マスクありでも笑顔が大事! 感情表現3つのポイント/ わかる! 伝える!視線の心理術 ②

暮らし

公開日:2022/1/4

ビジネスシーンでもプライベートでも使える、「マスク・画面越し」のコミュニケーション術。コロナ禍によって、大きく変化したコミュニケーションの形。マスクで口元が見えなかったり、テレワークの普及などの影響で、人の気持ちを察するための手掛かりの不足によって生じる悩みや不安を、心理学の面などからアプローチし、新たな状況の中でのコミニュケーションに対応できる対処法をわかりやすく紹介!

顔の半分が隠れてしまうマスクの壁

 マスク着用の日常になってから、自分の意志を伝えたり、感情を表現したりすることが、以前とくらべてむずかしくなっています。会議室で大きなテーブルをはさんで一定の距離を保って話をしていると、結局はオンラインと同じくらい、おたがいの表情がよく見えないこともあったりします。

 身振り手振りをつけたり、声を大きく張りながら話しても、感情が伝わらなければ、かえって空回りしてしまいます。

 誰もがこれまであまり気にしてこなかった、人との対話。マスクで顔の半分が隠れている際に、気をつけなければならないこととはなんでしょうか。

マスクありでも“笑顔”を作る

 わたしたちは人とコミュニケーションをとるときに、音声や言葉よりも、視覚から入ってくる情報を優先して相手の印象を判断する傾向をもっています。マスクを着けたことで表情がつかみにくくなった状態では、相手に話が伝わりづらいと感じさせてしまいます。また最近では、目の下ギリギリくらいまでマスクでぴっちりと顔を覆っている人も少なくありません。そのように、顔の表情の大半が隠されてしまう状況で、どのようにコミュニケーションをとるのかが悩みどころです。

 その解決方法として、相手の表情を読み解こうとするのではなく、まずは自分のほうからわかりやすい感情表現のアピールをしていくことが突破口となります。そのための3つのポイントを紹介します。

・目の形が三日月になるくらい思いっきり目尻を下げて笑う
・声をワントーン高く発声して、笑顔を感じさせる“笑声(えごえ)”を出す
・話し方はできるだけクリアに、聞き取りやすく

視線の心理術

 これまで笑顔といえば、両方の口角をキュッと上げて、相手に白い歯を見せることが重要視されてきました。しかし、マスクを着けていると口元を見せることができません。

 そこで、まずは鏡の前で、マスクの内側で口角を上げ、頬の筋肉を使って、目が三日月の形に近づくように優しく笑ってみましょう。

 さらに話すときにはワントーン高い声で、目を閉じたときに声だけでも笑顔が想像できるような、朗らかな“笑声”を心がけましょう。

 話すときは少しゆっくりと、口をしっかりと開けてはっきりした声を出すのがポイントです。感情を込めながら少し抑揚もつけるとより伝わりやすさが増します。

(なお、話し方のコツはページでも追って解説します)。

複数の手段を使って感情表現を

 先ほど紹介したのは、接客業や営業に従事する人たちが実践している「ノン・バーバル」(非言語)コミュニケーションの基本です。人はふだん、無意識のうちに表情や仕草、音声といった非言語手段を用いて周囲にメッセージを送っています。そして、それらの情報を手がかりに他者の感情を読み解いたり、反応を返したりしているのです。

 ちなみに、アメリカの人類学者のバードウィステルによれば、1対1のコミュニケーションにおいて、非言語手段でメッセージを伝達できる割合は約65%とのことですから、個別の対話の場合はその効果は大きいといえるでしょう。表情と声に加えて、うなずきや身振り手振りなどのボディランゲージまであわせて用いることで、相手に対してより積極的なアピールになり、マスク着用の対話の場に、リズムや変化をつけることが可能になります。

 いちばんの基本は目の表現から。前項でもお伝えしたようにアイコンタクトや目元の笑顔を意識しながら、日々を過ごすようにしてみてください。

<第3回に続く>

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