“1分あれば”自分を変えられる! モヤモヤを打開するカギとは?/1分自己肯定感①

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公開日:2020/6/30

成功者は日々、自己肯定感のメンテナンスを行い、試行錯誤しながら失敗を成功につなげるサイクルをつくっているもの。毎日1分、自己肯定感を高めるメソッドを実践すれば、あなたもきっと「なりたい自分」に近づけます!

『1分自己肯定感 一瞬でメンタルが強くなる33のメソッド』(中島輝/マガジンハウス)

いつのまにか差がついてしまう理由

 私は35歳のときまで、さまざまなメンタルの不調に悩まされてきました。このときの経験は過去の著作に詳しいので、ここでは省きますが、そのときの私が頭のなかでグルグル考えていたことはこういうことでした。

「がんばっているのに、理想の結果につながらない」
「夢を持てと言われるけれど、自分のやりたいことがコロコロ変わる」
「ポジティブに考えようとは思うけれど、3日坊主で続かない」

 こういったモヤモヤにさいなまれ、打開策を探しつづけていたのです。

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 悩み抜いた私はその後、心理学や脳科学、認知科学、心理療法の独学を続け、みずからの回復に活かしていくという〝人体実験〟をくり返しながら、メンタルコーチングのメソッドを開発、実践してきました。

 現在まで、1万5000名を超えるクライアントの方々に、コーチング/カウンセリングを行うまでになり、うれしいことに95%の方々が成長や自己実現を実感されています。

 その過程ではっきりと見えてきたことがあります。

 それは仕事、人間関係、お金、健康、恋愛・結婚、子育て、目標達成、願望実現する上で……私たちの人生を左右するしくみです。

 じつは、一度このしくみがわかってしまうと、今まで何年悩みを抱えていようと、しつこく自分の肩にのしかかっていたプレッシャーから一瞬でスーッと解放され、「あっ、そういうことだったのか!」と、たちまち人生の視界がひらけてきます。

 いったい自分が何年も、引きずっていたことはなんだったのか……。

 本当は一瞬で、たった〝1分あれば〟自分を変えることは可能なのに―。

 カギをにぎっているのは、本書であつかっていく「自己肯定感」(パート2でくわしく解説します)と「感情、物事のとらえ方、行動のトライアングル」です。

 人間は、生きているかぎりどの瞬間にも、次の「トライアングル」を回すことで、自分の人生を前進させているのです。この3つの要素のうち、どれが欠けても人生は成り立ちませんし、さらにどれもが相互に強く影響し合っています。

 1  感情  あなたの「気持ち」の部分です。

 たとえば、成功者たちはポジティブな感情を使って→プラスに物事をとらえ→「行動のアクセル」を踏んでいます。

 逆に、ネガティブな感情を抱くと→マイナスに物事をとらえ→「行動にブレーキ」がかかってしまいます。

 2  物事のとらえ方  目の前の出来事に、どのような「意味づけ」をするかです。

 たとえば、プラスに物事をとらえるから→ポジティブな感情が生まれ→「行動のアクセル」を踏む気になれます。

 一方で、マイナスに物事をとらえるから→ネガティブな感情が生まれ→「行動にブレーキ」をかけることになります。

 3  行動  今、どんな「アクション」を取るかで、未来の可能性は変わります。

「行動のアクセル」を踏むから→ポジティブな感情が生まれ→プラスに物事をとらえられます。

 または、「行動のブレーキ」を踏むから→ネガティブな感情が生まれ→マイナスに物事をとらえてしまう……。

 あなたのまわりにいる成功者たちは、必ずこの「トライアングル」をバランスよく働かせているはずです。

 逆に、がんばっているのに、なぜかうまくいかないときは、このトライアングルがギクシャクしていると考えていいでしょう。

 自分自身に迷いを抱えているときほど、うまくいっている友人、若くして成功した知人などを見ていると、こんな疑問が浮かびます。

「なぜ、この人はいつも楽しそうで、忙しいときも楽観的で、やろうと思ったらすぐに行動に移すことができるのだろう?」と。

 そう、そのカギこそが、前述した「自己肯定感」にあります。自己肯定感は「トライアングル」と連動する「成功へのハシゴ」ともいうべき、心のしくみ。

 自分が自分のままであることに満足し、生きるエネルギーを与えてくる源泉です。

 そして、感情を「ポジティブ」に持っていき、物事を「プラス」にとらえさせ、「行動」に「アクセルをかける」役目を担っています。

 この自己肯定感が高い状態にあればあるほど、「感情、物事のとらえ方、行動のトライアングル」はスムーズに働き、仮にうまくいかないことがあってもすぐに立ち直ることができます。その役割については、パート2でくわしく見ていくこととしましょう。

 このパート1では「自己肯定感」と、「感情、物事のとらえ方、行動のトライアングル」の働きを大まかに解説していきます。

 ここで重要なポイントは、「感情」からも、「物事のとらえ方」からも、「行動」からも、いずれかを変えていくアプローチを取ることで、自己肯定感を高めていくことができるという点です。

 次のパート2では、いよいよ自己実現へのハシゴとなる自己肯定感について、くわしく見ていきましょう。

 自己肯定感を上げる感覚を味わってもらうため、簡単な手法をいくつか紹介します。パート1でも解説しますが、「感情、物事のとらえ方、行動のトライアングル」をうまく回してハシゴをしっかり安定させておくことが目標です。

 パート3、4、5は実践編です。われわれの人生のトライアングルを構成している「感情」「物事のとらえ方」「行動」を解説し、自己肯定感を上げるために実生活においてすぐに実行できる33のテクニックを見ていきましょう。

 そのためにまずは、みなさんに知っておいていただきたい、3つの「鋼のマインドセット」があります。

 これは、あなたの心をガッチリと守り、そして一生の武器になる考え方です。この3つのマインドセット(思考回路)を意識しておくと、人生になにが起きようと、ずっと楽に生きられるようになります。

 若いころ、不安を抱えて立ち止まっていた私は、世の中の成功している人たちというのは「自分には真似ができない特別な存在」だと思っていました。そういう人たちは自分とは違って、なにか生まれもっての不思議な力が備わっているのだと。

 しかし、あとからわかったことですが、それは大きな誤解だったのです。

<第2回に続く>