自分の好みと関心事だけを話していた結果…。心の距離の縮め方を知ろう!/なぜか好かれる人がやっている100の習慣⑤

ビジネス

公開日:2020/11/3

家族、恋人、友人、同僚、上司…人間関係に悩んでいませんか? 好かれる人とそうでない人の違いは“ちょっとした振る舞いや仕草”です。心理術とキャリアコンサルタントの経験から、人間関係のコツやコミュニケーションを良好に行う方法を厳選してお伝えします!

なぜか好かれる人がやっている100の習慣
『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(藤本梨恵子/明日香出版社)

自分の好みと関心事だけを話さない

 好かれる人、モテる人は会話や行動から相手の好みを読み取っています。嫌われる人はそれができません。

 同じマクロビオティックの料理教室に通うAさんとBさん。Aさんは友達が少なく、一方のBさんは明るくて親切で参加者からも人気があります。

 AさんはBさんと友達になりたいのですがうまくいきません。もともと文句が多いAさんは「玄米はまずい、家族が食べない」「煮物でもなんでも、白砂糖が入ってないと美味しくない」と言っています。マクロビオティックは玄米菜食が主流の料理で白砂糖は使いません。相手はその料理が好きで習いに来ているのに、その料理を否定するような発言が続くと、自分が否定されているように感じてしまいます。

 Aさんは自分が体調を崩したのをきっかけに、いやいや健康的な料理を習いに来ていました。つまり悪気はないのです。

 AさんはBさんをお茶に誘うのですが、当然ながらなんだかんだと理由をつけて断られてしまいます。

 相手が好きなら、相手の趣味や興味に関心を示していくことが大切です。自分の興味関心は横に置いておくことができないと嫌われます。

 私が講師として同席して婚活イベントでリンゴ狩りに行ったときのことです。いつも男性から嫌われるCさんは「私はリンゴ嫌い。何が美味しいのかわからない」と話すのです。リンゴ狩りに参加している人は、少なからずリンゴ好き+ 婚活中の人です。こんなことを言われたら参加者のテンションが下がってしまいます。当然、Cさんがそのイベントでカップルになることはありません。

 2人に共通するのは、相手の好みや関心に関係なく、自分の好みや関心を話すということです。いつも心の矢印が自分に向かっているのです。心の矢印は相手に向かっていなければ、相手に影響を与えることはできません。相手の興味関心を否定することは、相手の価値観を否定することです。

 相手の関心事や価値観を尊重する人が好かれるのです。

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

自分の考えと相手の考えは違う!

机の上でも心の距離を縮める

 心理学では外側のものは内側に影響し、内側のものは外側に現れると言います。

 例えば、蛍光灯が切れかけて、チカチカしていると、なんだか嫌な気分になります。これは外側のものが内側に影響しているのです。ストレスがたまって、胃が荒れると肌にブツブツと吹き出物ができます。これは内側のものが外側に現れた状態です。

 テーブル越しに向かい合った2人がいて、フォークセットが入った容器が横たわっているとします。実はこんなことでも、小さな障害物として物理的に2人を分断しています。外側に障害物があって分断されると、心理的にも2人の間に距離が生まれます。いつも、外側と内側はつながっているのです。

 心理系のセミナーでは、机がなく、講師も受講生も椅子だけの状態で円になって座ることがあります。机を撤去することで、講師と受講生の間に障害物をなくし、心理的な距離を近づけるためです。円になって座るのは、隔たりなく、みんなで仲良くしてもらうためです。

 会社でデスクの右隣が気が合わない人だった場合、デスクの右側に書類を高く積み上げて、無意識に距離を取る人もいます。相手を物理的にも心理的にもブロックしたいのです。「内側=心で思ったこと」は、必ず外側に現れます。

 メンタリストのDaiGoさんが嘘を見抜けるのは、相手の内側の動揺をほんの少しの仕草や表情から読み取るからです。人は言葉で嘘がつけても、無意識の行動は嘘をつけないのです。相手と心理的な距離を近づけたければ、机の上の障害物を取り除くことからはじめなければいけません。うるさすぎて、相手の声が聞こえないような音や、不快な臭いも障害物です。

 好かれる人は、こうした相手と自分の間にある障害物を敏感に察知し、取り除いてから会話をはじめます。しかも、相手に悟られないように自然に行うことで、相手の無意識により深い安心感を与えます。

 反対に嫌われる人は、自分が話したいことにとらわれて、外側の障害物に鈍感です。親しくなれるかどうか、信頼されるかどうかは実は話しだす前から決まっているのです。

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

話しだす前に、2人の間に障害物がないかチェックする!

<第6回に続く>