薄切り肉をおいしくゆでるために絶対やってはいけないことは?/ゆで卵の殻をツルッとむく方法②

暮らし

公開日:2020/8/25

思い通りの固さでゆで卵をつくる方法、パサパサにならない肉のゆで方…今さら人に聞きづらい「料理のマル秘常識」が大集合。
知ると今日からすぐ料理の出来栄えがぐっと良くなるような豆知識を紹介。『ゆで卵の殻をツルッとむく方法』(ホームライフ取材班/青春出版社)からの試し読みです。

薄切り肉は熱湯ではゆでない

●熱湯でゆでると、肉汁が流れ出てしまう

 薄切り肉をゆでる料理で、味の決め手となるのはゆで加減。のんびりゆでていると、うま味がどんどん抜けていくと考え、グラグラ沸いた熱湯で手早くゆでる人も多そうだ。だが、その調理法では、パサパサの味気ない仕上がりになるに違いない。

 肉を熱湯でゆでると、筋繊維があっという間に硬く締まる。この作用によって、肉汁が細胞から一気に流れ出てしまうのだ。じつは、肉が固まる温度は意外に低く、65℃でもう凝固をはじめる。とはいえ、これは調理するうえでギリギリの温度なので、もう少し高い70℃程度でゆでるのがおすすめだ。こうした低めの温度の湯で肉を熱すると、筋繊維が締まり過ぎず、肉汁を閉じ込めたまま火を通すことができる。

 ただし、野菜はこの程度の温度では煮えないので要注意。肉をゆでてから火を強め、湯の温度を上げてゆでるようにしよう。

ムニエルをバターで焼くのは間違い

●サラダ油と併用しないと焦げてしまう!

 サケやタラなどの白身魚に小麦粉をまぶし、バターを熱して焼き上げるムニエル。上手に作れば、表面がキツネ色になって香ばしく仕上がる。しかし、なかなかそうはいかず、何回作っても表面を焦がしてしまう人がいるようだ。こうした場合、「ムニエルはバターで焼くもの」という思い込みが強いのではないか。

 じつは、バターだけでムニエルを焼くのは大間違い。バターには糖分や塩分、たんぱく質などが多く含まれていることから、単体では非常に焦げやすいのだ。ムニエルを作る場合は、まずフライパンにサラダ油を入れて熱することからはじめよう。次いでバターを同量程度加えてから魚を焼くと、焦げつかせずに仕上げることができる。

 バターはあくまでも、食欲がそそられるような焼き色と風味をつけるためのもの。サラダ油との併用を忘れてはいけない。

【次回に続く】