1万人もの出会いのパターンを分析してわかった人生好転の法則「セレンディピティの法則」とは?

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公開日:2020/10/14

人見知りでもセレンディピティ 身近な奇跡が爆増する20のルール
『人見知りでもセレンディピティ 身近な奇跡が爆増する20のルール』(林勝明/飛鳥新社)

 人生をガラっと変えてみたいと思っても、起業や転職をするには勇気がいる。一大決心しなければならず、つい足がすくんでしまう。だが、日常のちょっとした習慣を変えるだけでも人生を好転させることはできる。『人見知りでもセレンディピティ 身近な奇跡が爆増する20のルール』(林勝明/飛鳥新社)は、そんな気づきをくれる1冊だ。

 本書に綴られているのは、「セレンディピティ」を起こすコツ。セレンディピティとは、ふとした偶然をきっかけに人生が変わるような幸運を得ること。例を挙げると、学生時代の恋人と偶然にも再会した時、それをよい機会と捉え、同窓会を企画したら復縁できたり、ビジネスチャンスが得られたとしよう。これこそが、セレンディピティ。ざっくり言うと「驚くべき偶然の一致」という概念を持つ「シンクロニシティ」とは違い、ちょっとした偶然の活かし方のコツさえ知っていれば、誰でも起こすことができるのだ。

 本書内で著者は具体的な根拠を交え、極度の人間嫌い&人見知りだった自分が実践してみて高い効果が得られた「セレンディピティを起こすコツ」を紹介している。

セレンディピティには法則がある!

 1万人以上の人たちの出会いのパターンを分析する中で著者は、「セレンディピティ=出会いの頻度×気づき」という方程式があると気づいた。

 例えば、新しい出会い(チャンス)を得てもひとつひとつの機会で気づきがないと活きてはこない。これは逆も然りで、いくら多くのことに気づけても出会いの機会が少ないと力を活かせないもの。だから、セレンディピティを起こすには、「出会い」と「気づき」の両方を増やしていくことがカギとなる。

 とはいえ、私たち人類は数百万年もの間、小さな集団の中で見知った相手と仲を深めつつ、よそ者を警戒して生きてきたため、外交的なコミュニケーションが苦手だ。現に、社交的な人が多そうなアメリカでも自分のことをシャイだと思っている人は多い。5000人を対象にした調査では、なんと約8割もの人が対人関係に不安や不便を感じたことがあると答えたそう。多くの人は人見知りであるからこそ、出会いの頻度を増やすには受け身ではなく、自らコミュニケーションのきっかけを作っていく必要があるのだ。

 この人との出会いを、いいものにしたい…。そう思った時におすすめしたいのが、出身地や昨日食べたご飯など単純な事実ベースの質問を投げかけ、心の壁を壊すこと(アイスブレイク)。相手が返答にさほど困らず、素も見えやすくなるので、話が広がりより良い出会いになりやすい。

 ちなみに、出会いの頻度を高めようとするあまり、会う人や行く場所を決めることに疲れてしまった時は「出会いを自動化」し、楽に出会いの頻度を高めるのも手。ボランティアなどに定期的に参加し、人と出会うことを習慣化させてみよう。本書には適切な参加頻度の目安も記されているので、そちらも要チェックだ。

ゆるさを出すと「気づき」は増える

 セレンディピティを起こすには気づきを増やすことが重要だと分かってはいても、心に余裕がないと周囲に目を向けることは難しい。そんな人に対して著者は「ゆるさ」を出し、心に気づける余裕を持とうと訴える。

 そう言われても何をすればいいのか…と悩む方はまず、知らない道を散歩してみよう。実は人間の脳は多様性や新規性のある移動を検知すると、喜びや幸福感を生み出すのだとか。幸福を感じていればさらに移動が増え、より一層の幸福感を得るという正のスパイラルが起きることも、マイアミ大学のアーロン・ヘラー博士らの研究によって判明している。

 言われてみると、たしかに学生時代の道草ではさまざまな気づきが得られ、楽しかったことを思い出した。年を重ねると、自宅と職場の往復がルーティーン化しやすくなるが、大人にこそ寄り道は必要。お金がなくても簡単にできる「ぶらぶら散歩」は、セレンディピティを起こす第一歩だ。

 本書には他にも、具体的にどうやって出会いの頻度や気づきを増やしていけばいいのかをまとめた実践法も掲載。こちらはレベル1~10のステップアップ形式となっているので、人見知りな方でもチャレンジしやすい。

 これまで見過ごしていた事柄を「セレンディピティの種」にすると、人生は好転するはずだ。先が見えない不安に押しつぶされそうになるこんな時代だからこそ、セレンディピティを起こし、自分の手で実りのある未来を掴もう。

文=古川諭香

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