SNSを埋め尽くす見栄えのいい「モノ」や「コト」。どこまでが本物?「幸せも証明できますか?」/頑張りすぎずに、気楽に①

暮らし

公開日:2021/2/10

日韓累計145万部のベストセラー『私は私のままで生きることにした』の著者最新刊、待望の日本語版! 人間関係に悩みのない人なんて、いない。しかし、誰しも、一人じゃ生きられない。だから、自分が心地よいと思える他者とのバランスを見つけよう。自分らしく、幸せに生きるためのヒントをお届けします。

頑張りすぎずに、気楽に
『頑張りすぎずに、気楽に – お互いが幸せに生きるためのバランスを探して -』(キム・スヒョン:著、岡崎暢子:訳/ワニブックス)

幸せも証明できますか?

最近、流行りだというレストランに行ってきた。

ナイフを入れると半熟卵がとろりとあふれ出すオムレツが名物で
店員さんが動画を撮るタイミングまで親切に教えてくれた。

楽しかった反面、今どきの料理は
ただ食べるためだけではダメなんだなとも思った。

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考えてみれば、流行りのものはすべて
フォトジェニックであるという共通点があった。

シェアされて認めてもらうための、
見栄えのいい料理、見栄えのいい人脈、見栄えのいいスタイル。

本当に素敵なことよりも、「見栄えがいいこと」の方が大事みたい。

そんな見栄えのいい「モノ」や「コト」が、
まるで幸せの証明であるかのごとくSNSを埋め尽くす。

自分と見比べて物悲しい気持ちになってもなお、
素敵に見られようと躍起になる自分がいる。

 

だけど、どうだろう。

見栄えはよかったのに、味はいまいちのレストラン。

見栄えはよかったのに、心はバラバラの関係。

見栄えはよかったのに、今にも泣きたい気分の誰かさん。

よく見せることは簡単だけど、本当によいかどうかはまた別の問題。

素敵に見える写真の中の姿が、
本当に幸せかどうかを証明することはできない。

 

もちろん、人生の瞬間を
共有したり、記録したくなる気持ちには何の問題もない。

だけど、いくら写真をたくさん撮っても
レンズの向こう側にある人生を直視できず、
きれいなフィルターのないリアルな人生をみじめに感じるのなら、
それってなんだかやるせない。

これまで私たちは、誰かに幸せだと認めてほしいあまりに、
多くの心と時間を無駄にしてきたのかもしれない。

他人によく見られようとすることよりも大事なことは、
自分のためになり、心にもよいことのはずだから。

 

私たちが本当に出会うべきなのは、演出された幸せではなく、
素朴でも心からおいしいと思える料理や
地味でもリラックスできる空間、
ささやかでもまごころを分かち合える関係、
平凡でも本物の幸せな瞬間だ。

 

素敵に見られなくても大丈夫。

観覧客(ギャラリー)よりも
あなたがいちばん大事なのだから。

 


人間の価値とは
その人が重要だと思うものが
何であるかによって決まる。

頑張りすぎずに、気楽に - お互いが幸せに生きるためのバランスを探して -

人の心は
それほど簡単に目に見えませんよ

<第2回に続く>

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