のキロク』(ぎゅうにゅう/主婦と生活社)

 Twitterフォロワー23万人のママ漫画家、ぎゅうにゅうの3年ぶりとなる新刊が発売された。『ぎゅうにゅう日記 ほへーっと2人育児編 ひたすらどうでもいい日々のキロク』(主婦と生活社)は、多くのママ&パパが共感できる育児の記録であり、愛しすぎる娘2人の観察日記である。

幸せってきっと、フツーの日の見逃しちゃいそうな瞬間のつみかさね

 これは本作につけられたキャッチコピーだが、まさに親にとっての育児と子どもの成長はフツーのことだ。ただそれは笑えるし、疲れるし、ほろりと泣けるのである。

ぎゅうにゅう“かぁか”と娘2人の日々をキロク

 ぎゅうにゅう氏は夫の転勤により知り合いゼロの地へ引っ越しになった。「ぼっち育児」を始めた彼女は、疲れ切っていたなかTwitterで育児絵日記を公開。瞬く間に話題になり本人のTwitterフォロワーも爆増した。こうして単行本になったのが前作『ぎゅうにゅう日記 わりとどうでもいい育児のキロク』(主婦と生活社)だ。

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 まずキャラクターデザインのかわいさ、そして鉛筆で描いたような線とパステル調の色遣いに魅了される(本作はオールカラー!)。何よりおしゃまな長女・とうにゅうちゃんと、冷静につっこみを入れるぎゅうにゅう氏のかけあいに読者は思わずニヤリ、そしてほろっとしてしまうのだ。

 2冊目となる本作の始まりは、二女のれんにゅうちゃんが生まれたところから。新生児の世話でまともに眠れない中で、上の子のケアも必要…2人育児のスタートはハードである。ぎゅうにゅう氏曰く「恐ろしいスピードで毎日が過ぎていく。あまりに早すぎて時間なんか経ってないんじゃないかと思うほど」という状況だ。おそらく複数人の育児をしているママ&パパは、深くうなずくことだろう。

 家に妹がやって来て、とうにゅうちゃんは名実ともにお姉ちゃんになっていく。がんばってお手伝いもしてくれる。でもかぁか(=ぎゅうにゅう氏)にまだまだ甘えたいさかり。「下の子誕生後あるある」である“赤ちゃん返り”も…。抱っこをせがんで涙を目にためて眠るとうにゅうちゃんは、いじらしすぎる。

 いきなりお姉さん、お兄さんになった子どもとの距離の測り方は、苦労することが多いと聞く。罪悪感にさいなまれたぎゅうにゅう氏は、一緒に出かけるようにし、とうにゅうちゃんとだけの時間を作るようにした。こうして2人の気持ちは落ち着いていくのだ。

 なお前作からのとうにゅうちゃんファンは安心してほしい。笑える予測不能な言動は健在だ。

 れんにゅうちゃんが生まれる前は「あかちゃんといっしょにねない」「あそばない」と言っていたが、わりとしっかりお姉さんしているとうにゅうちゃん。曰く、

もっとオニとかがでてくるとおもったから

 お腹の大きいお母さんが怖かったのだろうか…笑。

 またテレビを見過ぎていたとうにゅうちゃんは、ぎゅうにゅう氏に休憩をうながされるも「目はつかれていない、いまからつかれるところ」と言う。さらに明らかに目がしょぼしょぼしてきたのにテレビを見続けていたとうにゅうちゃん。休憩しようと言われて「もうずっとしょぼしょぼしてた、ぜうっとずっと前から」。いや…反論になっていない反論に思わずニヤリ。子どもの意外な言葉のチョイスには感心させられるのだ。

 ケンカで大勝ちする次女・れんにゅうちゃんの無双ぶりや、とうにゅうちゃんに肌や見た目をいじられるぎゅうにゅう氏のトホホエピソードも満載である

 なお個人的には、44ページの「年中さん」というエピソードが好きで、思わず泣いてしまった。ぜひ実際に読んでみてほしい。

マイペースすぎるダンナとの向き合い方について

 ここで“ちゃんとしていない”ぎゅうにゅう氏のダンナさんについてふれておきたい。

 彼はそもそも家事しない系の夫で、仕事も忙しく育児にもあまり参加していない。つまり“孤独と不安だらけのワンオペ育児”の要因のひとつ(と思える)だ。これはもやもやする読者が多かったかもしれない。どんなに脱力系で笑えるように描かれていても、である。

 ただ本作に収録している「ダンナの話」には、ぎゅうにゅう氏のダンナさんとの向き合い方がきわめて論理的に描かれている。ここですべては書かないが、彼女は何を変えられるのか、それはダンナなのか、自分なのか、ということを詳しく説明している。これを読むと、誰もがすとんと腑に落ちて納得でき、ぎゅうにゅう一家の日々をより楽しめるだろう。

ほへーっと暮らそう。フツーの愛しい日々を楽しもう。

 本作はぎゅうにゅう氏の育児絵日記であり、とうにゅうちゃんとれんにゅうちゃん(時々ダンナ)との思い出のキロクだ。描かれているのは、ひたすらどうでもいい、特別なことがないフツーの日々である。

 ここでとうにゅうちゃんのセリフを借りる。

またこわいことかんがえちゃった

とうにゅうもほへーっとくらしたいわ

 いまフツーに育児をして、ほへーっ暮らすことは、なかなか難しいかもしれない。世界中で起きている怖い現実がそうさせてくれないからだ。

 それでも考えすぎず、できるだけほへーっとして、家族の時間を楽しもう。大変だけど愛しい日々は、ものすごいスピードで過ぎ去ってしまうのだから。

 ぎゅうにゅう日記は、明日も続く。

 私たちと子どもとの暮らしもまた、続くのだ。

文=古林恭

この記事で紹介した書籍ほか