運動神経という神経は存在しない! 運動が得意な人と苦手な人は何が違う?/『もっと!! ざんねん? はんぱない! からだのなかのびっくり事典』③

暮らし

公開日:2020/5/14

『ざんねん? はんぱない! からだのなかのびっくり事典』に待望の続編が登場! 「早起きは体にも心にも悪い」「スナック菓子を食べすぎると骨が弱くなる」「爪を見れば健康がわかる」など、驚きの雑学を厳選してご紹介します。

『もっと!! ざんねん? はんぱない! からだのなかのびっくり事典』(奈良信雄:監修、加納徳博:絵、こざきゆう:文/ポプラ社)

運動神経という名の神経はない

ざんねん度 ★★★★★


 運動ができる人のことを、「運動神経がいい」というよね。たしかに脳からの命令を伝え、体を動かすために神経はある。でも、運動をするためだけに使われる、運動神経という名の神経はないんだ。

「ちょっと待って、それなら運動が得意な人と苦手な人は、何がちがうの?」

 そんな疑問がわくよね。体を動かす神経の数が多いとか太いとか、そんな差があるように思えるかな?じつはだれでも、神経の本数も太さも同じだ。では、運動が得意な人と苦手な人のちがいはどこにあるのか?それは、神経じたいの差ではなく、体の筋肉をどう動かせばいいのか、脳が覚えているかいないかの差なんだ。

 たとえば、ボールをバットで打つとき。脳からの命令で、筋肉をどう動かしたら、ボールをバットに当てられるのか、何度も練習をしてくり返すことで、パターンができる。このパターンを、練習によって確実に、そして数多く身につけていれば、ボールをうまくバットに当てられるようになるのだ。

 つまり、これが「運動神経のいい人」というわけだ。脳が運動のコツをつかんでいる人、といいかえてもいいかもしれないね。

反射神経という神経もない

反射神経という言葉があるけど、そういう名前の神経があるわけじゃないんだ。熱いものにさわったとき、瞬時に手を引っこめることを反射というけど、これは中枢神経や自律神経などを通して起こる反応なんだ。

<第4回に続く>