小麦粉も卵もバターも必要なし!おやつ作りの概念がガラリと変わる、予約が取れない料理教室・白崎茶会のおやつレシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2016/11/3

『白崎茶会のあたらしいおやつ』(白崎裕子/マガジンハウス)

 11月に入って早くも街はクリスマスモードに突入している今日この頃ですが、そうなるとスイーツ店にはこの時期ならではのおやつがたくさん並んできます。

 でも、小麦粉や卵などにアレルギーがある人にとっては食べられるおやつが限られてしまうことが多く、心から楽しめるおやつに出会うことが難しかったりします。そんな人でも安心して食べられるおやつレシピをまとめた『白崎茶会のあたらしいおやつ』(白崎裕子/マガジンハウス)が発売されました。予約が取れないほど人気の料理教室を開催している筆者が、みんなが楽しめるおやつを、ということで試行錯誤して考案した50ものおやつレシピが紹介されており、アレルギーがある人はもちろん、ない人でも十分に美味しく感じられるおやつばかりです。そこで今回はこの中から、3種類のおやつを実際に作ってみました。

1、コロコロな形が可愛らしい「抹茶きなこのスノーボール」(P.17)


 ボウルに米粉、きなこ、抹茶、てんさい糖、塩を入れて泡だて器でさっと混ぜます。ここにココナッツオイルを流し入れ、ポロポロのフレーク状になるまで混ぜたら手でひとまとめにします。これを等分して丸め、160度で10分、150度で15分ほど焼きます。最後に、てんさい糖と抹茶を混ぜたものを焼き上がったクッキー全体にまぶせば完成です。

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 1品目は、名前からもこれからの季節にぴったりなスノーボールレシピです。一般的なスノーボールはたっぷりのバターを使って作りますが、悪天候により一時期バター供給が追い付かず、品切れしてしまうほどだったこともあるので、ここではバターを健康にも良いと言われているココナッツオイルに置き換えて作っています。

 また、最近大人でもアレルギーが多い小麦粉を米粉に換えて使っています。米粉は小麦粉と違ってグルテンを含まないので、混ぜすぎても固くなることはなく、結果としてサクッホロッとした食感になりました。また、抹茶のほろ苦さときなこの甘みがマッチして、洋菓子なんですが温かい日本茶などと一緒にゆっくり味わいたくなる、少し大人なおやつでした。

2、優しい甘さが広がる「かぼちゃ蒸しパン」(P.88)


 ボウルに蒸して柔らかくなったかぼちゃを入れ、泡だて器でつぶします。ここに、てんさい糖と塩を入れてなめらかになるまで混ぜたら、豆乳となたね油も加え、乳化するまでよく混ぜます。さらに、米粉、ベーキングパウダーを加えてつやが出るまでしっかり混ぜたらカップに入れ、蒸気が立った蒸し器に入れて14分ほど蒸せば完成です。

 2品目は、今の季節からさらに甘みが増して美味しいかぼちゃを使った蒸しパンレシピです。蒸しパンも通常は小麦粉を使いますが、ここでは米粉に置き換えたことで、少しもっちり感が出てなかなか食べ応えのあるおやつになりました。また、豆乳やてんさい糖により味に深さが出て、そこにかぼちゃの甘さも加わって、より懐かしい味に。濃い黄色もキレイで温かみがあります。

3、ホクホク感がたまらない「ホットビスケット」(P.98)


 ボウルに豆乳ヨーグルト、てんさい糖、塩を入れて混ぜ、ココナッツオイルを加え、よく混ぜて乳化させます。ここに、片栗粉を加えてなめらかになったら、米粉、ベーキングパウダー、重曹を加えてすばやくよく混ぜます。さらにレーズンも加えてひとまとめにしたら、4等分にして180度のオーブンで15分焼けば完成です。

 最後は、寒い季節に温めて食べたいホットビスケットレシピです。ホットビスケットもたっぷりのバターを使うおやつで有名ですが、ここではココナッツオイルに置き換えたことで、全体的に軽い感じになり、バターで作った時のような重さは感じず、ペロッと1つ食べることができたくらいです。また、片栗粉を使ったことで外はカリッ、中はふんわりとした食感になり、これを温めて食べた時のホクホク感が最高でした。味は豆乳ヨーグルトの風味が少し漂う優しい甘さで、子供から大人まで楽しめるおやつです。

 

今までのおやつの概念が見事に砕かれた、あたらしいおやつとの出会い
自分自身は幸いにも食物アレルギーはないので、おやつを作るとなるとまずは小麦粉、卵、バターを買いそろえるところから始めていたのですが、ここでは、その概念が見事に砕かれて、驚きを感じずにはいられませんでした。確かに今まで使っていたものを使わずに作ってみると、素材そのものの味がより際立ち、味もしつこくなく、食感も軽くて、昔ながらの本当に体に優しいおやつを食べている感じがしました。逆に言えば、卵やバターをたっぷり使うことでどれも一辺倒な味だったのかもしれません。この1冊に出会ったことで、本当にタイトルのように「あたらしいおやつ」に出会った気分になりました。

文=JUNKO