饅頭の「頭」にはどんないわれがある?/日本の食べものクイズ<雑学大王 日本史編>
公開日:2021/7/2
【答え】人の頭の代わりに作られたから
【解説】
饅頭は、日本では主に甘い和菓子のことだが、中国では小麦粉を丸くしてふかした蒸しパンのことを指す。『三国志』で有名な諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)が、雲南へ遠征したとき、濾水(ろすい)という急流に進軍を妨(さまた)げられた。孔明が「この川をわたる手段はないのか」と聞いたところ、ある者が「わたるには四十九人の兵士の頭と牛羊を供えなければならない」といった。他の武将なら、ためらわずに四十九人の兵士を生贄にしただろうが、孔明はそうしなかった。羊や豚の肉を小麦粉に練り込み、人の頭の大きさにつくったものを祭壇に供えたのである。すると、不思議なことに濾水の流れが穏やかになり、川をわたることに成功したという。これ以降、中国では小麦粉を練った食べ物のことを「蛮頭(マントウ)」と呼ぶようになった。ただ、蛮という字が食べ物にそぐわないので「饅頭」に変化した。ちなみに、日本に饅頭が伝来したのは南北朝時代の初期といわれている。京都・建仁寺の禅師が、元から帰国する際に唐人を連れ帰ったが、その唐人が奈良で饅頭屋を開いた。このときに日本人の好みに合わせ、小麦粉の中に飴を入れた饅頭がつくられたそうだ。
雑学総研