6つの「思考タイプ」を知るだけ!「言えない」「聞けない」「伝わらない」コミュニケーションのもどかしさからの解放

暮らし

公開日:2021/10/9

コミュニケーションのもどかしさがなくなる本
『コミュニケーションのもどかしさがなくなる本』(中村青瑚/イースト・プレス)

「頑張ろう!」と言われた。「応援してくれている。よし、頑張ろう」と前向きにとらえる人もいれば、「頑張っているのに、頑張れなんて言わないで!」と怒り出す人もいる。はたまた、「(言われなくてもわかってるのに……)はぁい、頑張りまーす」と本心は胸の内に、軽口で答える人もいるだろう。

 人の気持ちは十人十色、千差万別。良かれと思った言動でも相手を追い詰めたり、不快にさせたりすることもある。では、どうすればいいか。それは相手に合わせて言い方や対応を少しだけ変えればいい。とはいえ、言うは易し。簡単にできれば苦労しない。

 職場・友人・恋人など、さまざまな場面で円滑なコミュニケーションを実現したいアナタに『コミュニケーションのもどかしさがなくなる本』(中村青瑚/イースト・プレス)をおススメしたい。この本で覚えることは、たった6つの「思考タイプ」。相手の考え方の特徴を知ることで、その傾向と対策を知ることができる。

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 ただ人間は、この6つのタイプにぴったり当てはまるほど単純ではない。一つの色がはっきりと彩るのではなく、さまざまな色が交じり合って人格は形成される。その濃淡を知ったうえで「この人のメインのタイプはどれだろう」と観察するのがベスト。以下に6タイプを簡単に紹介するので、まずは自分のタイプを探してみよう。

茶(ディレクター)…自分の価値観や意見に従って行動
青(コンセプチャー)…論理的に物事を観察・分析
オレンジ(アコーダー)…周囲への気遣いや共感が大切
黄(ムーバー)…楽しむことが何よりのエネルギー
緑(ソーサ―)…内面に豊かな世界を持つ芸術家タイプ
赤(ブレイバー)…悩む暇があるならまず行動

 詳しい診断は、本書の「パーソナリティ・タイプ診断」で可能。個人差はあるが、一番大きい数値のタイプがベースとなり2番目、3番目とその特徴が表れる。

 実際に診断してみたが「この色がぴったり当てはまる」ということはなく、比較的「わかる」「考え方が近いかな」という印象だった。ただ、下位3つはゼロというわけではないが、自分とは遠い考え方・価値観であるように感じる。それが自分の性格のグラデーション、個性ということだ。自分自身を客観的に眺め、傾向を知るのにも役立つだろう。

 本書では、6つのタイプの詳細な特徴に加え、タイプごとにストレスを感じる要因や、ストレスを読み取るサイン(言動など)、対処法などが具体例とともに紹介されている。読み進めながら「あ、こんな人いるいる!」と身近な人の顔と名前が浮かぶはずだ。

「この人は○○タイプなのかな」「こうやって話しかけてみようかな」。そう考えながら読んでいると、自然とその人のことを考え、相手をよく観察するようになる。そうすると相手のうわべだけの言動だけでなく、考え方・価値観にも目を向けるようになるだろう。これこそコミュニケーションの最も大事な“テクニック”なのかもしれない。

文=冴島友貴

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