小さいノートは使い切らなくてもOK! 気楽なくらいがちょうどいい/『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術 』⑦

暮らし

公開日:2020/5/2

ウェブマガジン『毎日、文房具。』編集長・髙橋拓也がおすすめする世界で1番“気楽な”ノート術。スマホのように開く。そうすれば、煩雑な毎日が整理され、新たな可能性が見えてくる。小さいノートを味方につけて、“あなたの時間”を取り戻そう!

『時間をもっと大切にするための小さいノート活用術』(髙橋拓也/玄光社)

07 ノートを使いきることを目的にしない

 小さいノートは、プレッシャーやストレスとは無縁の存在であってほしいと思っています。私が小さいノートと付き合い始めたのは、2~3年ほど前のことでした。仕事上のタスクに加え、文房具や台湾などの好きなこと・やりたいこと、プライベート、ありとあらゆることがはちきれそうで、これはとてもじゃないが1冊の手帳で、自分を管理しきれない……と気がついたのがきっかけです。

 ただ、使い始めた時は小さいノートに、これほど大きなメリットがあるとは想像していませんでした。手帳にはスケジュールを管理する上で、長年にわたり磨き抜かれたフォーマットがあります。にもかかわらず、私がやりたいことはそこには収まりきりませんでした。それが1冊の変哲もない小さいノートを持ち歩き、仕事・趣味・プライベートすべてを一元化するようになったら、あちらこちらでバラバラに動いていた歯車が噛み合うかのごとく、さまざまなことがうまく回り出したのです

 物忘れが減ったり、やらなければならないことを忘れずにいられること、何かを忘れそうになる不安やモヤモヤの解消、タスクを効率的に片付けられること、そのおかげでゆとりが生まれること、アイデアの創出、思考の整理、考える力が身につくこと……。手帳になくて、小さいノートにあるものは何か。それは、小さいノートにはカレンダーや住所録などスケジュールを管理するためのフォーマットが「何もない」ということではないでしょうか。要は、気楽に構えることができるんです。

 小さいノートは、そんな「気楽さ」そのものだと思います。思いついたことや、忘れたくないことが頭に浮かんだら、その場で気楽に取り出し、メモをする。飽きたり使い勝手がよくないと感じたら、割りきってリセットして新しいノートに乗り換えることができる。そもそもきっちり最後まで埋めなくても罪悪感を催さなくてすむのが、小さいノートのいいところなのですから。

 ですので、たとえ小さいノートを使いきれなくても、自分には向いていないと諦めてしまったり、根気がないと自分を責めたり、ノートと付き合うこと自体を止めないでください。まずは1冊使ってみよう……などと、目標など定めず、ちょっと試してみようかな、くらいの気安さがある方が、案外ノートをうまく使いこなせるものなのです。

<第8回に続く>