【3月1日発売!「吹けば飛ぶよな男だが」収録の書き下ろしエッセイより特別先行公開!】 SUPER BEAVER渋谷龍太のエッセイ連載「吹けば飛ぶよな男だが」/第20回「私の頭の中のキムタク」

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公開日:2023/2/27

 昔からちょっとドジである。もちろん、私の話だ。

 そんな私は、世の中に完全無欠のかっこいい人が実際に存在していると思っていて、そういう人に強い憧れがある。自分が完全無欠の無敵スキルを持ち合わせていないという自覚があるからこそ、憧れになっているわけだが、もしも叶うのであれば完全無欠のかっこいい人に、私もなってみたい。

 バンドマンとして格好をつけるのは、そして格好良くいることは、私の仕事の一つであるとも思っている。だから抜け目なく、スマートに、洗練された行動をとりたいと、常日頃思っているのだが、ぶっちゃけた話、「バンドマンとして」とかいう大義名分は置いておいて、かっこよくなれればめちゃモテるし、良いことしかない。

 そうなるためには日々の反省が不可欠だ。あの時こうしておけば、ああしておけば、次からこうしよう、ああしよう。ちょっとドジな私はそんなことを思う回数が多い。

 そんな時、自らの行動を振り返って反省をする折に設けている絶対的な基準が一つある。

 

「キムタクだったら」だ。

 

 と、こんな風に切り出す話を書き上げた数日後、木村拓哉さんとのラジオが決まった。何かの間違いかと思ったが、テレビで歌う我々を見てくださった木村さんが、お声掛けして下さったのだという。

 おっかなびっくり当日を迎えたのだが、いざ対面した木村さんは本当に優しく、丁寧で、且つ人間的な魅力に溢れていた。「かっこいい」の象徴だった木村さんのかっこいいが更新された一日になった。

 収録中に木村さんはエッセイの出版に触れて下さった。この時、木村拓哉さんを主題に置いたエッセイがあるということを告げるべきか悩んだ。しかし、ここで伝えなければ、もしかしたら伝える機会がないかもと思い、私は意を決して口を開く。

「実は」

「ん?」

「木村さんのことを書いたエッセイもあるんです」

「まじ」

 

 以下、木村さんについて書いたエッセイだ。

 ここからは、木村拓哉さんにお会いする前の私に戻る。そして無礼を承知で、しかし究極のアイコンとして「キムタク」で記載させて頂くことをご了承ください。

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しぶや・りゅうた=1987年5月27日生まれ。
ロックバンド・SUPER BEAVERのボーカル。2009年6月メジャーデビューするものの、2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを実施。2012年に自主レーベルI×L×P× RECORDSを立ち上げたのち、2013年にmurffin discs内のロックレーベル[NOiD]とタッグを組んでの活動をスタート。2018年4月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催。結成15周年を迎えた2020年、Sony Music Recordsと約10年ぶりにメジャー再契約。「名前を呼ぶよ」が、人気コミックス原作の映画『東京リベンジャーズ』の主題歌に起用される。現在もライブハウス、ホール、アリーナ、フェスなど年間100本近いライブを行い、2022年10月から12月に自身最大規模となる4都市8公演のアリーナツアーも全公演ソールドアウト、約75,000人を動員した。さらに前作に続き、2023年4月21日公開の映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』に、新曲「グラデーション」が、6月30日公開の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』の主題歌に新曲「儚くない」が決定。同年7月に、自身最大キャパシティとなる富士急ハイランド・コニファーフォレストにてワンマンライブを2日間開催。9月からは「SUPER BEAVER 都会のラクダ TOUR 2023-2024 ~ 駱駝革命21 ~」をスタートさせ、2024年の同ツアーでは約6年ぶりとなる日本武道館公演を3日間発表し、4都市9公演のアリーナ公演を実施。さらに2024年6月2日の東京・日比谷野外音楽堂を皮切りに、大阪、山梨、香川、北海道、長崎を巡る初の野外ツアー「都会のラクダ 野外TOUR 2024 〜ビルシロコ・モリヤマ〜」(追加公演<ウミ>、<モリ>)開催する。

自身のバンドの軌跡を描いた小説「都会のラクダ」、この連載を書籍化したエッセイ集「吹けば飛ぶよな男だが」が発売中


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