就寝中に地震がきたら/『そのとき、どうする?~ただちに命を守るとっさの行動マニュアル』①

暮らし

更新日:2020/8/31

大地震、風水害といった自然災害が多発する昨今――。近い将来、必ずあなたの身にも起こります。有事のシチュエーション別に、命を守る「知識」と「とっさの行動」を解説。災害大国で生き抜くための必読本!!

『そのとき、どうする?~ただちに命を守るとっさの行動マニュアル』(甘中繁雄/大和書房)

【地震】就寝中だったら

就寝中は地震と気づくまでにタイムラグがあることと、停電になったときに真っ暗になるのが怖いところ。家族で声をかけ合い、明かりは普段から確保しておきましょう。

家具などの圧死に注意。とにかく寝具で身を守る

 無防備なときに、大きな揺れを感じると焦ってしまいますが、慌てて逃げるのはかえって危険。背の高い家具からなるべく離れて頭を寝具で守りましょう。ベッドの下にもぐったり、ベッドの横で身をかがめたりして揺れがおさまるのを待つことです。揺れがおさまったら、床に飛散したガラスに注意しつつ、外へ避難する動線を確認。もし停電で真っ暗になってしまったら、スマホのライトを一時的に使うのもいいでしょう。

<備え>今一度見直したい寝室のレイアウト

 夜間の地震は機転(きてん)を利かせてとっさに動けないことも多いので、日頃の備えが明暗を分けます。まずは寝室のレイアウト。タンスなど大きな家具は転倒によるケガの恐れがあるので、できるだけ寝室には置かないようにしましょう。早朝に発生した阪神・淡路大震災は、犠牲者の約8割が家屋の倒壊や家具の転倒による圧死といわれています。

 また、窓ガラスやライトの破片でケガをする危険があるため、寝場所の近くに転倒物、落下物がないレイアウトを心がけましょう。

 さらには枕元やベッドの下には、非常用持ち出し袋、底の厚いスリッパやスニーカー、懐中電灯、携帯ラジオ、スマートフォン用のモバイルバッテリー、笛などを備えておくと安心。笛は、万が一、家具や家屋の下敷きになってしまった場合に、いち早く発見してもらうためのアイテムです。

スリッパの用意がなければ洋服で代用を

 布団や枕などで身を守ったものの、周囲にガラスが飛散していたら素早く行動はできません。そのためにスニーカーなどの備えが必要なのですが、ない場合は厚手の洋服を足に巻きつけてスリッパとして代用するのも手です。

阪神・淡路大震災のとき、大きな揺れで飛び起き、とっさに部屋の真ん中へ行き、当時小学生だった息子に覆い被さって布団をかけ、ひたすら揺れがおさまるのを待ちました。揺れている間はまったく何もできないことを実感した瞬間でした。

<第2回に続く>