「このお寿司にはこの日本酒!」月に一度の美味なる大人のお愉しみ!『今夜、寿司屋で。~至福の日本酒~』/マンガPOP横丁(111)

マンガ

公開日:2022/5/20

今夜、寿司屋で。~至福の日本酒~
今夜、寿司屋で。~至福の日本酒~』(早川光:原作、瀬上あきら:漫画/集英社)

 今回のマンガPOP横丁はいつもと趣向が変わります。というのも、作品のテーマが「名店寿司屋と日本酒」だから! これを聞くだけで少々ハードルが高いイメージがありますが、本作はだいぶ気軽に楽しめます! そんな美味しい出会いが発見できる『今夜、寿司屋で。~至福の日本酒~』(早川光:原作、瀬上あきら:漫画/集英社)をご紹介!


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月に一度のご褒美に向かうのはお寿司の名店

 食品会社に勤める水野雫は、昼ごはんを手作り弁当にして少しでも食費を節約している。その理由は、月に一度、自分へのご褒美にいろんな寿司屋でお寿司を食べるため! 最初こそ1人で寿司屋に行くのは不安だったけど、いざ行ってみるとそのお店の個性や食べたことのない魚、食材が出てくるワクワクが上回り、楽しみとなっていく。

 雫が向かった寿司屋は、ネットで話題になっている名店。店内に入りカウンターに誘導され、電話予約で「おまかせ」と頼んでおいた雫の前にまず出されたのは、山口産のクエを使った創作料理。そして次々と出てくるお料理にテンションが上がる雫。カツオの料理が出てきたその時、となりでカツオの味から産地を語り出す男性客が。そんな彼はさらに「日本酒をください。このカツオに合うやつを」と雫にとってワンランク上の注文をし、その日本酒を一口。その後も出てくる魚の知識とお店が提案する味に合う日本酒。彼のことが気になった雫は、ふとその男性に視線を向けると…その人はなんと、細かい指摘ばかりする、雫が苦手な上司・宇田川だった! しかも彼も食べ歩きが趣味だったことが分かり……。これをキッカケに、宇田川を伴った美味との出会いが始まるのであった。

 もう知らないことだらけ! まさに目から鱗(魚だけに)! 創作料理もまぁ美味しそうなのだ。瀬上氏の渾身の作画がシャリ同様に輝いている。もちろんこの作品に出てくる寿司屋とオススメの日本酒はどれも実在する銘酒ばかり! 作中では基本的に「おまかせ」を頼むので、何が出てくるのかこちらもワクワクさせてくれる。各エピソードの終わりには、雫たちが注文した料理と日本酒が紹介され、さらに原作者の早川氏から寿司屋初心者のための心得が初・中・上の3階級でお教えいただけるという特典付きだ。

 まずは雫と上司が至福になる様子とメニューで幸せになりつつ、各名店に足を運んでみてはいかがだろうか? 距離的に難しい方は、日本酒だけでも全然その雰囲気は味わえるハズ。美味しく楽しめるなら、ちょっと知ったかぶりになってもいいじゃないか!

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

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