パパママの悩みを解決! 3歳から読める、「性」についてやさしく教えてくれる絵本

出産・子育て

公開日:2021/6/8

性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?
『性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?』(著者:たきれい、監修:高橋幸子/KADOKAWA)

 大切なことでありながら伝え方が難しい「性」という問題。繊細で“恥ずかしい”“気まずい”と思ってしまいがちな問題だが、正しい知識を持っていないと、万が一危険が迫っても、本人が自覚することもできないかもしれない。年頃の子どもを持つお母さん、お父さんも、ふとしたときに聞かれて困ったことがあるのではないだろうか。ときには、まだ幼い子どもに質問されることだってある。

 先日、そんなパパママの悩みを解決してくれる画期的な絵本『性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?』(著者:たきれい、監修:高橋幸子/KADOKAWA)が発売された。本書は3歳から読める、未就学児への性教育にも使いやすい、性教育を目的とした絵本。絵本というコンテンツであることで、いつもの読み聞かせと同じように大切なことを教えられるのが特徴だ。

 また、対象年齢が3歳からとなっているだけあって、幼い子どもでも抵抗なく見られるイラストに配慮の行き届いたやさしい言葉遣いで丁寧に進められていく。

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性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?

 まずは男の子が、女の子が大人になっていくというのはどういうことなのか、というところから。子どもから大人に成長する過程で男女の体がどう変わっていくのか、子どもが小さいうちであれば親子で絵本と現実を照らし合わせながら楽しく学ぶことも難しくない。こうして幼いころから「体」を大切なものとして扱い現実的な教育をしていくことで、自然と「自分の体も人の体も大事にする」という心も育てることができるのだ。

 もちろん、こうして話す流れを作ってから、「性交」についてもきちんと解説していく。

性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?

 赤ちゃんを作り、育てていくための大切な行為として説明してくれるため、こうした行為には「命が生まれるかもしれない」という責任が発生することも併せて伝やすい。「こうして生まれてきた赤ちゃんを大切に育てて今のあなたがいる」という話に持っていければ、子どもも「遠い話」で終わらせずに考えてくれるはず。子どもは、大人が思う以上にいろいろなことを考えているものだ。

 そして後半では、自身の心と体を守ることの重要性についても触れてくれる。「知らない人についていってはいけない」というようなざっくりとした説明で終わるのではなく、子どもの体に触ろうとしてくる、心と体を傷つけようとしてくる悪い大人がいるという現実がきちんと描かれている。

性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?

 何が危険なのか感覚では分かりづらい子どもでも分かるように、「みずぎでかくれるところは あなただけの たいせつなところ」と詳細な判断基準が設けてあるのもありがたい。できるだけ信頼できる大人たちに付き添ってもらうこと、なるべく1人にならないよう気をつけることなど、子どもが重要性を理解しにくいことも、この流れがあれば少なからず伝わりやすくなるだろう。

 子どもたちが何も知らずに性犯罪に巻き込まれてしまわないよう、「うちの子にはまだ早い」なんて思わずに、幼いうちから「大切なこと」として伝えてあげてほしい。そのスタートブックとして、この『性の絵本 みんながもってるたからものってなーんだ?』が必ず役に立ってくれるはずだ。どうやって伝えればいいのか分からないと悩んでいるパパママは、本書で一緒に正しい知識を育んでいこう。その知識が、子どもたちの心と体を守ってくれる。

文=月乃雫

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