楽しい会話の第一歩。「誰も傷つけない」話し方とは?/ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ

ビジネス

公開日:2022/4/19

 テレビで見るアナウンサーのトークの上手さに、「なぜあんなに誰とでもうまく話せるのだろう…」と思うことはありませんか?

 会話があまり得意ではない、上手に話すことができないという方々におすすめしたいのが、石井亮次著の書籍『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ』。

 東海エリアのローカル番組から全国の人気番組になった平日のワイドショー「ゴゴスマ」の立役者・石井アナが、「センスや才能なんて不要の話し方」や「会話のコツ」を初公開! 視聴者からも、共演者からも、なぜか好かれる無敵の会話術の数々をお届けします。話している相手が笑えば、自分も楽しくなり、みんなが楽しい空気をつくれますよ。

※本作品は石井亮次著の書籍『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ』から一部抜粋・編集しました

ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ
『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ』(石井亮次/ダイヤモンド社)

ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方 誰からも好かれる会話のコツ

●昭和は「スポ根」、平成は「いじり」、令和は「やさしさ」

 毎年お正月には祇園花月で吉本の舞台を家族で楽しみます。最近になって気づいたのが、ここ数年で急速に「容姿いじり」のようなネタが受けなくなっているということです。たとえば「ブス」とか「デブ」とか「ハゲ」とか……。昔はそういう言葉の言い合いに、子どもたちはもちろん大人も一斉にどっと笑っていたものです。

 でも、最近は同じセリフに対する態度が変わってきました。「え?」という戸惑いが観客席に漂う。「今ここで笑っていいのかな……」と、思わずこっそり周りの反応を確かめるような感じになります。

 世の中の空気というのは時代とともに変わっていきます。

 僕が生まれてからのことだけを考えても大きく変わってきたことに気づきます。「昭和」の半ば頃は〝スポ根〞がもてはやされた時代でした。今だったらパワハラ間違いなしというような親やコーチ、先輩たちからの圧に耐えて、耐え抜いて、それによって結果的に成功や感動を手に入れるというようなストーリーの漫画やドラマがたくさんありました。そういうのを見てはらはらと涙を流し、主人公の頑張る姿にたくさんの人が胸を熱くしていました。

「平成」に入ると、いつのまにか「ふざける」「いじる」文化が主流となっていたような気がします。「そんな本気にならんでもええやん」と真面目な人をちゃかしたり、いじったり。いじられて笑われている人を見て、周りも笑う。からかう、ちゃかす、毒舌を放つ人たちが面白がられてお茶の間の人気者になりました。

 だけど、令和になって、またガラッと変わりました。今は誰かを笑いものにすることを面白がるのではなく、みんなが平和でおだやかな気持ちでいられることが最優先されている気がします。

 誰も傷つけない、傷つけたくない。傷つけたくないのは、自分が傷つきたくないことの裏返しでもあります。傷つく側にも傷つける側にもまわりたくない、そう考える人が確実に増えているのではないでしょうか。

●悪口は人を疲れさせる

 そんなふうに世の中の空気が変わったのはネットなどで悪口や人の悪意を目にする機会が多いからかもしれません。今の世の中には「悪口」があふれています。

 僕も、ネットニュースやSNSなどの悪態コメントをつい読んでしまって、なんだかその後ずっと気分が悪くなることがあります。悪口や、人を一方的に非難するような言葉は、人を疲れさせ、ささくれだった気分にさせます。

 きっと、多くの人は、リアルの世界や、テレビやラジオといったメディアの中でまで、「悪口」や「非難」を聞きたくはないと思っているのかもしれません。

 僕も自分が担当している「ゴゴスマ」では、視聴者の方に「厳しさ」よりも「やさしさ」を感じていただきたいと思っています。視聴者だけでなく、出演者の方にも、番組スタッフにも、いつでも安心して言いたいことを言えるような「温かくてやさしい空気感」を感じてほしい。

 結局それが、視聴者にとっても、出演者にとっても、スタッフにとっても、みんながトクになる、近江商人の言う「三方よし」だと思っているからです。

●他人はいじるな、自分をいじれ

 僕はNGK(なんばグランド花月)に中学時代から月一で通っていたくらいお笑いが好きです。でも、最近は、笑いの対象が確定していないというか、安心してみんなで一斉に笑える共通のものが見失われてきているのかな、と素人ながら思います。

 それでも、僕はやっぱり「人を笑わせること」が好きです。

 プロじゃないけれども、一緒にいる人たちを笑わせたい。笑ってもらえたら、すごく嬉しい。笑いがあふれる空間は居心地がいいし、みんなが幸せな気持ちになれる。もちろん、自分自身もすごく幸せ。

 だから、結構真剣に「どうしたら笑ってもらえるか」をよく考えます。たどりついたのは、「人をいじるんじゃなくて、自分をいじればいい」ということ。自分をネタにして、笑いをとるのであれば、他者を傷つける心配はありません。

 とはいえ、この時も、あまりにも自虐的なネタはやめておいたほうがいいかなと思います。コンプレックスを卑下するようなのは避けたほうがいい。聞いているほうが「笑えない」「笑っていいのか迷う」ような話じゃなく、ほっこり笑えるエピソードや軽い失敗談が自分をいじって笑ってもらうのには、ぴったりの話題だと思います。

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