コロナで会社がピンチに! 立花さんが、コロナ禍を機に気付いたこと/やりたいこと、全部やりたい。 自分の人生を自分で決めるための方法⑦

ビジネス

公開日:2021/12/31

立花佳代著の書籍『やりたいこと、全部やりたい。 自分の人生を自分で決めるための方法』から厳選して全7回連載でお届けします。今回は第7回です。シングルマザーとなり貯金ゼロからの起業。インドの小さな村発のアクセサリーブランドの立ち上げなど、やりたいことを全部やって人生を切り開いてきた、アクセサリーメーカー「スプリング」代表の立花佳代さん初の著書です。自分も周りも幸せにするエシカルな生き方のヒントが満載の『やりたいこと、全部やりたい。 自分の人生を自分で決めるための方法』をお楽しみください! 2019年新型コロナウイルスが発生し、アパレル業態は最大のピンチに…。マイナス思考になっていくなか、立花さんはふと、事業を始めたころの原点を振り返る――。

やりたいこと、全部やりたい。 自分の人生を自分で決めるための方法
『やりたいこと、全部やりたい。 自分の人生を自分で決めるための方法』(立花佳代/アスコム)

「やりたいこと」はひとりではできない

 全さんと一緒に働くようになり、わたしがつくづく感じたのは、「やりたいことはひとりではできない」ということです。

 それまでのわたしは、なにがあっても、ひとりでなんとか道を切り開いて働いてきました。しかし、時間と体力がある若いうちならいざ知らず、そんなやり方では早晩行き詰まっていたことでしょう。

 でも、全さんがひとりいるだけで、つくりたいものを伝えれば、「韓国がすべてハンドリングします」と頼もしくいってくれました。ベルトをつくりたいといえば、どこからかベルトの工場を、缶バッジをつくりたいといえば缶バッジの工場を、帽子といえば帽子の工場を探してきて、しっかりビジネスの話をつけてくれました。

 

 わたしと全さんはベストパートナーでした。お互いのことを「なんとかしてあげたい」と思い合えたことで、面倒な利益が絡む場面でも、商売上の利益を脇において先に助け合える関係をつくることができたのです。

 こうしてわたしたちは、「やりたいこと」がどんどんできるようになっていったのです。

 仕事がうまくいくかどうかは、「信頼関係」で決まります。そこで、いまなにかやりたいことがある人や、仕事でうまくいかないと感じている人は、ひとりで頑張ることも必要ですが、本当に信頼し合える人間関係を育むことがより大切だと思います。

 お金や損得勘定ではなく、「気持ち」で一緒にやっていけるパートナーを見つけられるかどうか。それが、仕事における成功を左右するカギです。

 全さんがいなければいまのわたしはありません。

 そしてスプリングという会社も、いまのかたちになっていなかったでしょう。

 

パートナーの信頼を得るには先行投資も必要

 仕事においてともに歩んでくれる人を見つけるには、信頼関係を構築するのがもっとも大切ですが、ほかにもいくつかの秘訣があります。

 まずひとつめは、「自分が稼ぐのはあとでいい」という姿勢を持つこと。

 簡単にいえば、「この人だ」と思える信頼できる人がいるなら、自分よりも先に、その人に小さな〝投資〟をしていく姿勢です。

 それこそ、全さんが「スプリング・コリアをつくる」といったとき、わたしはまとまったお金を彼女に渡すことに決めました。

 まだ独立したばかりで、自分のオフィスさえ整えていない状態でしたが、商品のことを考えると、整えるべき優先順位は韓国の生産体制なのはあきらかです。

 そのため、まずは商品運搬用の大きなバンを中古で購入する資金を送りました。自社の車でハンドリングできれば、生産できる商材は増えるし、長い距離も運べるし、いい商品が上がってくるようになるはずです。

 なにより工場から商品を事務所に運ぶためにタクシーを使っていたら、利益がどんどん減るだけです。

 また、韓国に新しいオフィスが必要になる頃に、先にまとまった資金を送るようにもしました。オフィスを構えたら人を雇えるし、必要になってからでは遅いと考えたからです。

 当時のわたしは自分の車を持っておらず、立派なオフィスも構えていなかったので、先に韓国を整えてくれたことに全さんはとても感謝してくれました。

 そうして、いつも頑張る彼女が、さらに頑張って仕事をしてくれたのです。

 いったん「この人」と信用したら、そこはお互い大人ですから、きちんとお金(投資)を使って気持ちを表すことが大切です。それがまた、ビジネス全体をいい方向へと進ませる原動力になっていくはずです。

「できる可能性を話す人」と付き合う

 ふたつめの秘訣は、つねに「できる可能性を話す人」を見つけること。

 わたしが仕事において人を見る基準は、「一生懸命さ」や「ひたむきさ」が大前提ですが、同時に重視するのは、どんなことも、まず「できる可能性を探そうとする」姿勢です。

 厳しい言い方をすると、仕事ができない人は、すぐに「できない理由」を口にします。みなさんのまわりにも、すぐに「この納期では無理」「人が足りない」「時間がない」などという人がいるのではないでしょうか。

 確かに気持ちはわかります。でも、余裕がある仕事のほうが稀なのです。

 厳しい条件は重々承知で、なんとか頭をひねり、体も使って乗り越えるのが、仕事ができる人です。

「すぐに言い訳する人」は、どうしても仕事での信用度は低くなってしまいます。

 

 全さんをはじめとして、わたしは本当に人に恵まれてきました。できない理由をいって、できることだけを引き出そうとするのではなく、「こうすればできる」「どうすれば力になれる?」といってくれる人たちだからです。

 だからこそ、わたしは会社としてなにをすればいいかを考えることができ、みんなで前へと進んでいくことができます。

 あなたがどんな仕事をしていても、まず「できる可能性を考えられる人」こそが、あなたの心強いパートナーになってくれるはずです。

<続きは本書でお楽しみください>

あわせて読みたい

この記事で紹介した書籍ほか