参加者が「場」を「自分ごと」にして、話し合いに参加することが大切!/グラフィックファシリテーションの教科書

ビジネス

公開日:2021/9/19

グラフィックファシリテーションの教科書

著:
出版社:
かんき出版
発売日:

 グラフィックファシリテーションとは、絵や色を使って話し合いの様子を「見える化」し、みんなで語り合い一緒に探究する楽しさなどを実感させてくれるもの。「話し合い」をより豊かで面白いものに変えてくれる「魔法のツール」です。

会議などで、参加者の意見が深まらず、みんなが他人任せになってしまったことはありませんか? そんなシーンには、言葉では伝えきれない思いや雰囲気を、絵や線を使って可視化し共有するグラフィックファシリテーションを活用しましょう!

NHK総合『週刊ニュース深読み』で、グラフィックファシリテーターとしてレギュラー出演していた著者が贈る、グラフィックファシリテーションを学ぶ決定版です!

※本作品は山田夏子著の『対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書』から一部抜粋・編集しました。

『対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書』を最初から読む


対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書
『対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書』(山田夏子/かんき出版)

「主体的」ってどういうこと?

▶▶▶周りから強制されるのではなく、自らの意思で目的を持ち、行動することです。

短い時間で早く決めたとしても、参加者が自ら動き出そうと「主体的」になっていなければ、話し合った意味はなくなってしまいます。

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

話し合いを「良く」するのは、参加者の「主体性」にかかっている!

たとえば職場で、こんなやりとりを耳にしたことはありませんか?
「先週の会議で決めたアレって、どうなりましたっけ?」
  …しーん…
「えーと、たしか、◯ ◯さんがやってたかな? いや、□□さんだったっけ?」
  …しーん…
「もしかしたら誰もやらずに、そのままになってしまっているかもしれないですね…」

せっかく話し合ったのに、決めたことが実行されていない。話し合いや会議の参加者が、誰も「自分がやることだ」「自分がやろう! やりたい!」と思っておらず、何も進んでいない。

たとえ短い時間で効率的に決めたとしても、これでは、話し合いや会議をした意味がないと言わざるを得ません。「場」の参加者が「客体」になっている状態、つまり「参加者が主体的になっていない」から、起きてしまう現象です。

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

参加者が「場」を「自分ごと」としてとらえることが大事!

「良い」話し合いや会議は、参加者一人ひとりが「これは、自分の話したいテーマだ」「私が参加したいことだ」「自分のやりたい仕事だ」と、自分に関係がある「場」だと思って参加しています。

だから、本音で話し、率直に言い合うことができるのです。遠慮や忖度、義務感の気持ちから参加していては、本質的な話し合いをすることは、なかなか難しいでしょう。
参加者みんなが本音で意見を言い合い、お互いの背景に耳を傾け合い、理解し合うからこそ、最終的にみんなで納得して決めることができます(合意を形成できます) 。これを「主体的な合意形成」と呼んでいます。理想的な合意形成と言えるでしょう。

心から納得して決めることができると、人は、自ら働きかける「作用する側」として、意志と意欲を持って、主体的に動き出すことができます。

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

グラフィックファシリテーションは、主体的な合意形成を後押しする

グラフィックファシリテーションは、話し合いや会議に参加している人が、話し合われているテーマや内容を「自分ごと」としてとらえ、自らの意思で「話したい」と思う「場づくり」をしています。

参加者が話したくて話した結果、さらに「こうしたい!」「こうしよう!」と、自らの意欲や意思、やる気を出して決めるまでのプロセスに伴走するのが、グラフィックファシリテーションです。

「場」を見える化することで立ち止まり、一緒にその意味を考えることで「自分ごと化」につなげていきます。

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

「主体性」が失われる理由は、たくさんある

話し合いや会議の参加者も、好きで「主体性」をなくしているわけではありません。
一つひとつは些細な出来事ですが、自分の意欲をそがれるような経験が積み重なり、だんだんと主体性を失ってしまうのです。

主体性を取り戻すには、参加者自身が、改めて自分の胸の内や頭の中に意識を向け、本人が自分の本当の気持ちや感覚を思い出す必要があります。

ファシリテーターは、話し合いや会議に参加している人の発言だけではなく、様子や雰囲気をも描き表すことで、本人に本当の気持ちや感覚を気づかせます。

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

たとえば職場だったら、上の絵のような経験が積み重なって、働く一人ひとりの主体性が失われる要因になっているかもしれません。遠慮や忖度が働いたり、真面目がゆえに自分の気持ちは脇におき、役割を果たそうとする文化や風土が影響することもあるでしょう。

主体性を失っていることで起きてしまう…!
職場での会議や話し合いの「こんな状況」

職場での会議や話し合いは、遠慮や忖度、真面目さなどで主体性を失いやすくなります。

職場での会議や話し合いでよく見る状況を3つ、例として挙げてみましょう。

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

対話とアイデアを生む グラフィックファシリテーションの教科書

<第5回に続く>

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