小さいノートは気軽に相談できる“親友”。怒りや不安を吐きだしてポジティブに!/『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術 』⑥

暮らし

公開日:2020/5/1

ウェブマガジン『毎日、文房具。』編集長・髙橋拓也がおすすめする世界で1番“気楽な”ノート術。スマホのように開く。そうすれば、煩雑な毎日が整理され、新たな可能性が見えてくる。小さいノートを味方につけて、“あなたの時間”を取り戻そう!

『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術』(髙橋拓也/玄光社)

06 ネガティブなモヤモヤを吐き出そう

 毎日のあらゆる場面で、自分をポジティブに支えてくれる小さいノート。けれども実は、ネガティブな部分も受け止めてくれる役割もあるのです。

 実は最近、苛立つことが少なくなったことを実感するようになりました。それは、ネガティブな感情がわきかけるたびに、小さいノートを開いていたからです。

 ネガティブな心理を分解してみると、怒りと不安のふたつに大別されます。怒りは、憤りを文字にして綴ることで吐き出せます。書くことには、一種のヒーリング効果があるのです。そして不安は原因が見えないからこそ、押しつぶされてしまうものです。禅語に「莫妄想(まくもうぞう)=妄想することなかれ」という教えがありますが、「妄想」は、ありもしないことを想像し、心を縛るということでもあるそうです。これも書くことで可視化され、原因を突き止められます

 それだけではなく、ネガティブなことを小さいノートに綴っていくと、これから起こりうるであろうピンチを予測し、立ち向かうこともできるのです

 大げさに人生論を語るつもりはありません。あくまで、日常の些細なことへの応用です。プライベートを疎かにしなければならないほど忙しい時期に、諸般の事情で無理して出席した飲み会が、非常に虚しい飲み会だったことがありました。けれども、私はがっくりしてそこで終わるのではなく、なぜ嫌だったのか、小さいノートに書き出してみたのです。やはり、原因というものがありました。目の前が霞むほどのタバコの煙、冷淡な店員さんの態度、悪口のオンパレード。そして特に美味しいものが大好きな私にとって悲しかったのが、ごはんが残念なほど美味しくなかったこと。

 こうして分析してみると、それなりにユニークな経験だったと面白おかしく振り返ることができます。そして飲みながら不平不満を吐露したいタイプの人には、食事は概して重要ではないという法則も発見しました。誘われた時にノートを見返して嫌なことがどれだけありそうか予測し、判断することができます。

 飲み会に限らず、嫌なことがあったら、小さいノートに受け止めてもらってください。負のモヤモヤが整理され、気持ちが切り替えられて前向きになれます。誰にも見せない自分だけのノートだからこそできることです。

<第7回に続く>