悲しくないのに涙がでる。ストレスをためずに本音を外に出す方法とは?/自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40②

暮らし

公開日:2021/10/3

ココロジー・酒井和夫著の書籍『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』から厳選して全10回連載でお届けします。今回は第2回です。TwitterやInstagramで話題のメンタルケアメディア・ココロジーの知識が一冊の本になりました。「自分いじめの呪い」とは、嫌なことや悩みに直面したとき、つい自分で自分を苦しめてしまう思考や感情のこと。そんな「自分いじめの呪い」を解く方法を、心理学の知識をもとに2ステップでわかりやすく解説します。これを読めば、自分で自分を苦しめる思考や感情から抜け出すヒントがきっと見つかるはずです。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40
『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』(ココロジー:著、酒井和夫:監修/KADOKAWA)

自分いじめの呪い 本音を言うと涙が出てくるとき

悲しいわけじゃないのに、なんで泣いちゃうんだろう…

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

 職場や家庭で、自分の本音を言おうとすると涙があふれて、白い目で見られたり怒られたりしてつらい…。そんな経験がある人もいると思う。しかも「そんな自分が情けない」「恥ずかしい」「心が弱いんじゃないか」って思うと、よけいに涙が止まらなくなるんだよね。

 でも、大丈夫。あなたは心が弱いわけでも恥ずかしいことをしているわけでもないよ。ひとつ言えるのは、あなたは今まで、自分の気持ちを無視するくらい周りのために頑張ってきたということ。自分の気持ちに寄り添うのがちょっぴり苦手なだけなんだね。

 じゃあ、なんで本音を言おうとすると悲しくないのに涙が出るんだろう?

STEP1 原因を知る
悲しくないのに涙が出る理由

 人間は感情が高まると、ストレスを感じる生き物。でもこのストレスは悲しいときや悔しいときにだけ感じるわけじゃない。スポーツ選手が試合に勝ったときや、映画やドラマを観て感動したときなど、実は「喜び」や「感動」も一種のストレス反応なんだ。

 このストレスへの抑制作用として、人間は涙を流すようになったという説があるよ。つまり別に悲しいわけではないのに涙が出てしまうのは、「本音を言うときのストレスが大きすぎること」が原因のひとつなんだね。この本音が伝えられないストレスを感じ続けると、孤独感が深まって、さらに本音が言えないループにハマってしまうから要注意。

 次のステップでは、これを防ぐための対策を紹介するから覚えておいてね!

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

STEP2 呪いを解く心のクセづけ
SNSやブログなどに自分の感情を書き出してみよう

 本音を言うことに慣れるには、SNSやブログなどに自分の気持ちを書き出すのが効果的。不特定多数の人に見られるのに抵抗がある場合は、鍵アカウントをつくって自分だけが見れる状態にしてもOK。大事なのは自分の感情を言語化すること。そうすることで自分の感情を客観的にとらえられて、本音を言うストレスが軽減されるんだ。

「この前映画見たら感動して泣いちゃって…」「あのお店のランチが美味しかった」など、日常生活の「ささいな心の変化」を見つけることから始めてみよう。その他には、信頼できる友人に自分の近況を話してみたり、日記を書いたりするのもおすすめだよ。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

Topic どうしても泣きたくないときに涙をこらえる方法

方法01 舌や身体に刺激を与える
軽く舌を噛む、腕のどこかを少しつねる、手をグーパーしてみる、など、身体に刺激を与えてみてね。でも、これはあくまで応急処置。涙もろい人がやるときはクセにならないように注意しよう。

方法02 深呼吸をする
泣き出しそうなときは、呼吸がいつもより浅くなっているんだ。涙が出てきそうになったら、まず息を長く吐き出すことに集中して、呼吸そのものにしばらく意識を向けてみてね。

方法03 瞬きをする
涙は目尻の上にある涙腺から出てきて、目頭の下側にある涙点というところから鼻腔へと排出されていくんだ。瞬きをすると涙の排出が促され、目からあふれるのをある程度おさえられると言われているよ。

まとめ

 公共の場で泣くのは困る場面もあるけど、泣くこと自体はむしろおすすめ。泣いているときに何がつらいのか、何を求めているのかを言語化する習慣をつけていると、自分の感情をコントロールしやすくなるんだ。しかも涙を流すと、癒しホルモンのセロトニンが分泌されて、「一晩の睡眠」に近いほどの癒し効果があるんだって。涙をうまく使って自分の感情を掘り下げてみよう。

<第3回に続く>