「私…社会からとりのこされてる?」引け目を感じる必要はありません!/育児書が教えてくれない 育児のホント⑥

マンガ

公開日:2020/7/23

月間最高190万PVを記録し、ブログサイトの新人賞も受賞した育児絵日記「だいごろうの1日」を執筆する人気ブロガーあざみさんによる子育て本です。すべて描き下ろしの4コママンガ&イラストで、笑いあり、たまに涙ありの完全ノンフィクション。育児書通りにいかない「子育てのリアル」をお伝えします!


 一日中家で赤ちゃんと私の二人きり。毎日、同じ育児と家事の繰り返しに、こんな不安におそわれるときがある。

「私……社会からとりのこされてる?」

 妊娠を機に仕事をやめて外の社会にふれる機会は激減。引きこもりがちで一日中誰とも話さず、自分だけ社会からとりのこされている錯覚におちいるのは無理もない。ときには、収入がなく何の生産性もない自分に、漠然とした不安を感じることもあった。

 もし同じようにそんな不安にかられている人がいたら安心してほしい。

「次の世代をになう子どもたちを育てているだけで、あなたは立派!」

 ちょっと目を離すだけで危うい行動をする赤子の命を守っている。それだけで立派だし、社会に貢献している。当時不安で一杯だった自分に会えるなら、そう言ってあげたい。

命を守ってるだけで立派!



 長男を出産したのは私が24歳のとき。まわりの友人よりも一足早くお母さんになった。出産後も仲のいい友だちと会う機会はあったのだが、私だけ幼い子どもを連れての参加。すると、話している途中で子どもがぐずったら、オムツを替えたり、授乳をしに席を立ったりと、会話のテンポにズレが生じるようになった。遅れて会話に戻れば、バリバリ仕事をしている友人と自分を比べてしまい、なんとなく引け目を感じることもあった。

 友人は何も悪くないし、昔と同じように接してくれている。それなのに、なぜだか自分だけ置いてけぼりになっている気がして寂しかった。

 妊娠・出産を経て身の回りの環境が変わり、最初はその急激な変化に自分の気持ちがついていけてなかっただけ。今はもう、引け目を感じることもない。それは、頑張っている場所が変わっただけだと気づいたからだった。

 今でも、その友人とは定期的に会っているし、昔と変わらず相談に乗ってくれたり支えたりしてくれる。そんな友人はかけがえのない一生の宝だ。

頑張っている場所が変わっただけで中身は変わらない


 普段仕事で忙しい夫が、慣れない手つきでオムツを替える。オムツが反対になったり、扱いが少々荒っぽくて見ていてハラハラ……。「違う、そうじゃない!」「もう全然ダメ!」と横からツッコミを入れたくなるけど、そこはグッとこらえてみる。

 思いだすと、私も最初は上手になんてできなかった。はじめてのオムツ替えは、前後も、拭きかたも、力加減もわからない。でも、回数をこなすうちに上達してきた。

 はじめての育児でどうしたらいいのかわからないのは夫も同じ。夫なりに試行錯誤している瞬間は、育児参加の大事な一歩。

 だから、夫が赤ちゃんのお世話をしようとしているときは「片目は閉じて遠目で見る」。

 最初はへたくそでも、だんだん上手になってくる。それに、夫って意外と繊細な生き物だから、自信をなくすと育児も参加しなくなってしまう(家事におきかえた場合も同じ。多少雑でも許してあげて)。

細かいことは指摘しない



 夫は仕事が忙しく、子どもと二人きりになる機会がなかなかない。それなら、休みの日に子どもを夫に完全に任せてみるのがオススメ。

 ちゃんと面倒を見られるのだろうか? はじめて夫に子どもを預けた日は心配だった。

 でも、夫は私が帰ってくるなり「全然余裕やったわ」と余計な一言を言い放った。家は散らかり放題だし、一日くらいで育児の大変さがわかるか!とイラっとした。

 だけど「余裕だったなんてすごいね~! じゃあ洗濯と洗い物もできるよね♪ 次もお願いね」と夫のデリカシーのなさを逆に利用して、育児と家事に巻き込むことに成功した。

 何はともあれ、今では3人の子どもの面倒も見られるようになったし、家事もこなすスーパーオトンへと成長。

 言うなれば夫は「育児の新入社員」。頼りないからと仕事を任せずにいると、自分の負担はいつまでも減らない。

任せることで夫も成長する


続きは本書でお楽しみください。