ぼくも、きみたちの歌をうたいたい――「ゴスペル・トレイン」試し読み【2/4】

文芸・カルチャー

公開日:2024/5/2

『熱源』で直木賞を、『パシヨン』で中央公論文芸賞を、
それぞれ受賞した川越宗一、初の短編集単行本となる『福音列車』。
同作の中で、最も編集部内で人気の高い「ゴスペル・トレイン」を、
カドブンで全文公開いたします。

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川越宗一『福音列車』より「ゴスペル・トレイン」試し読み【2/4】

 啓次郎は思わず腰を浮かせた。さっきまで誰も聞かない笑い話が続いていた演台に、いつのまにか若い男女五人ばかりが並んでいる。
 その肌の色は濃淡こそあれ、みな褐色だった。真ん中に女性が二人、その左右に男性が立つ。啓次郎から見て左手、四人から一歩離れたところに、一団のリーダーらしき背の高い男がいた。
 ほとんどが白人である酔客たちは、敵意をき出しにして騒ぎたてる。「どうして黒人が店にいるんだ」とミハイロフ氏に詰め寄る者さえいた。
 米国では、黒人へのべっがすさまじい。彼らを奴隷のままにしたい南部と解放を唱える北部に分かれて、内戦まであった。奴隷制が廃された今も黒人への風当たりは強い。
 そんな中で一団は何をするのか。啓次郎が首をかしげながら見つめる先で、リーダーが合図するように目配せした。
 女性ふたりが伸びやかな声を発した。両脇の男性も豊かな声で続く。声楽だろうか。それぞれの音は見事に調和していた。
 男性たちが同じ言葉を低い声で繰り返しはじめた。女性たちは高く声を伸ばしたまま、緩やかな旋律へ移行する。
 そのまま歌となった。男性たちは転がるような発声でうたい、女性たちが明るい調和で包み、飾っていく。

  The gospel train is coming
  I hear it just at hand
  I hear the car wheels moving
  And rumbling thro’ the land

 教会で白人たちが歌うさんに似ている。啓次郎はそう思った。ただ、聞いた感触は真逆ほども違う。讃美歌は、白磁を思わせる玲瓏でりんとした佇まいを持っていた。対していま聴く歌は、揺さぶるような律動と熱にあふれている。
 女性たちの声が高く駆け上がり、主旋律を取る。男性たちは大地を支えるような低音にくだって律動をより確かに、いや大きくする。
 陽光まぶしい荒野に、規則正しい蒸気の音を響かせて、軽便鉄道くらいの小振りで色鮮やかな汽車が走っている。耳で聞いているはずの歌は、啓次郎にそんな情景を見せていた。

  Get on board, children!

 五人の声が力強く揃ったとき、啓次郎が見ていた汽車に露天の客車が連結された。客席は目を輝かせる子供たちでいっぱいで、汽車は高々と汽笛を鳴らして荒野を走る。どこへ行くかは分からない。だが行かねばならぬような、存在を知ってしまえば行かずにはおれぬような、そんなどこかへ行くのだろう。

  Get on board, children!
  Get on board, children!
  For there’s room for many a more

 ひと通りの歌詞の締めくくりに調子外れの声が交じった。女性のひとりが息継ぎの合間にぺろりと舌を出した。リーダーが、次いでみなが微笑みを返し、合唱の一団は新たな歌詞を同じ旋律で紡いでいく。一巡目より身振りは大きく、表情にも楽しげな余裕が浮かぶ。
 啓次郎の身体はいつのまにか、ゆらゆらと左右に揺れていた。歌の律動に合わせて振幅は刻々と大きくなる。耐えきれなくなり、ついには立ち上がった。歌は身体に直接流れ込み、渦巻き、啓次郎の肉体に衝動を与える。頭を振り、ひざを曲げ、伸ばし、腰を振っていると、雑多な想念が洗い落とされていくような感覚にとらわれた。
 旋律はもう一巡する。最後に歌手たちは全員で高く声を伸ばし、堂々とうたい終えた。
 あれほど騒いでいた客たちは、すっかり黙り込んでいた。カウンターの中にいたミハイロフ氏が太い拍手で静寂を追い払うと、それを合図に一斉に歓声が上がる。店内は罵声ではなく、称賛の言葉や口笛にあふれた。
「ありがとう、私たちはザ・チャリオット・シンガーズといいます」
 リーダーの男が、はにかむような笑顔を聴衆に向けた。白い歯がまぶしい。それから様々な曲がうたわれ、そのたびに白人たちはかっさいした。
 三十分ほどで歌の披露は終わった。啓次郎は頃合いを見計らい、演台の脇のテーブルに向かった。出番を終えたばかりのザ・チャリオット・シンガーズは、ミハイロフ氏に振る舞われた酒やレモネードを片手に談笑していた。
「素晴らしかった」
 火照った手を差し出してから、凡庸な言葉になったと啓次郎は後悔した。英語はもう少し話せるはずだったが、熱っぽい感動が薄っぺらい言葉を奪った。
 黒人たちはみなげんな顔をしている。小柄な東洋人が合衆国海軍兵学校のいかめしい制服をまとって英語を話しているのだから、奇妙に見えても仕方ないだろう。
「ありがとう」
 ややあって、リーダーが手を握り返してきた。笑顔には硬さが残りつつも、敵意やいぶかしむような気配はなかった。
「中国人かい。たいそうな服を着ているが」
「ぼくは町田啓次郎。日本から来た。海軍の学校で学んでいる」
「ジャパン?」
 さっき舌を出していた女性が軽く首をかしげた。会話ですらも音楽的な声の響きに、啓次郎の胸が高鳴った。
 西海岸のずっと向こう、中国の近くの国だな。物知りらしいリーダーは説明するように言ってから、
「俺はウィリアム・ニューマンだ」
 と、なんだか角ばった名を口にした。
「彼女はネッティ。俺の妻だ。それから――」
 女性はさっきと変わらぬ音楽的な声で「よろしく」と笑った。啓次郎はなぜか落胆を覚えながら、次々に紹介される歌い手たちと握手を交わす。
「何の用かね、ミスター・マチダ」
「ケイと呼んでほしい」
「では俺のこともウィルと。で、何かね、ケイ」
「ぼくも、入れてくれないか」
「入れる?」
「ザ・チャリオット・シンガーズに。ぼくも、きみたちの歌をうたいたい」
 四肢を縛られて漂う無力な身でも、うたう声くらいは出せるはずだ。啓次郎はそう思っていた。

「まず普段の俺たちを見て、それから決めるといい」
 突拍子もない啓次郎の申し出に、ウィリアム・ニューマンは穏健な提案を示した。
 ザ・チャリオット・シンガーズは教会に通う人たちで結成されたという。毎週日曜の礼拝でうたい、そのあとに練習をする、と教えられた啓次郎は日曜日の朝早く、教会を訪れた。
 街外れという説明よりだいぶ遠くの野っ原に、十字架を掲げた建物があった。会堂は白く塗り上げられた質素な木造で、中は正装をした老若の黒人でいっぱいだった。
「私たちは、魂を解放された神の子です」
 白いローブを纏った牧師が、説教台をたたいて叫んでいた。啓次郎は足音を忍ばせて隅に立った。牧師の背後にはあのザ・チャリオット・シンガーズが、こちらも白いローブに身を包んで並んでいた。
「ダニエルの前にはがいました」
 牧師が、それこそ獅子のごとく白い歯を剝きだしてえている。かつて学んだ英語学校では聖書が教材のひとつだったから、啓次郎も知らない話ではない。征服者であるバビロンの王に愛されたダニエルは、しっした周囲のかんけいにかかって獅子が待つ穴に投げ入れられた。
「ですが」
 牧師はつばと声を飛ばす。
「獅子はダニエルにきばを向けなかった。誰が獅子の口を閉じたのでしょうか?」
「神だ!」
 全員が叫び返す。この教会での礼拝はえらく騒々しい。
「誰が獅子の口を閉じたのでしょう?」
 再びの問いに、「神だ!」という返事がくる。
 誰が。神が。誰が。神が。繰り返される応答は力を増してゆく。牧師のありさまは聖職者というより、せんどうしゃと呼ぶほうがふさわしかった。
「我らアフリカから来た民は、もう奴隷ではありません」
 牧師は両腕を振り回し、ぞりに背をそらせた。
「売られ、買われ、むちたれる存在ではなくなった。主はダニエルを救われたように、我らも救いたもうたのです!」
 牧師は海老ぞりのまま、足を激しく踏み鳴らす。奇態と見えなくもないが、これほど露骨に歓喜を示すというのは啓次郎の常識にはなかった。なにかの合図を感じ取ったのか、聴衆は一斉に立ち上がる。ローブを着たザ・チャリオット・シンガーズたちの白い肩が深く息を吸うように上がった。

  My Lord delivered Daniel,(主はダニエルを救われた)
  My Lord delivered Daniel,(主はダニエルを救われた)
  My Lord delivered Daniel,(主はダニエルを救われた)
  Why can’t He deliver me?(どうしてわたしを救わずにおられようか)

 歌はミハイロフの店で聞いたものに近い。だが、その時よりずっと勢いがあった。
 埃と、むせかえるような体臭がたちこめる大地。そこは黒人たちの故地、もしくはバビロン、あるいはイスラエル、はたまた神の国だろうか。どこであるかは分からないが、確かに存在する「どこか」だ。大地は発生の瞬間から太陽を仰ぎ、絶えることなく自転し、公転している。さような世界を神が造りたもうたという信仰を啓次郎は持っていないが、我が身を巡る脈動と天地の運動が共振してゆくような錯覚にとらわれた。
 もっと激しく、もっと高く。歌は肉体を直接あおってくる。参列者たちは、もはや参列者ではなかった。飛び跳ね、四肢を振り回し、うたい、手を叩く。
「主よ! 主よ!」
 牧師はくるくると回りながら、合いの手のように絶叫を差し込む。そこかしこのこうこつが声となり、唾となり、汗となって飛散する。
 ザ・チャリオット・シンガーズの歌は大意、救いを待つとうたっている。うたう全員はじっと待つどころではなく、救いへ向けて手を伸ばし、自ら行かんとするように足を踏み鳴らしていた。
 啓次郎もいつのまにか、正装代わりの制服を脱ぎ捨てていた。熱と汗と恍惚に満ちた教会で、夢中で体を動かし続ける。
 そして、祝祭のような日曜の礼拝は終わる。参加者たちはせっかくの正装をぐっしょり汗でらしたまま、回される麻の袋に思い思いの寄付金を投じてゆく。
「よかっただろう、ケイ」
 ざわめく会堂に、ウィリアム・ニューマンが降りて来た。額には汗が、得意げな笑みには白い歯が光っている。傍らには妻のネッティもいた。
「よかった。けど、ミハイロフの店で聞いた時とはずいぶん雰囲気が違っていた」
「外では白人にも聞いてもらえるよう、上品にうたっているんだ」
「品の上下は分からないけど、ぼくは今日のほうがずっと好きだ」
 覚えた感動を簡素な言葉で表現すると、ウィリアムは「ほう」といかつい顔をゆがめた。
「ケイには〝ソウル〟が分かるかもしれないな」
「ソウル?」
 問いには答えず、ウィリアムは啓次郎の肩を軽く叩いた。
「食事がある。金や食材を持ち寄った信徒のためのものだが、今日のきみはゲストだ。食べていくといい」
 啓次郎は、集会所だという隣の丸太小屋に案内された。室内には大きく四角い質素なテーブルが四つあり、うち一つには食べ物が山と盛られてあった。輪郭まで煮溶けた茶色い菜っ葉、何かの揚げ物、切り分けられた大きなパンケーキ、などなどだ。
「好きなものを取るといい」
 ウィリアムは隅に積まれていた深皿を一枚、啓次郎に手渡した。
「カラード・グリーンは青臭い菜っ葉を念入りにいため、煮込んで作る。これはなまずのフライ。それと焼きたてのコーンブレッド。ぜんぶ、俺たちのソウルを育ててくれた最高のメシだ」
 ウィリアムは誇らしげに説明しながら、啓次郎が持つ皿に次々と料理を盛ってゆく。
 啓次郎の腹がぐうと鳴った。そのうちに礼拝の参列者もぞろぞろとやってきて、皿に食事を取ってテーブルに着いた。
 最後に牧師が着席する。啓次郎はコーンブレッドにかじりつき、ふるまいの礼も兼ねて味もわからないうちに「うまい」と言おうとして、自分の失敗に気付いた。
 信徒たちはみな指を組んでうつむき、静かに祈りをささげている。ウィリアムに至っては祈りの中へ潜っていくように、首を深く垂れている。かじった箇所を下にして、啓次郎はそっとコーンブレッドを皿に戻した。いびつな形になって均衡を失ったコーンブレッドがごろりと転がり、慌てる。口の中のかけらは無理にみ込んだ。
 祈りが終わると、話し声と食事がはじまった。
 啓次郎は再びコーンブレッドを手に取り、今度はなるべく上品にひとかけらをちぎり取って口に入れた。みっしりした食感と素朴な甘みが口の中に広がる。カラード・グリーンは苦かったが、日本の煮びたしを思い出させた。難しかったのは鯰のフライで、泥臭さがどうにも受け付けない。一気に片付けてしまおうとカラード・グリーンと一緒に口いっぱいに頬張った。大きな目で啓次郎を見つめながら食事を続けるウィリアムの横で、ネッティが「へえ」と笑った。
「ケイは〝ガッツ〟がありそうね」
 知らない語の意をき返そうにも、口は食べ物が詰まりに詰まっていた。
 食事が終わった者から、使った食器を洗い、き、積み上げてゆく。洗いおけの水がなくなれば誰かが外へみに行った。
 片付けを終えた信徒たちはそのまま帰宅し、あるいは牧師をつかまえて何事か相談を持ちかけ、ともども会堂に向かって出ていった。
 幾人かは再びテーブルに戻って筆記用具を広げた。ウィリアムが奥から足の付いた黒板を引きずり出す。見よう見まねで自分の食器を洗って片付けた啓次郎は、空いた椅子を使ってぼんやり様子を眺めた。
「あたしはここで、信徒たちに読み書きを教えているの」
 ネッティが横からささやき声で教えてくれた。言われて辺りを見回しても子供は数人しかいない。生徒らしき表情と姿勢で座っている男女はほとんどが大人で、老人も交じっている。
「あたしたち黒人は九年前、法的には奴隷でなくなった」
 ネッティの口調に切実さが加わった。
「けど、奴隷のようなひどい契約で働かされることもある。せっかく商売を始めたのにだまされてしまう人もいる。読み書きと簡単な計算ができれば、白人に騙されることは少なくなるし、理不尽を法に訴えることもできる。それに――」
 ネッティの声に決意めいた力が宿りはじめた。
「あたしたちは今や、選挙で政治家を選ぶことができるし、選ばれて議会に立つこともできる。だから新聞くらい読めなきゃあね」
 といってもいろいろ難癖をつけられて、実際に選挙に行けることはないのだけど、とネッティは続けた。どちらかといえば暗い話だったが、息苦しさよりも楽観を感じた。困難はあるが準備も整っている。あとは進むと決めて踏みだすだけだ。彼女はそう言っているように思えた。
「日本はどうなの。みんな選挙に行けるの」
「議会がないね、まず」
 肩をすくめて啓次郎は答える。明治の初年に「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ」と天地神明に誓われた。徴税額と伴う予算、各種の法律など人民の生活に直結する事柄を人民自身で決定する、という政体を目指しているはずの御一新は、まだ実現の途上にある。
「学校は」
「まだできたばかりだね」
 答えてから気後れを覚えた。自分たちで学校まで作ってしまうネッティやウィリアムたちに比べて、啓次郎の祖国はなにやら覇気に欠けているような気がした。
 はじまった授業ではウィリアムが教師役を務めた。黒板に単語を書いてアルファベットと読みを読み上げ、大人の生徒たちが野太い声で唱和する。ネッティやザ・チャリオット・シンガーズのメンバーはあちこちの席を回り、生徒たちの理解を助けた。
「では皆さん、お手元の聖書を」
 ひと通りを教え終わると、ウィリアムは生徒たちに促して章と節を指示した。
「一緒に読み上げましょう。いつも言っていますが、読めない単語は復習すればいいから、無理する必要はありません。わかる言葉だけ、大きな声で」
 話の途中らしきところから朗読は始まった。ちょうど、さっきの歌の由来となった逸話だった。バビロン王の信任厚いダニエルは周囲の陰謀で罪を着せられる。王はしぶしぶダニエルを獅子のいる穴へ閉じ込め、石でふさいだ。翌朝、王がダニエルを呼ぶと、返事があった。
「神がみ使いを送られ獅子の口を閉ざされたので、獅子は私を傷つけませんでした」
 そのくだりを読み上げた時、いかつい体格の生徒が分厚い両手で顔を覆った。ネッティがそっと近付き、その震える肩に手を置いて小声で話しかけた。部屋の隅で、啓次郎は思わず耳をそばだてた。
「すまない、大丈夫だ。具合はいい」
 さざなみのように続く朗読に、男の小声が交じった。
「俺は今、聖書を読んでいる。それがうれしくて」
 教育は偉大だ、と啓次郎は思った。

(つづく)

作品紹介

福音列車
著 川越 宗一
発売日:2023年11月02日

日本史が世界史と激突する瞬間のきらめく5つの福音を、直木賞作家が描く!
「福音の列車が、やっと日本にも来る。このやかましく、血なまぐさい戦闘の騒音とともに」

国と国の歴史が激突するその瞬間、その時代を活写した5つの物語。

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