人に嫌われるのが怖い。恐怖から解放されるための方法とは?/自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40⑨

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公開日:2021/10/10

ココロジー・酒井和夫著の書籍『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』から厳選して全10回連載でお届けします。今回は第9回です。TwitterやInstagramで話題のメンタルケアメディア・ココロジーの知識が一冊の本になりました。「自分いじめの呪い」とは、嫌なことや悩みに直面したとき、つい自分で自分を苦しめてしまう思考や感情のこと。そんな「自分いじめの呪い」を解く方法を、心理学の知識をもとに2ステップでわかりやすく解説します。これを読めば、自分で自分を苦しめる思考や感情から抜け出すヒントがきっと見つかるはずです。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40
『自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40』(ココロジー:著、酒井和夫:監修/KADOKAWA)

自分いじめの呪い 人に嫌われるのが怖いとき

私って周りから嫌われているんじゃないかな…

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

 周りの人のささいな言動で「私って嫌われているんじゃないか」と不安に思うときってあるよね。でも、嫌われるのが怖い人は、決して「弱い人」じゃないよ。子どもの頃から、誰かの役に立てるように、好かれるように必死に頑張ってきた人なんだ。

 子どもは無条件に承認される環境がないと「ある条件を満たさないと見捨てられるかも」といった不安が生じるよ。その不安が大人になって「嫌われる恐怖」につながっていくケースがあるんだ。

 じゃあどうしたらこの「嫌われる恐怖」から解放されるんだろう?

 そのためにはまず自分の心の中を探ってみるのが大切だよ。その手助けになるのが、心理学の「愛着」という概念なんだ。

STEP1 原因を知る
人に嫌われるのが怖い原因

「嫌われる恐怖」を生む原因のひとつが「不安定な愛着」。子どもはネガティブな感情を抱いたとき、養育者や周りの大人などの特定の人の身体にくっつくことで安心を取り戻そうとする傾向があるよ。このときにつくられる子どもの心理的な結びつきを「愛着」と呼ぶんだ。

 なにか嫌なことがあっても、安心を感じられる人に繰り返しくっつくことで、自分の感情をコントロールして、安定した人間関係を築けるようになるんだね。

 愛着が形成されるのは主に生後6カ月〜2歳頃なんだけど、実は大人の3人に1人は「愛着が不安定」だと言われているよ。愛着が不安定だと、対人関係や精神面で困難を抱えやすくなるんだ。

Keyword 愛着(アタッチメント)
イギリスの心理学者ジョン・ボウルビィが確立した「乳幼児期の子どもと養育者の間で築かれる心理的な結びつき」のこと。子どもは愛着の対象者を安全基地として認識することで、自由な探索行動ができるようになる。

STEP2 呪いを解く心のクセづけ
心の中に自分だけの「聖域」をつくろう

 ここでは愛着を安定させるための一番簡単な方法を紹介するね。それは自分の心の中に「聖域」をつくることだよ。

「聖域」とは、あなたが想像する中で最も安全でリラックスできる場所のこと。子どもの頃につくった秘密基地や、過去に旅行で行った思い出の地、または宇宙や深海など現実には行けない場所や、好きなテレビやアニメの世界などの現実にはない場所でもOK。

 このように一度、自分の心の中に「聖域」をつくっておけば、嫌なことがあったり、不安な気持ちになったときにイメージして逃げ込むことで愛着に似た安心感を得られるんだ。

自分いじめの呪いを解く本 毎日がラクになる心のクセづけ40

Topic 3つの愛着スタイル

 愛着スタイルとは、愛着によってつくられる「人間関係の行動パターン」のことで、大きく3つのタイプに分けられるんだ。

タイプ01 安定型
自己肯定感があり、信頼している人が自分をずっと愛していると確信できる。

タイプ02 回避型
他人と深い絆を築くことを拒否する。依存するのもされるのも嫌い。すべて自己責任と考えがち。

タイプ03 不安型
愛されたい気持ちが強く、見捨てられることに敏感。嫌われていないか常に気にする。

 上記のとおり、嫌われる恐怖を生みやすいのが「不安型」だよ。

まとめ

 愛着スタイルが不安型の人は「認められたい」気持ちが人一倍強いから、人に嫌われたり、自分がダメだと思われたりする否定感情に敏感になってしまうんだ。

 愛着を安定させるには、友達や恋人など心の安全基地になるような信頼できる人を見つけるのが一番いいけど、難しい場合は自分の聖域をつくってみよう。

<第10回に続く>