イチロー選手に学ぶ、プレッシャーを力に変える方法とは/仕事・スポーツ・勉強のプレッシャーがなくなる本

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公開日:2023/1/20

プレッシャーを力に変えるには?

●緊張を受け入れるとパフォーマンスが上がる

 プレッシャーをはねのけてパフォーマンスを上げるには、緊張している自分を受け入れることが大切です。

 実際、ストレスクリア® 心理学を取り入れて、トップアスリートを育てる場合、「緊張するのは当たり前だ」

 と指導したほうが、結果も出ています。

 

 潜在意識と顕在意識の比率は、「93対7」といわれています。

 緊張している人は、93%の潜在意識が緊張していて、残り7%の顕在意識と乖離し、葛藤状態になってしまっているのです。

 これでは、いいパフォーマンスは発揮できません。

 

 そこで、「緊張してはいけない」という思考を手放して、「緊張するのは当たり前。当然のことだ」と受け入れられるようになると、潜在意識と顕在意識が100%一致します。

 これは、うまくいくことを邪魔する「余計なノイズ」がない状態です。

 すると推進力がぐっと上がり、いわゆる「ゾーン」と呼ばれる最高のパフォーマンスを発揮できるようになるのです。

 

●「緊張」は大切にしているものに気づけるサイン

 人は、どうして試合で緊張してしまうのでしょうか?

 じつは、プレッシャーに悩んでいる人のほとんどが

「この試合が、自分が選手としてやっていくなかで大切なところだ」

 といった思いを持っています。

「大切」だと思っているからこそ、人は緊張してしまうものなのです。

 ですから、「緊張=悪」ではありません。

 

 緊張してしまう人は、大切にしている「何か」を持っています。

 つまり、「緊張」を否定することは、その「何かを大切にしている自分」をも否定することにつながってしまうのです。

 

 自分を否定していては、絶対にパフォーマンスは上がりません。

 心当たりがあるようなら、大事にしていることがあるのだと受け入れ、緊張してもいいと思うところからはじめましょう。

 

 たとえば、「大会で優勝する」という目標を掲げたとき、顕在意識では

「叶えたいな」

 と思っても、潜在意識で

「でも無理だろうな」

「練習が大変だ…」

 と葛藤していると、うまくいきません。

 

 顕在意識でも潜在意識でも「優勝するのが当たり前」だと思えているのが、顕在意識と潜在意識が100%一致している状態です。

 このことを心の底から納得できた選手は、掲げている目標に対して、潜在意識と顕在意識が矛盾なく100%一致するので、プレッシャーがなくなり、はかり知れない力を発揮できるようになります。

 

●緊張はパフォーマンスを上げるために活用する

 プレッシャーを受け入れられるようになると、「緊張」をうまく扱えるようになります。

 たとえば、緊張するはずの場面で、まったく何も感じないというときは、プレッシャーを克服したのではなく、気がゆるみすぎているのかもしれません。

 少しくらい緊張しているほうが、人は集中することができるものです。

 

 緊張しすぎている人も、逆に緊張していない人も、じつは、必要なことは同じ。

「もっと自分のパフォーマンスに集中する」ことが大切です。

 

 緊張する自分を否定しなくなると、掲げた目標に対して、潜在意識・顕在意識が100%同じ方向を向くようになります。

 そうすると、プレッシャーがかかる場面でも、素晴らしいパフォーマンスが発揮できるようになるのです。

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<第6回に続く>

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