健康・美容

挫折したくないなら正しくサボれ! 漢方医的ゆるゆるダイエットのすすめ

『漢方医が教えてくれたズルしてもヤセる秘密の食べ方』(下手公一/光文社)

 神々が集う出雲の地に、全国からダイエッターが殺到する漢方クリニックがある。そこで行われているのは、各個人の体質に合わせた漢方薬の処方と簡単な食事指導。辛い運動や厳しい食事制限は一切要求されない。それなのに多くの患者がダイエットに成功し、「行けばヤセられる」とすら言われるように。多くの人にとってダイエットは一生のテーマ。「ラクしてヤセる」という夢のような話を聞いて、思わず身を乗り出してしまった私のような人間もいるのでは?

 本書『漢方医が教えてくれたズルしてもヤセる秘密の食べ方』(下手公一/光文社)は、そんな話題のクリニックの院長が自らの手の内を明かした1冊。これがあれば出雲に行かなくても大丈夫。すぐに頑張らないダイエット生活をスタートできる。

 著者によれば、漢方薬の処方はあくまでも補助であり、ダイエット指導のメインは食生活の改善にあるらしい。それが、著者が独自に編み出した糖質制限。糖質制限といってもルールはゆるい。摂取が完全に禁止されるのは、ごはんとパン、菓子類くらいのもの。果物やそばなどは食べすぎなければ可、イモ類、大豆以外の豆類も食べて可という。他の糖質制限が主食はもちろん、糖質の高い野菜や豆、果物の摂取を制限するのとは対照的だ。もちろん摂取した糖質の量を計算する必要はない。まさに、ズボラな人、なるべく我慢したくない人向けの糖質制限といえよう。真面目に糖質制限をしている人から見たら、「こんなの糖質制限じゃない」と怒られてしまいそうな食事内容だが、それでもヤセるというのだから驚きだ。

 こんなゆるい食事制限で体重を落とせるのには、もちろん根拠がある。この食事法のベースにあるのは、伝統的なカロリー計算なのだ。カロリーを重視しない他の糖質制限とは、そもそも発想のスタートラインが違う。

 カロリー制限では、消費カロリーより摂取カロリーを減らすのが鉄則だ。消費カロリーと摂取カロリーの間に、1割程度のマイナスを作ることで、無理のないダイエットが可能になる。しかしいちいちカロリー計算をするのは大変で、よほど意志の強い人でない限り継続するのは困難だ。

 そこで著者が目をつけたのが、ごはんやパン、菓子類などに多く含まれる糖質だった。糖質は脳を動かすのに必要な栄養素ではあるが、現代の食生活においては過剰摂取に陥りやすい。しかもエネルギー効率の良さがアダとなって、摂りすぎるとかなりの割合で体脂肪として蓄えられてしまう。特に体内に吸収されるスピードの速い白米やパン、菓子類は、脂肪になる可能性が高い。さらにカロリーもそれなりにある。たとえば、ごはん1膳は約250kcalもあるし、菓子パンに至っては400kcal超えもザラ。1日の食事からこれらを追放することによって得られる、カロリーカットおよび糖質オフ効果は計りしれない。結果的に、あまり難しいことを考えなくても、摂取カロリーを1割カットすることができるのだ。しかも主食を減らす分、野菜や肉、魚などの摂取量が増えるため、栄養バランスも自動的に整うというオマケつき。ヤセられるだけでなく、健康な食生活も手に入る。

 継続しやすいようにルールは他の食事制限よりもシンプルに。それでいて最大限の効果を狙うのが本書の魅力。食事法以外にも、本書で提唱されているルールはいろいろあるけれど、「ストレスは溜めない」や「体重を朝晩2回計る」といったもので、過剰な努力を要求するようなルールは一切ない。ダイエットの補助に漢方薬を使うこともあるけれど、服用は必ずしも必要ではない、という。

 ダイエットには確かにある程度の我慢は必要だが、頑張りすぎては途中で息切れしてしまう。やり方によっては身体を壊すことだってある。ルールがゆるいということは、続けやすいというだけでなく、体への負担も少ないということ。ダイエットが続かなかった人はもちろん、食事制限が原因で体調不良に陥った経験がある人でも、本書のやり方なら取り組みやすいのではないだろうか。特に従来のカロリー制限や糖質制限が合わなかった人は、一度トライする価値があるはず。正しいズルは決してズルではない。目的地に最短でたどり着くための合理的手段なのだ。

文=遠野莉子



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