くりぃむ上田さん絶賛! ピン芸人・浜ロンの「ダ名言」が私たちにそっと寄り添ってくれる

エンタメ

2020/6/6

ダ名言

著:
出版社:
主婦の友社
発売日:
『ダ名言』(浜ロン/主婦の友社)

正義感の強すぎる人は
なんやかんや敵をつくって、
普通の人より
争いを生んでますね。


 なんだかハッとさせられるこの言葉は、ピン芸人の浜ロンさんが生み出したものだ。物事の本質を突いてネット社会で偏りがちな思考を正す、名言めいたものを感じる。

 え? ちょっと待って? 浜ロンさんを知らない? そんなまさか! 日本テレビ系で放送中の「月曜から夜ふかし」で前説を務め、ときどき同番組に出演して、マツコ・デラックスさんや村上信五さんにイジられている浜ロンさんだ。同番組のファンは、みんな期待を裏切らない浜ロンさんが大好きである。

 かつて、くりぃむしちゅー上田さんの運転手を務めた浜ロンさんは、その経験をいかして、人づき合いや処世術、社会に対する皮肉をTwitterでつぶやき始めた。題して「ダ名言」であり、切れ味のよい投稿がひそかな話題となっている。

『ダ名言』(浜ロン/主婦の友社)は、そのつぶやきを名言集としてまとめたもの。

遠い他人の発言に
いちいち怒ってますけど、
反面教師にして
学べばいいだけですよ。
反面教師の通信教育です。


 冒頭のダ名言にもつながるが、最近では無数の人々がSNSで怒りをばらまいている。その感情を表明する理由も無数にあるので一概にはくくれないけれど、あまり怒りすぎるのは体に毒ではないかと心配になる。

 浜ロンさんも「正義は正しいと思い込んでしまうと、自分の中で最強の盾になってしまいます」と釘を刺しており、「文句を言っている時間や気持ちがもったいない。そんな記事や文言は、自分にとって反面教師にし、無料の通信教育として使わせてもらいましょう」と提言。なるほど、「反面教師の通信教育」とは実に言いえて妙である。SNSとの付き合い方は、これくらいのスタンスでいいのかもしれない。

今ここに金がある!
きっとどこかで
頑張ったんだ!
キッカケはないけど
自分にご褒美だ!


 言うまでもなく私たちは大変頑張って生きている。「仕事で大した結果を残せていない」と卑下しなくてもいい。浜ロンさんもこう述べている。「お金が支払われている時点で、価値あることをしているということを忘れてはいけません」。実に素晴らしい。私たちは価値のある人間であり、自分をそれなりに労わなければならない。つまりご褒美だ! どんな状況であっても、疲れた自分をいたわることが、幸せに生きる大切なコツである。

ウソひとつまともに
つけないなんて、
信用ならんやつだな。


 これは刺激的なダ名言だが、どこかしっくりくるものがある。浜ロンさんの言葉を長めに拝借してみよう。

 ウソというものを清廉潔白に毛嫌いする人なんて、怖くて大事な話をできないですね。極端に言うと、生きていれば「ここだけの話ね」なんていうのはざらにありますが、それを第三者に「何の話?」と聞かれたときに、サラッとかわせない。正直に言ってしまう。こんなことでは困ってしまう。
 ウソというか、何食わぬ顔で「なんでもないよ」と言えることが社会を生きる上での作法と思ってしまいます。
 大事なのは、どこで正直か、どこでウソをつくかであって、「常にウソをつかないことが信条」なんて人はちょっと信用できないですね。

 いかがだろう? 少なくとも私は驚いた。浜ロンさんは、こんなに筋の通ったことを言える人だったのかと。テレビで見る姿とは別人である。本書は『ダ名言』というタイトルがつけられているが、私は「ダ」が余計なものに感じてならなかった。

 本書の魅力をさらにお伝えするために、ダ名言をいくつか抜粋したい。

うわべだけの会話が
よくないだと?
うわべだけの会話で
どれだけ秩序が
保たれてると思ってんだ。
(p.150)

 ごもっともでございます。はい。

短所を指摘する前に、
そもそも長所は
把握してくれてます?
そこ結構大事ですよ。
(p.166)

 すっごい共感できます。はい。

「どうせ暇だろ? 来いよ」
と言われましても、
君の誘いより、
暇な方が上なんですよね。
(p.158)

 すっごい共感でき(以下省略)。

一億総活躍社会……。
オレ入ってないですよね?
マイペースで
いいですよね?
(p.58)

 すっご(以下省略)。

「そんなつもりじゃなかった」
と言う人は繰り返しますよ。
この言葉は、
その人の
自然体ですからね。
(p.206)

 これはどなたのことを揶揄しているんですかね…。暴力ふるうたびに反省するフリをする彼氏? パワハラでふんぞり返る上司? 失言や失策を繰り返す政治家? 当てはまる人が多すぎるような…。

人生とは、
その場しのぎの
リアクション芸である。
(p.186)

 私は本書を読んで思った。浜ロンさんは本質を突いた発言ができるのだから、もっとワイドショーのコメンテーターのような仕事を増やせばいい。もしくはどこかの媒体でコラムを発信すればいい。絶対そうだと思う。間違いない。どうだろうか、浜ロンさん?

私を救いたいと
いろいろ助言をくれますが、
最初からこっちの生き方が
間違ってる設定ですよね?
(p.129)

 おっしゃる通りです…。誰かの生き方にとやかく口を出すのは野暮というものです…。

「ダ名言」いかがだろうか。お笑い要素はほとんどないが、コロナ疲れで湿りがちな私たちの心に、ピリッとした刺激と元気を与えてくれるものばかりだ。素晴らしい名言に感謝の意を示し、最後に「あとがき」にある浜ロンさんらしい名言を紹介する。

「幸せをつかみとる」「幸せになる」という言葉を使う人がいますが、そう考えているうちは幸せにはなれないと思います。幸せは何かを得るのではなく、感じるものだと思いますから。

文=いのうえゆきひろ

この記事で紹介した書籍ほか

ダ名言

著:
出版社:
主婦の友社
発売日:
ISBN:
9784074421756