あなたの指、変形していませんか? 40代以上の女性を中心に発症するヘバーデン結節の恐ろしさ

健康・美容

公開日:2020/8/18

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?
『そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?』(笠原巖/自由国民社)

 手の指先(第1関節)が太く変形して、ときどき痛むことがないだろうか? 家事や草むしりなど、手にちょっとした負担がかかっただけで痛みが走ることがないだろうか?

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 もしかしたらそれは「ヘバーデン結節」という病気かもしれない。

 そう警鐘を鳴らすのが『そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?』(笠原巖/自由国民社)の著者であり、笠原接骨院院長の笠原巖先生だ。

「ヘバーデン結節」とは、40代以降の女性を中心に手の指先に発症する変形性関節症(炎)の一種。全身症状で見た場合、60代~70代の女性では5人に1人の割合で発症しており、笠原先生は300万人~500万人ほどの患者がいると推計する。いわば国民病だ。

 しかしこの病気はまだあまり知られておらず、病院の診察を受けても「関節リウマチ」や「加齢」などと間違われ、正しい治療を受けられず苦しむ人が多い。

 そのまま放置すると、もろくなった関節にわずかな外力がかかるだけで“捻挫”を繰り返し、そのうち慢性化して悪化していく。

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 ヘバーデン結節は原因不明で、どの指から発症するのかも不明。急に痛みや変形が現れる「急性期」や、痛みがほとんどなく十数年かけてじわじわと変形するなど、症状の現れ方はそれぞれだ。指1本で済む人もいれば、すべての指が発症してしまう人もおり、早期発見と早期治療がこの病気と付き合うカギになる。

 ヘバーデン結節において効果的な治療が「添え木固定」だ。

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 この治療は家庭でも行うことができる。用意するものは、ノートの表紙やお菓子の箱などを、縦3cm・横1.5cm四方に切り取った厚紙。そして長さ5cmに切り取った2本のサージカルテープだ。

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 本書で示される図解のように、切り取った厚紙を第1関節の曲がる方に「添え木」としてあてがう。骨折したときに使用するギプスの要領だ。そこへ2本のテープを巻きつけ、しっかりと固定。この「添え木固定」の詳しい方法は、本書で詳しく解説されているので、ヘバーデン結節に悩む人はぜひ本書で確認をしてほしい。

 この治療を早期に行うことができれば、痛みや炎症が現れる急性期であっても症状を早くに鎮めることができ、変形も最小限に食い止められる可能性がある。笠原先生によれば、「添え木固定」によって平均3カ月で痛みや炎症が治まり、1年間粘り強く続けた場合、変形した骨の約30%を修復できるという。早期の段階で30%修復できれば、日常生活にほとんど支障がなくなる可能性もあるので、「添え木固定」を実践したいところだ。

 ちなみにまったく治療をしない場合でも、およそ1年で痛みは消えるそうだ。ただし変形した影響で、わずかな外力が加わっただけで捻挫を繰り返して、どんどん悪化していく。だからこそヘバーデン結節の早期発見と早期治療が、この病気と付き合う最大のポイントだ。

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 恐ろしいことにヘバーデン結節は、手の指先の第1関節だけではなく、全身に現れる病気だ。笠原先生は「一般的な外反母趾と思いこんで医療機関へ行くほとんどの人が“足ヘバーデン(仮称)”を発症している」と指摘する。

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 また手の親指の付け根にあるCM関節が痛みとともに出っ張り、だましだまし生活していると悪化して、さらに出っ張ったり亜脱臼したりすることがある。これを「母指CM関節症」というのだが、これもヘバーデン結節が密接に関係している可能性がある。

そのヘバーデン結節、足やひざにも起きていませんか?

 このほか手の指先の第2関節が太く変形する「ブシャール結節」なども存在し、ヘバーデン結節がいかに全身に現れる病気か、笠原先生は強く訴える。

 本書ではそれぞれの症例や治療法についても詳しく解説しているので、症状に思い当たる人、それに苦しむ人はぜひ手に取って早期治療を実践してほしい。

 40代以降の女性を中心に、推定300万人以上が発症しているとされるヘバーデン結節。まだ知名度が低い病気だからこそ、その認知が広まって、詳しい原因究明がなされることを強く願う。

文=いのうえゆきひろ

この記事で紹介した書籍ほか