「バカだから勉強ができない」──否、それは勉強法が間違っているから! 成功者が教える「天才の勉強法」とは

出産・子育て

公開日:2020/7/1

『マンガでわかりやすい やってはいけない勉強法』(石井貴士:著、酒井だんごむし:シナリオ、さとうねこ:作画/きずな出版)

 緊急事態宣言が解除され、日本全国で行動の自由が徐々に戻ってきた。学校も、各自治体で差はあるものの、再開されるケースが増えている。しかしこれまでの休校期間を考えれば、保護者が「子供の成績に差が生まれるのではないか」と心配するのもやむを得まい。もちろん行政は何らかの手を打つべきではあろうが、それを待っているだけというのも問題だ。ここは積極的な「勉強法改革」も試してみる必要があるのでは。『マンガでわかりやすい やってはいけない勉強法』(石井貴士:著、酒井だんごむし:シナリオ、さとうねこ:作画/きずな出版)には、著者・石井貴士氏が考える「やってはいけない勉強法」と「正しい勉強法」が非常に分かりやすく紹介されている。

 本書は、成績が伸び悩んでいる高校2年生の赤星あやかに、難関大学を卒業してニューヨークで働くエリート・青峰健斗が勉強法を教えていくというスタイルで展開。あやかのダメな勉強法に、健斗が次々とダメ出ししながら正しい勉強法をレクチャーしていくのだ。健斗の提案するメソッドは多岐に亘るので、今回は重要であろうと思われる部分に注目して紹介しよう。

「瞬間記憶」を会得するべし

「瞬間記憶」とは、「教科書や参考書をパラパラ見ただけで覚えること」だと健斗はいう。「これだから天才は……」と思う向きもあろうが、実は瞬間記憶に頭の良し悪しは関係ない。それを身につけるためのトレーニングをすればよいだけの話なのである。瞬間記憶が会得できれば、200ページの本を1分で読めるようになるという。これで試験前の復習が大量かつ楽に実践でき、結果として成績も上がっていくのである。では、瞬間記憶はどのように会得するのか。以降の勉強法と併せて見ていこう。

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4色の蛍光ペンで自分の理解度を「可視化」するべし

 教科書や参考書の要点部分に蛍光ペンでラインを引くというのは、多くの人がやっていることだろう。しかし1色では不十分だし、多すぎても複雑になって効果がないという。本書で推奨するのは4色。理由は「理解度を可視化するため」である。具体的には「赤:見た瞬間に0秒で意味がわかるもの」「緑:3秒くらい考えて意味がわかるもの。うろ覚えのもの」「黄:見たことはあるが、意味はわからないもの」「青:見たことも聞いたこともないもの」となる。まずは緑を赤にする作業から始めよう。分かりかけていることを分かるようにするほうが楽だし、ストレスがかからず効果も実感しやすい。効果が実感できれば、難易度の高い「青→黄」といった作業にも張り合いが出てくるはずだ。これを繰り返してすべてを赤にできれば、多くの項目が素早く復習可能となるのである。

勉強の極意は「早く読むこと」にあり

 瞬間記憶の項で触れたように、究極的には200ページの本を1分で読めるようになれば成績は上がっていく。では早く読むようになるにはどうすればいいのか。まず「字をいちいち目で追わない」こと。「周辺視野」という、ひとつのものを見ていたら、他のものも目に入ってしまうという視覚の範囲を利用するのだ。具体的には本の見開きを自分の視野にすべて入るようにして、一瞬でページ全体を視界に収めること。目を動かすのではなく、ページ全体を視界に収めたらすぐに手を動かしてページをめくる。見開きを0.5秒で読めれば、200ページ1分台は可能になるという。「そんな読みかたで、本当に内容を覚えられるのか」と疑問に思う向きもあるだろう。本書では「覚えようとするから忘れる」と指摘。あえて「忘れることにわざと失敗すること」で覚えていくのだという。「忘れてもいい」くらいの気持ちで読み進め、多くの情報を素早く処理しながら記憶に定着させるのが、勉強の極意なのである。

 本書の著者である石井氏は、この方法で全国模試1位を獲得し、慶應義塾大学に合格した。そして氏の教える「1冊1分で本を読む方法」は受講者1300人を数え、1人の挫折者もいないのだという。「どうせ無理だろう」と思っている人に石井氏は「瞬間記憶も、3ヶ月はトレーニングが必要です。1冊1分も、6ヶ月はトレーニングが必要という、ただそれだけなのです」と語る。もしも努力の割に成績が伸び悩んでいる人がいるなら、挑戦してみる価値はありそうだ。

文=木谷誠