「誰のおかげで生活できると思ってる!」そんなモラハラ夫が一番恐れているもの/ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください!②

暮らし

公開日:2021/3/17

モラハラ+マザコン夫に虐げられ、嫁を人とも思わぬ義母にいびられる地獄の同居生活。子どもの幸せを守るために自立への道を歩み始めた嫁maronの闘いが始まった! ハードすぎる日常を軽妙な文章とちょっぴりスカっとする4コマで綴るエッセイ。

ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術
『ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術』(maron:著、高田真弓:イラスト/KADOKAWA)

モラハラ旦那編

毎日せっせとパソコン仕事に励んでいるせいか、近いうちに経済的に自立できるかな?なんてワクワクしつつ、そんな私の変化も知らず「出ていけ!」とモラハラする旦那に「……お願い……1年待って」と真剣な顔で言ったら、あからさまにオロオロしだして義母の部屋へ消えた。いやぁ悪いことしちゃったなぁ~!

ウチのモラハラ旦那&義母、どーにかしてください! 闘う嫁のサバイバル術

モラハラ夫が最も恐れるもの――それは、妻の自立

 私は二人目出産を機に会社を退職して専業主婦になりました。それまで生活費を折半していたので、旦那から毎月生活費をもらうという儀式は未体験。稼ぎのあるほうが家事・育児を担う側に現金を渡す――こんな当たり前の行為に、当時の私は違和感を覚えました。

 働いていないのにお金をもらうなんて悪いな……。

 今思えば微妙に揺れ動いた心を、旦那は見逃さなかったのでしょう。

 はじめはきちんと渡されていた生活費が、月を追うごとに遅れがちになりました。足りない分は私の貯金で補填しますが、限界があります。

 何度話し合ってもらちが明かず、「使っちゃったから残りでいい?」「会社の飲み会が続いちゃってさ〜」など、思わず“埋めるぞ”レベルの迷言が次々に飛び出します。

 切羽詰まった私はパソコンで在宅の仕事を始めました。はじめは稼げませんでしたが、続けるうちに収入が増えていきました。1年、2年と私の経験値と比例するようにパート代くらいのお給料がもらえるようになったのです。

 がんばれば以前のように、旦那の扶養を抜けて、自立できるかもしれない。娘二人と一緒に、自由な生活を送れるかもしれない。けんかするたびに「誰のおかげで生活できてるんだ!」など、昭和のタイムトラベラーさながらのセリフを投げつけてくる旦那からも、ぶっ飛んだ義母からも逃げ出せるかもしれない。そんな希望を抱き始めていました。

 そんな中、雨上がりの玄関が濡れて汚い、というめちゃくちゃな理由で私に怒りをぶつける旦那。私がひそかに思い描く“バラ色の人生計画”を知るよしもない彼は、またしても「イヤなら出ていけば?」とモラハラを発動してきたのです。

「……お願い……あと1年だけ待って……」

 私は真顔で旦那に告げました。一瞬の沈黙の後、「脅しか!」と言われましたが、無視してやりました。すると、旦那は玄関をウロウロし始め、やがて同居する義母の元へと逃亡したのです。

 出た! マザコン‼ あきれながらも、私はモラハラワールド脱出のヒントを見つけた気がしました。旦那が最も恐れるのは支配する人間の自立なのでしょう。フッフッフ、1年後楽しみに待ってろよ……と、今日も旦那の背中に呪いをかけています。

本日のスカッとポイント!
「あのとき、出ていけって言われたので出ていきます」
この決めゼリフを旦那に言う日を心の支えにしています。

<第3回に続く>

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