東大生の思考法は再現可能!? 偏差値35から東大生になった著者の伝える「東大思考」

ビジネス

公開日:2020/10/29

「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考
『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(西岡壱誠/東洋経済新報社)

 発売1カ月でなんと10万部突破! 『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(西岡壱誠/東洋経済新報社)は、思考が変わり、世界が変わり、学びたくなる本である。

 著者は「頭のいい人」が物事をどのように考えているか、その思考回路を解説している。

 著者の西岡壱誠氏は言う。「東大生の思考回路は、誰でも再現可能な思考法。もともとの頭の出来に関係なく実践可能なテクニックである」と。

“凡人”西岡氏が提唱する東大思考と物事の見方の解像度

 まず東大思考は、よく言われる地頭の良し悪しに関係なく、論理的に誰もが身につけられるものだと本書はいう。

 東大生の思考が誰にでも身につく? にわかには信じられないが、これが西岡氏の言葉だから信じられる。

 彼は、高校3年時の模試の偏差値はなんと35。そこから猛勉強の末に2浪して東大に合格した。その際に培った勉強術や読書術などを、『東大読書』(東洋経済新報社)などの「東大○○」シリーズとして書籍化。現役東大生作家として知られる存在となり、NHKで放送された「逆転人生」に出演した。学年ビリのギャルが慶應大学に現役合格したあの“ビリギャル”の男性版といえる人物だ。

 そんな彼が受験中に感じたことが「やっぱり頭のいい人は『思考回路』が違う」ということだった。ポイントは「見方の解像度」だという。写真は拡大すると分かるが、きめの粗い低解像度のものと、細かい部分までピントが合っている高解像度のものがある。頭のいい人は身の回りすべての物事を、例えるなら超高解像度のカメラでみるように、細かくみて考えている。だから同じ物事をみていても違う部分に着目できる。

 さらに東大入学後、分析してみると、多くの東大生に共通している「思考方法」があり、これは再現可能であることに気付いたのだ。本書では西岡氏が、“考える技術”と“地頭”の育て方を、東大生たちの解像度の高い見方と5つの思考方法から解説していく。

東大思考により考える技術を身につけ“頭がよく”なろう

 本書の構成は、275ページ中、220ページまでがPART1【日常生活で「地頭力」がグングン高まる東大思考】だ。5つの東大思考(CHAPTER1~5)を詳細に説明してくれている。

CHAPTER1:原因思考で「たくさんのことを一度に記憶」できる
 原因思考は覚えるべき事項を身の回りのものに関連づけたり、その事項の誕生の理由を探るなどする思考のこと。東大生は丸暗記などをせずにこれにより記憶しているのである。

CHAPTER2:上流思考で「難しいことを超分かりやすく要約」できる
 東大生がよく口にする言葉は「要するに」だ。彼らは要約がうまい。東大生は具体的な内容に入る前に、「上流」である前提・背景を調べる。それを把握することで、要約に必要な本質的な情報を整理できるからだ。これが上流思考だ。

CHAPTER3:目的思考で「どんな人にも必ず伝わる説明」ができる
 東大生は「何のために」を明確にする。これが目的思考だ。物事を手段と目的に分けて考える。そして目的をしっかり持つ、目的を先に、手段は後にする。この目的思考によって、説明がうまくなる。「伝えたい」目的を徹底的に考えるからだ。すると伝え方である手段が見えてくる。結果、伝わる説明ができ、プレゼンがうまくなるのだ。

CHAPTER4:裏側思考で「普通は思いつかないひらめき」がわく
「一を聞いて十を知る」という言葉がある。本来の意味は「物事の一端を聞いただけで、その全体を理解するほど、聡明である」だ。ただ本書では、「1に対するものの見方を10持っている」という例えで使われている。多くの人(東大思考を持たない人)はものの見方をひとつしか持てない。だが東大生たちはひとつのものを、複数の立場や角度からみる。

 そして必ず反対の意見を、あえて考えるのだ。これが裏側思考である。「本当にそうなのか」「間違っているポイントはないのか」と考える。これができる人たちがイノベーションを生み出せる。他人が思いつかないアイデアを生み出せるようになるのだ。

CHAPTER5:本質思考で「どんな問題もスラスラ解決」できる
 何気ない物事の中から“解決の糸口や鍵にすることができるものを見つける”見方が本質思考である。これによって難解な問題を解決することができる。

 西岡氏は、本質とは、物事をミクロとマクロで見て、それを行き来することではじめて見えてくるという。日常生活を送っていると「経済が落ち込んでいる」というマクロな話と「近所のスーパーが潰れていくかもしれない」と考えるミクロな話の両方に当たることがある。このふたつを結び付けて考えられれば、以下のような問題も解けるようになる、すなわち本質を理解することができるようになる。

Q シャッター通り商店街が最近増えている理由は?
Q どうして夕焼けは晴れ、朝焼けは雨なのか?

 マクロとミクロを行き来する努力、これこそが本書のテーマである「頭がいい人になれる方法」なのだ。本質は分かりにくい。頭がいい人は、まず本質を見抜ける力がある。ただこの本質は1~4までの思考とすべてつながっている。原因であり、上流であり、目的であり、裏側だ。これをとらえると、簡単に暗記ができ、要約ができ、うまく説明ができ、いろんな発想ができ、そして問題を解決できるのだ。

東大思考で、変えられる。何にでも、なれる。

 ここまで書いてきた「思考法」すべてが、誰でも行える「考える技術」だ。そうして「地頭力」を高められるのだ。ここまで読んだ方は、ぜひPART2【「地頭がいい人」の頭の中はこう動いている――「東大思考」実践編】で、問題を解いてもらいたい。

 本書は東大生レベルの思考方法を分解し、誰もが使えるテクニックにしてくれている。この記事を読んでくれた若い方は、まだどんな所へも行ける。何にだってなれる。さらに大人の方も、見方と思考はまだまだ変えられるはずだ。元「ビリギャル」男性版の西岡氏が東大生になれたように。

文=古林恭

この記事で紹介した書籍ほか

「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考

著:
出版社:
東洋経済新報社
発売日:
ISBN:
9784492046715