柴は猫のように愛される!?『いぬのきもち』編集室に最近の犬業界のアレコレを聞いてみた!

暮らし

公開日:2018/3/17

 2018年は戌年! 人類のよき相棒として長年生きてきた「犬」たちの魅力について、あらためて注目してみたい。というわけで、愛犬家のよきサポーターとして多くの読者に支持されている『いぬのきもち』編集室に、いまどきの犬事情を聞いてみた。

●「犬は家族」。ケアも旅行も積極的に

――今年は戌年ということで、なにかと犬が主役になる年ですね。編集室でも何か感じますか?

渡部 そうですね。私たちにこういった取材が増えていることでしょうか(笑)。ここ数年、「犬」という存在が単なるペットを超えて「家族の一員」としての存在感をますます増しているのを実感しています。最近の変化も、そうした面に関係したものが大きいと思いますね。

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持田 「ペット保険」への注目があがっているのもそうした流れですね。犬の医療も発達してきていますから。

渡部 弊誌の特集でも、健康情報にはより注目が集まりますね。最先端医療の話題や、腸を健康にすると寿命が伸びるなんていう特集も人気がありますよ。

長谷川 家族と同じということでは、みなさんどんどんいろいろなところに犬を連れて行かれますし、そうした場所や機会も増えています。東京サマーランドに隣接した「わんダフルネイチャーヴィレッジ」では、犬と一緒にカヌーができたりバーベキューやキャンプができたりします。犬がいることで人間も新しいことが楽しめるのがいいですよね。

持田 最近は飛行機の客室に犬が同伴できるツアーも出てきていますね。犬のサイズ等には条件がありますが国内の航空会社さんも沖縄や北海道へのツアーを開催したりしています。以前から海外の航空会社では客室同伴OKなところもあったり、どこにでも犬を連れていける国もあったりと「共生社会」が進んでいます。日本もどんどんそうなっていくといいですが、そのためには犬も人間もマナーをしっかり身につけないといけませんよね。

●柴犬は猫のように愛される!? 最近の人気犬種事情

――ここ数年で人気犬種などは変わっていますか?

持田 単純に登録頭数でいうと、ここ数年、トイ・プードルの1位が続いています。次いでチワワ、ダックスフンド、ポメラニアン、柴。これらの犬種はしばらく上位ですね。

長谷川 ちなみにSNSで一番受けるのは柴ですね。日本犬は全体的に人気なのですが、映画の『HACHI』の影響も大きいようで、海外の方も「#shibainu」には反応しています。

渡部 犬好きは犬種ごとのファンに分かれることが多いものですが、柴だけはみんなに受け入れられやすい存在のように感じますね。

長谷川 猫好きの人は猫全般が好きというように、柴ってなぜか猫と同じような扱いなんですよね。あとは最近の傾向として「保護犬」を選択する方も増えています。それまでは保健所を通じてしか情報がわからなかったものが、ボランティアの方のブログだけでなくTwitter等、SNSでの発信が目に止まるようになったのは大きいですね。

渡部 本誌でも保護犬情報は特集で扱うなど情報発信しています。みなさんとても興味を持ってくださいますし、意識が上がっているのを感じますね。

長谷川 保護犬というとミックス犬を想像されるかもしれませんが、最近は純血種も増えています。保護犬になってしまう犬がなくなればいいとは思いますが、現実にそのコたちがいるわけですから彼らが保護されることはが大事ですよね。

――最近、ペットの数が犬より猫が増えたというニュースもありましたが、今の時代、犬は飼いにくい面があるのでしょうか?

渡部 やっぱり犬にはお散歩が必要ですし、旅行に行く場合もいっしょに泊まれるところを探したり、もしくは信頼できるペットホテル等を探して預けたりする必要も出てきますよね。さらに犬も長寿・高齢化しているので、病気や介護などのケアが必要になってきてもいて、「飼う覚悟」はより必要かもしれません。やはり最後まで愛し抜いてほしいですからね。

長谷川 最近は「シニア犬介護施設」など専門の施設もできていますし、困っても一人でかかえこんだり投げ出さずにどこかに相談してほしいと思います。

●人間にとって最高の「癒し」。だから愛し抜く

――欧米には追いつかないとはいえ、日本でもより犬との共存・社会化が進んでいるんですね。少なくとも12年前の戌年と比べたら大きな変化ですよね。

長谷川 たしかに。あとは最近の変化といえば、犬との暮らしの中でもIOTが進んでいることでしょうか。

持田 留守番中の犬の様子をスマホで見たり、おやつをあげたり会話ができたりというものもあります。弊誌もタカラトミーさんと一緒に「いぬのきもち お散歩Time 」というウェアラブルデバイスを共同開発しました。これを犬の首輪に装着した状態で散歩をすると、スマホに登録した愛犬の情報によって適切な散歩量などが分かるようなものになっています。

長谷川 すごいものは心拍をとったり、推奨のドッグフードを表示したり。どんどん進化している領域ですね。

――犬と幸せに生きていくために、最後にメッセージをお願いします。

渡部 いろんな情報があると思いますが、まずは自分の愛犬をよく見てほしいと思います。このコはどんな気持ちなのか、情報にふりまわされるのではなく、そのコ自身をみて応えてあげてほしいですね。そしてどんなときも最後まで愛し切ってあげてください。

持田 私は正直、以前飼っていたコに対して「もっとこうしてあげられていたら…」という心残りがあるんです。私たちには友人も職場の仲間もいるかもしれませんが、犬にとっては飼い主さんがほぼすべてです。愛し方はそれぞれでいいと思いますすが、犬に寄り添って全力で大切にしてあげてほしいと思いますし、私も今のコにはそうしたいと思います。

長谷川 犬の生きている時間は短いので、一緒にいる時間を本当に楽しんでほしいです。「#いぬのきもち」でInstagramには毎日数千件の写真がアップされていますが、愛犬の話題はSNSにあげても不快感を持つ方があまりいないものです。スマホで写真を撮ってそのままアップするので難しい操作は必要ないですし、年配の方でもチャレンジしやすいと思います。それをきっかけにいろんなところに行ってみるとか、新しい楽しみもできたらいいいですよね。いろんなやり方で、犬と一緒にいる時間を最大限楽しんでくださいね!

取材・文=荒井理恵

■いぬのきもち公式サイト:https://pet.benesse.ne.jp/dog.html