SUPER BEAVER渋谷龍太のエッセイ連載「吹けば飛ぶよな男だが」/第11回「誕生日」

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公開日:2022/5/27

 多分はっきりと初めて言うが私の場合、誕生日だからという理由での贈り物は必要ない。イヤな奴になるのを恐れずぶっちゃけて言うのなら、私に義務としての気持ちが生じてしまうのが嫌だからだ。完全に自己中であるがこれが人を「祝う」ということに対して私が純粋を保つ最善だ。

 人が私に対して、私が人に対して。祝いたいと思う以外の気持ちが生じる可能性があるのだとしたら、恒例行事として贈られて贈ることから、私は離脱したい。

 だから私にとって一番嬉しいのは、おめでとうと思ってくれる人が「おめでとう」とシンプルに言葉を掛けてくれることだ。当日でなくても構わないし、人伝でも構わない。言われなくても別段気にしない私だから、義務ではなく伝えてくれる気持ちと言葉がやはりとても嬉しいと思う。

 ただめでたいことなので、ただめでたいまま終わらせたい。が本意。

 

 いや、なんか堅苦しくなってきた、どうしよう。

 ちなみに誤解されたくないから明記しておくけど、贈り物は好きにやらせてもらうけど、私は人をお祝いするのは好きだよ。

 なんだろ、見返りを求めたり、求められたりする日にならなければ、正直なんでも良いんだ。

 個人が純粋な気持ちで祝いたいと思った気持ちを表現できる方法が、人それぞれにあってもいいんじゃない? って話でした。

 あと関係ないけど、誕生日のイベントを「バースデー」っていう人いるじゃない? 主に呼んでもらった人が得意気に言ってるイメージなんだけどさ。「えー、なんかー、**君のバースデーに呼ばれちゃってー」みたいなイメージね。あの時の「バースデー」のイントネーションが「ヨーソロー」じゃなくて「錦糸町」の人いるじゃない。あの手の人種って、ニューノーマルとかヘアメンテとか言いがちだよね。

 

 最後に大前提、誕生日って当事者が祝われるより、当事者が周りに感謝する方が素敵じゃない?

「おかげさんでここまで生きられました、ありがとうございます」

 が、一番ピースだと思ってる。

 

 ということで、改めて。

 

 いつもありがとう。あなたのおかげでこの一年も精進したいと思えます。この一年もよろしくね。

 これが今回一番伝えたいことです。

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しぶや・りゅうた=1987年5月27日生まれ。
ロックバンド・SUPER BEAVERのボーカル。2009年6月メジャーデビューするものの、2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを実施。2012年に自主レーベルI×L×P× RECORDSを立ち上げたのち、2013年にmurffin discs内のロックレーベル[NOiD]とタッグを組んでの活動をスタート。2018年4月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催。結成15周年を迎えた2020年、Sony Music Recordsと約10年ぶりにメジャー再契約。「名前を呼ぶよ」が、人気コミックス原作の映画『東京リベンジャーズ』の主題歌に起用される。現在もライブハウス、ホール、アリーナ、フェスなど年間100本近いライブを行い、2022年10月から12月に自身最大規模となる4都市8公演のアリーナツアーも全公演ソールドアウト、約75,000人を動員した。さらに前作に続き、2023年4月21日公開の映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』に、新曲「グラデーション」が、6月30日公開の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』の主題歌に新曲「儚くない」が決定。同年7月に、自身最大キャパシティとなる富士急ハイランド・コニファーフォレストにてワンマンライブを2日間開催。9月からは「SUPER BEAVER 都会のラクダ TOUR 2023-2024 ~ 駱駝革命21 ~」をスタートさせ、2024年の同ツアーでは約6年ぶりとなる日本武道館公演を3日間発表し、4都市9公演のアリーナ公演を実施。さらに2024年6月2日の東京・日比谷野外音楽堂を皮切りに、大阪、山梨、香川、北海道、長崎を巡る初の野外ツアー「都会のラクダ 野外TOUR 2024 〜ビルシロコ・モリヤマ〜」(追加公演<ウミ>、<モリ>)開催する。

自身のバンドの軌跡を描いた小説「都会のラクダ」、この連載を書籍化したエッセイ集「吹けば飛ぶよな男だが」が発売中


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