大雨がつづく梅雨の時期。「集中豪雨」や「土砂災害」が起こる原因は?/面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

スポーツ・科学

更新日:2022/7/20

集中豪雨がもたらす災害

河川の氾濫や土砂災害が発生する

 梅雨の末期や秋雨、台風の季節には、東アジアで集中豪雨が発生しやすくなります。同じ場所に大量の雨が降ることで、災害も多く発生します。

 大雨による災害としてまず挙げられるのが洪水です。人が流されることもあれば、家屋が浸水することで家財道具がだめになってしまうこともあります。

 また、大雨が降ることで土壌がやわらかくなり、崩れやすくなります。土砂災害が発生すると、多くの犠牲者が出ることがあります。土砂災害には大きく分けて3つの種類があります。

面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

「土石流」は、山や谷の土が水と混ざって一気に流れ出る現象です。車のスピード並みの速さで流れ出て破壊力も大きいため、人や建物、田畑などに大きな被害を及ぼします。雨の降っている場所から離れたところにいる人でも被害に遭いやすいのが特徴です。

「地すべり」は、比較的緩い傾きの斜面が、広い範囲で滑り落ちていく現象です。民家や道路、田畑などに広い範囲で被害を及ぼすほか、川をせき止めて洪水を引き起こす原因になることもあります。

 そして「がけ崩れ」は、急な斜面が突然崩れ落ちる現象です。急に発生するため、崖の下にいる人は逃げ遅れて亡くなることが多いです。

2020年に日本や中国で発生した大規模な洪水

 2020年の7月、梅雨前線に伴う集中豪雨で日本や中国で河川の氾濫による被害が出ました。日本で特に大きな被害をもたらしたのは、7月3日から4日にかけて九州を中心に続いた豪雨で、この豪雨により日本三大急流のひとつである球磨川が氾濫し、約60人の犠牲者が出て、住宅約7000戸が被害に遭いました。7月3日から8月正午までの期間で、九州だけでも複数の線状降水帯が確認されました。ほかにも、この年は筑後川や飛騨川、最上川などが相次いで氾濫し、死者は全国合計で84人、行方不明者が2人、住宅の被害は1万6599棟となりました。気象庁はこの一連の豪雨を「令和2年7月豪雨」と命名しています。

 この年の梅雨前線は、中国でもたくさんの災害を発生させました。長江をはじめ190以上の河川が氾濫し、200人以上の死者がでました。

<続きは本書でお楽しみください>


『面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ』をAmazonで読む >

あわせて読みたい