「おかあさんのお腹の中、覚えてるよ! 」 Instagramで大人気の“胎内記憶ガール”に癒される人が続出中!
更新日:2021/6/17
また、ひぃちゃんのお空の話には文香さんをはじめ、流産の経験を持つ女性の心を楽にしてくれる力がある。



筆者自身も数年前に流産をし、自分のことを責めた時期があったため、ひぃちゃんが語る「お腹の子が空に戻った理由」を聞き心が軽くなり、4回の流産を経験した女性へのひぃちゃんの言葉を見て、涙が止まらなくなった。


あの頃の自分をようやく許せるかもしれない。そう思った。
スピリチュアル系の話は真偽が問われやすいものだが、本作はそこに重きを置いてはいない。自身も未だに疑っている部分もあると明記した上で、文香さんは読者にこんなメッセージを寄せている。
“有る人には有る世界で 無い人には無い世界 それでいいと思います。この本のマンガはその世界の真偽を追求していくものではなく 今、この瞬間、この現実世界を生きている人が 楽しんでくれたり 共感してくれたり 考え方や視野が少し広がったり 生きていくことが少しラクになったり プラスに作用してくれたら嬉しいなと そんな想いと願いを込めて作りました。”
お空のセカイが本当にあるかどうかは、正直誰にも分からない。けれど、こうした話を信じることで心が救われるのならば、“あるかもしれない世界”を想うのもいいのではないだろうか。
絶妙な突っ込みを入れつつ、ひぃちゃんの声に耳を傾け続けている文香さんは、愛娘が語るスピリチュアルな話を純粋に楽しみながら聞き、親子の交流を深めている。そんな姿からも読者は、「子どもの愛し方」を学ぶ。
自分を親に選んでくれたわが子に、私はなにができるだろうか…。そんな問いが浮かんでくる本作は、親となった大人が「子ども」の視点に戻って読んでも楽しめる1冊。ぜひ、笑い、驚き、癒されながらお空のセカイに思いを馳せてみてほしい。
文=古川諭香