この世界に住みたい!人間少女とナマケモノのほっこり日常ストーリー『黄昏星のスイとネリ』/マンガPOP横丁(52)

マンガ

公開日:2021/3/26

『黄昏星のスイとネリ』(Perico/KADOKAWA)
『昏星のスイとネリ』(徳永パン/KADOKAWA)

 この「マンガPOP横丁」で取り上げるマンガ作品で、はりま的に足りないと感じているジャンルがある。それは、“かわいい動物キャラ作品”だ。せっかくなのでここで宣言したい。私はりまは、この“かわいい動物キャラ系”の作品が大好きだ。今回は久しぶりにそんな作品を取り上げることになったので、原稿を打つ指がダンスをするように非常に軽快だ。

 さて勝手に心を強く持ったところで、かわいい動物キャラが登場する作品を楽しみにしている読者のみなさま、お待たせいたしました。衰退していく地球で暮らす少女と動物の日常と絆を描いた優しい物語、徳永パン先生の『黄昏星のスイとネリ』(KADOKAWA)を紹介!

 人類が現在進行形で他の星へ移住し、過疎と文化の衰退が進む未来の地球。その移住に使われる宇宙船の港がある、テツナギ島が物語の舞台だ。なんとこの島には人間の言葉を理解し話せる動物たちが住み、人間たちとコミュニケーションを取る動物たちの楽園になっている。

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 そんな島で“スイ”という自由気ままな元気少女と、“ネリ”というしっかり者のナマケモノが民宿を営みながら仲良く暮らしていた。経営状況は決して良くはなく、ネリが買ってきたラジオから流れる移住のニュースに、さらなる客の減少を心配していた。手持ちのお金はたったの300円。この状況を打破すべく、生活するための策として、翌日の朝市で売る魚を獲るため魚釣りへ出かけることに。しかし相変わらずのスイのマイペースな性格が原因で魚釣りは苦戦。とはいえ、あまりにも魚が釣れない状況に違和感を持ったネリのために、スイが水の中に入って原因を探る。その理由を突き止めた1人と1匹はお互い協力して解消へ努めるのだが、思わぬハプニングが待ち受けている――。

 多彩な動物や民宿を訪れる宇宙へ発つ予定の宿泊客……。果たしてスイとネリにこれからどんな出会いと出来事が待っているのか……?

 終末っぽい世界ではあるが、全くもって絶望感はなく、穏やかな日常がキャッキャと描かれている。もう、ずっっっっっっっっとかわいい! これに尽きる。特にスイとネリの仲の良さにニヤニヤしまくりだ。かわいいものが好きな方はもちろん、親子でも一緒に楽しめる。いっそ絵本化もアリでは?と勝手に提案してみる。あ、今話題のフェルトアニメも良いんじゃないですか?

 さてこの作品の世界では、人類が続々と宇宙へ移住してしまうわけだが、それに関してはりまはこう思うことしかできない。

「え! こんなすてきなメルヘンランドから離れちゃうの、もったいなくね!?」

 いまや人間より多い動物はみんな優しいし、何度も言うがその存在がかわいすぎる。ここに住みたい、一緒に遊びたい! この世界にダイブできたら、きっとその魅力から離れられないだろう。まさに島の動物たちとコミュニケーションするゲームのやーつの世界だ。穏やかな世界へみなさんも遊びに来て、スイとネリとその住民たちとの触れ合いをぜひ一緒に楽しんでほしい。ちなみにはりまの中で好きなキャラクターは、“おじさん”と“ヤギさん”。

 最後に。徳永先生、こんなかわいくてステキな作品を生み出していただき、ありがとうございます! 心が清らかになって、脳が幸せです。

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

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この記事で紹介した書籍ほか

黄昏星のスイとネリ (1) (MFC キューンシリーズ)

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
9784046801975