朝がつらいのはアレが足りていないのが原因だった!? スッキリ目覚める魔法のドリンク/『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』③

ビジネス

2020/2/27

目覚めて何をするか、何を食べるか、どう働くか、いかに休むか、どのくらい鍛えるか、どんなSEXをするか、どうやって深く寝るか。1日の積み重ねが人生であるからには、日々をどう過ごすかが人生を決める。そして、1日の過ごし方は、自分の「選択」次第だ。その最強の「選択」とは――。年商70億突破の筋肉CEOが、身体も心も自分最高レベルにつくり変えたそのメソッドを余すところなく伝える。

『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』(オーブリー マーカス:著、恒川 正志:訳/東洋館出版社)

支配する

 1000年前のある日、ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスはベッドから出られないという問題を抱えていた。そのことが日記に書かれている。この文章がすばらしいのは、マルクスの奮闘が生き生きと描かれていることだ。不眠症に悩みながらも献身的に公務をこなしたマルクスは、こう書いている。“夜明けに、ベッドから抜けだすのがつらいときは、自分にこう言うといい。「仕事に行かなければならない―人間として。なんの文句があるだろうか。そのために生まれてきたというのに。それをするためにこの世に生を受けたというのに。それとも、創造されたのは、ぬくぬくと毛布にくるまっているためだというのか」”。

 もちろん、どんなに自分の人生に愛情をもっていたとしても、ベッドから抜けだすのは容易なことではない。ストア派の哲学者でもあったアウレリウスが提案したように、この憂鬱を乗り越えるには訓練が必要だ。義務感こそが、朝のつらさを乗り越えさせ、世界へと駆り立てたのだ。

 ストア派のようにストイックに訓練を積みたければそうすればいいが、ベッドを出てからの最初の20分にうまく対処できなければ、1日中苦戦を強いられることになる。朝がつらいのは意志が弱いからではない。楽にする方法を教わったことがなく、ましてや完全に始める方法も教わっていないからだ。とはいえ、実は1日の完全なスタートは手の届くところにある。

 それは弾みをつけることだ。そのような朝を経験したことがあるなら、わかるはずだ。何かにせかされることなく、自分が一歩先んじていると感じられ、1日を通して余裕が感じられるとき。誰でも、まったく偶然にこのような日を経験することがあるが、実は意図的に、定期的に、このような日を経験することができるのだ。

水分補給

 最初にするのは適切な水分補給だ。平均的な大人の身体は60%が水でできている。地球の表面も、同じ割合が水で覆われている。世界も水、私たちも水。こんなに水にあふれているのに、私たちは基本的に毎朝、水が欠乏した状態で目が覚める。とは言っても、浴室の蛇口からグラス1杯の水を飲んだり、シャワーのときに口に水を含んだりすればいいというものではない。のどの渇きさえ癒えればいいわけではないからだ。ヘルス・コーチであり睡眠のエキスパートでもあるショーン・スティーヴンソンは朝一番の1杯の水のことを“内臓の水浴び”と呼んでいる。別の言いかたをすれば、走りだす前にエンジン内部にオイルを行きわたらせることだ。

 みなさんにお願いしたいのは、目覚めのコーヒーを水とミネラル、つまり私が朝のミネラル・カクテルと呼ぶ飲み物に変えることだ。コーヒーを完全にやめろと言うつもりはない。確かに、コーヒーはおいしい。少し先に延ばそうと言っているだけだ。十分に水分補給した後で、吸収を遅らせるためにバターやココナッツオイルなどの脂肪をコーヒーに混ぜるまでのことだ(脂肪の重要性については3章で述べる)。朝のミネラル・カクテルの成分は水、海塩、レモンの搾り汁だ。これが魔法のカクテルだというつもりはないが、魔法のような効き目はある(飲めばありがたみがわかるだろう)。

レシピ
朝のミネラル・カクテル

ろ過した水  約350ml
海塩  3グラム
レモンの搾り汁  1/4個分

1. 材料すべてを混ぜあわせればできあがり

水:正しく摂取する

 フィットネス関連の雑誌やウェブサイトで水分補給の計算方法をよく目にするようになっているにもかかわらず、摂取すべき水分量に関する魔法の公式は存在しない。習慣、食事、作業負荷、毒性のある物質の摂取など、さまざまな要因の変化により、必要な水分量は一人ひとり異なっている。一般的に、水が不足しているよりは、摂りすぎのほうが良い。ガラスやアルミの水筒に入った水をつねに近くに置いておいて、いつでも飲めるようにしておくとよい。あなたが私のようなタイプなら、水筒が別の部屋に置かれていると、死にそうなほどのどが渇くまで取りに行かないだろう。そうなって初めて水を取りに行き、1日中遊んだ後でマグカップを見つけた幼児のように、がぶ飲みするだろう。水は近くに置いておいて、少しずつ飲むこと。

 十分な量の水を飲むことだけでなく、良質の水を飲むことも大事だ。水は自然界にある最良の溶媒であり、接触した固体の多くが水に溶けこんでいく。このことは、ミネラルを吸収するという点ではすばらしいが、ビスフェノールAなどの有害物質を含んでいるプラスチックのような固体と接触した場合には問題となる。この物質によりホルモン・バランスが崩れ、それに伴うさまざまな問題が発生する可能性があるからだ。そのため、どんな水を摂取するかを賢く選択することが重要となる。

 理想的な世界では、母なる自然からの恩恵を受け、わき水を飲むことができる。わき水には望ましい成分(有益なミネラル)がバランス良く含まれ、望ましくない成分(塩素、重金属、汚染物質)がほとんど、あるいはまったく含まれていない。寝る前に飲む水をわき水に変えてみたところ、朝まで脱水症状にならずに済み、いつもよく眠れるようになった。脱水症状になっていた原因は、身体の水分が不足しただけでなく、電解質と呼ばれるミネラルも不足していたからだ。これは、わき水には含まれていても、ろ過した水には含まれていない。

 私の認識では、市販のわき水を数リットルずつ毎日買うのは出費がかさむが、わき水は無料で手に入る場合もある。買いに行く前に、近所にきれいな無料のわき水がないか、調べてみるといい。わき水が無料で手に入るほど運が良くなく、水を買う予算もない場合、次善の策として、ろ過した水を使うことになる。水を満たして冷蔵庫に入れたブリタのピッチャーでも、キッチンの蛇口に直接取りつける浄水フィルターでも、手近にあるフィルターでいい。これで、水に浮遊する望ましくない物質の問題は解決する。その次に、望ましい成分が十分に摂取できるようにする必要がある。特に、海塩に含まれるような電解質を添加し、適切に水分とミネラルが補給できるようにする必要がある。一つまみの海塩を加えた蒸留水やろ過した水は、バランスの調整に役立つはずだ。一切れのレモンを搾って爽やかさを加えれば簡単な朝のミネラル・カクテルのできあがりだ。これはプロの格闘家が減量から回復するときにやっていることだ。これが世界最強の人の一番大事な日に効果を発揮するなら、私たちにとっても効果があるに違いない(不適切なミネラル摂取の影響については、第4章でくわしく述べる)。

塩:本来のミネラル・サプリメント

 海塩はミネラルが豊富に含まれている。食卓塩に含まれるナトリウム、塩化物、ヨウ素のほか、リン、マグネシウム、カルシウム、カリウム、臭素、ホウ素、亜鉛、鉄、マンガン、銅など、60を超える微量元素(ミネラルの中でも1日の摂取目安がごく少量のもの)が含まれる。これらはすべて、身体が健康に働くために不可欠で、最大の能力を引きだすのに役立つ。ナトリウムは体内で結合して水になり、私たちの細胞の内外の水分量を適切な状態に保つ。また、カリウムと一緒に、細胞膜の電気的勾配を維持する役割も果たす。これは神経伝播、筋収縮など、さまざまな機能にとって重要である。これがなければ、言うまでもなく、私たちは生きられない。

 残念ながら、塩はこの数十年、悪者にされている。理由は二つある。水分の保持を誘発する(別の言いかたをすると“むくみやすくなる”)ことと、血圧を上げることだ。専門的に見ると、どちらも正しい。体内の塩分濃度が高くなると、多くの水分が保持され、血液の量が少し増加する。血液が増加すると、血液を送りだすのに多くの力を必要とするため、血圧がわずかに上昇する。

 でも、これは問題だろうか。確かに高血圧は心疾患と相関関係があるが、八つのランダム化対照試験を分析したところ、減塩することで心疾患による死亡や病気が予防できたという十分な証拠は見られなかった。さらに1万1346人の母集団と3681人の被験者に対する2回の疫学調査もこれらの調査結果を裏づけている。特に健康な心臓をもつ人の場合、心臓病やそれによる死を防止するために、ナトリウムを制限する意味はない。ここに見られるのは、因果関係よりもむしろ、相関関係の典型例だった。高血圧は肥満と相関関係がある。肥満は心臓病と相関関係がある。しかし、塩が原因となる高血圧の増加により、心臓病の発生が増えたわけではなかった。本書で述べるように、当局が栄養摂取の助言を誤ったのはこれが初めてではない。良識ある助言を得るために、彼らは歴史書に注意を向けるべきだった。

 塩は何千年もの間、私たちの食事の一部だった。古代ローマの兵士は塩で報酬を得ていた。塩(salt)という言葉と給与(salary)という言葉はラテン語の同じ語根salから派生している。私たちは人の価値や有用性について述べるとき、「worth their salt(彼らはその塩に値する)」と表現している。では、なぜ塩がそれほど重要なのだろうか。もしあなたがローマ帝国を行進し、行く先々で剣を振り回す兵士だったすると、汗で失った水分とミネラルを補給しなければならなかった。そして、そのためには塩の摂取がもっとも確かな方法だった。

 塩の過剰摂取となることはあるだろうか。もちろん、ある。どんな薬でも使いかたを誤ると毒になるが、肝心なのは、特にミネラルが多く含まれる塩の場合、考えられていたような悪魔ではないことだ。では、どんな海塩を選べばよいだろうか。ピンクヒマラヤソルトは古代の海洋堆積物からできたもの―石油タンカーやジェット・スキーが海面を行き交うようになるはるか昔―で、ピンクの色の元となっている鉄を含んでいる。鉄分が不足しがちな女性にとっては、ピンクソルトを使用して調理し、味つけし、ミネラルを添加することはおすすめできる。ただし、天然のものであれば、普通の海塩でもよい。コーシャー・ソルト(ユダヤ教徒のために清められた粗塩)は、栄養的に特別な意味はない。単に宗教的な意味あいがあるだけなので、混乱しないように。あしからず(シャーロム)。

<第4回に続く>