キャバ嬢に金をせびりパチンコを打ちに出かける猫! ニャンとも可愛いヒモ猫の日常コメディ

マンガ

公開日:2020/8/28

キャバ嬢とヒモ猫
『キャバ嬢とヒモ猫』(一式アキラ/芳文社)

 飼い主女性の財布のヒモをゆるませるカレの、憎めなくてむしろカワイイ“にくキュート”っぷりに、私の心のヒモは終始ゆるみっぱなしになった…。

 諸説あるが、海女さんの腰につけているものが語源とも言われる、自ら働かずに惹きつけた女性から経済的に貢がせる男性のことを意味する“ヒモ”。一般的には人間界でしか成立しない関係であるハズだが、なんと、人間女子に貢がせるヒモが、まさかの“オス猫”という、ちょっと変わったヒモ関係の日常を描いた物語が誕生した。世のヒモニスト(?)はモチロン、そういった生活に憧れる方、そしてペットを愛する方々もきっと共感して楽しめる、一式アキラ先生の『キャバ嬢とヒモ猫』(芳文社)をご紹介!

可愛いヒモ猫が財布と心のヒモをゆるませる…!

 キャバクラに勤める人気No.1キャバ嬢の詩織には、仕事で忙しく接客した疲れを癒してくれる愛おしい“カレ”がいた。カレの名前はボン助。詩織からは“ボンちゃん”と呼ばれ、いつも首にガマグチの財布をぶら下げた、まんまるフォルムが特徴のオス猫だ。そんなボンちゃんは、他の猫にはない生態を持っている。それは…人間の言葉がわかること! 詩織の金をせびる、そしてパチンコを打つ。そう、詩織がキャバクラで稼いだお金でパチンコを打ちに行く…まさに“ヒモの猫”なのだ。お昼はそうやって常連客とジャンバリタイム、夜は詩織とのモフモフタイムという生活サイクルで過ごす、お金が大好きな猫を中心に描く、ほのぼのヒモライフコメディだ。

 とにかくボン助(※以下、作品内と同じく「ボンちゃん」で統一)はとても賢い子だ。なんと、接客から帰宅した詩織にパックを渡したり、ボンちゃんの持つわがままムチムチボディーのおなかを提供したりと、やたらケアをしてくれるのだ。さらに、補充が切れてしまったトイレットペーパーを自ら家まで運んできてくれたり、栄養ドリンク剤を渡すために詩織の仕事場であるキャバクラまで届けてくれたり…とフォローは完璧!

 しかしそれは全て、詩織からのパチンコ資金の補充のためだ。そのための努力は欠かさない。ちなみに、ペーパーやドリンク剤はどこから? という疑問が生まれたと思う。これらは、パチンコで手にした出玉で交換した景品だ。ボンちゃんなりの詩織へのやさしさだ。

 こんなこともあり、詩織のボンちゃんへの愛は非常に強い。ボンちゃんはパチンコの軍資金がなくなるとすぐ詩織に要求するわけだが、ボンちゃんのためなら金額はまったくもって惜しまない! 実際にいくらなのか明らかにはされていないが、ガマグチがパンパンになるほどお札が入っている描写があるので、その“愛情”はかなりたっぷりのようだ。こうやって、ボンちゃんはヒモではあるが、詩織とのwin-winの関係で生活しているのである。これは、お金の使い方が違うだけで、ペットを愛して止まない飼い主たちが、愛犬や愛猫などに専用のおもちゃを買い与えたり、服を買って着せたりするのと同じだろう。なので、この作品はそういった動物を愛する方たちにも楽しめると私は確信し、冒頭でオススメしたい枠のひとつとして挙げてみた。

 さて、ボンちゃんの生活についていろいろと紹介してきたが、なによりも、ボンちゃんの存在そのものがベリーキュート! それに尽きる。フォルムがズルいくらい愛おしい。そして、ボンちゃんのコミュニケーション能力の高さ! ボンちゃんにはセリフの吹き出しこそないが、ボンちゃん目線で描かれるこの作品では、終始しゃべり、時にはハッキリとツッコむ。そのボンちゃんの声は、はりまには中田譲治さんの声で再生された。非常にピッタリだと思う(ドラマCD化などの際はぜひご検討を…)。

キャバ嬢とヒモ猫

 パチンコひと筋のボンちゃんの日常は、お金だけではなく、プライスレスな愛情や友情にも満ちている。作品内では、パチンコが好き過ぎて起こる休店日のある1日や、キャバクラで起きる事件にボンちゃんが介入するエピソードなど、楽しくて可愛い展開が盛りだくさん! 価値のある「猫に小判(お金)」の物語に、心のヒモがゆるみ、愛おしさでいっぱいになることを保証します。

文・手書きPOP=はりまりょう

この記事で紹介した書籍ほか

キャバ嬢とヒモ猫 (1) (まんがタイムコミックス)

著:
出版社:
芳文社
発売日:
ISBN:
9784832258006