投資信託って何? わかりやすく3つのメリットを解説!/お金は寝かせて増やしなさい③

ビジネス

公開日:2020/9/9

投資のプロではないフツーのサラリーマンが15年実践してきた、個人投資家目線の「お金の増やし方」を指南。
インデックス投資って何? 投資信託のメリット・デメリット、運用は何をすればいい? …これから始める人にもわかりやすく投資術と心構えを紹介します。『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)からの試し読み連載です。

『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ/フォレスト出版)

インデックスファンドは「投資信託」の一種

 プロローグで、インデックス投資とは「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有すること」と書きました。本当にこれだけなのですが、それにしたってはじめはなんのことだかわからないと思います。

 インデックスファンドは、「投資信託(とうししんたく)」という金融商品の一種なのですが、そもそもその投資信託とはなにか。

 投資信託とは、私たち投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。

 投資信託はその運用先が株式や債券であり、株式や債券の価格変動によって、投資信託の値段(「基準価額(きじゅんかがく)」といいます)は変動します。

 預貯金は少なくとも名目上は減ることはありませんが、投資信託は運用がうまくいけば値上がりして利益を得られる一方、運用がうまくいかなかった場合は、値下がりして損をすることもあります。投資信託は元本が保証されている金融商品ではありません。

 投資信託の基準価額が値下がりして損をするのは投資家だけで、運用会社は損をしません(ここは重要なポイントですよ!)。価格変動のリスクは投資家がすべて負います。

 そのかわり、基準価額が値上がりした場合は、利益はほぼすべて投資家のものになります。

 それでは、投資信託のメリットはなんでしょうか。次の3点です。

①少額から購入できること
②たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できること
③運用に携わる金融機関が破たんしても資金が守られていること

投資信託のメリット① 少額から購入できる

「投資なんてお金持ちがするもので、自分には関係のない話」だと思っている方々がいらっしゃるかもしれません。しかし、それはもう時代遅れのイメージに過ぎません。

 投資信託は1万円から始めることができます。証券会社によっては、5000円や1000円、すごいところだと、100円から購入できるところもあります。

 大事なことなのでもう一度言います。
 投資信託はたった100円で始められるのです。もうこれは「投資なんてお金持ちがするもの」などという言い訳はできません。金額的には、大人であれば誰だって始めることができるはずです。

 この投資信託の最低購入金額のハードルの低さは、世界的にも日本が進んでいる部分だと思います。世界中を見回しても、100円から投資信託を購入できる国はそうそうないでしょう。私たち日本の投資家は、海外の投資家よりも投資のハードルが低く、恵まれた環境にあると言えます。

 にもかかわらず、日本の個人は投資信託をほとんど活用していません。米国の個人の投資信託保有比率が43%であるのに対して、2015年時点で日本の個人はわずか8・7%しかありません(公益財団法人日本証券経済研究所レポートより)。

 そこには、「投資はお金持ちがするもの」という誤ったイメージが悪さをしている面が大きいと私は見ています。これでは、海外の投資家に「MOTTAINAI(モッタイナイ)」と言われてしまいます。