「Noと言えない日本人」だからこそできる思いやり英会話!?
公開日:2013/6/21
まだ電灯がなかった時代、西洋では可能な限り部屋を明るくし、陰を消す事に執着したが、日本ではむしろ陰翳の中でこそ映える芸術を作り上げたのだ、と谷崎潤一郎は指摘した。それは芸術にとどまらず、感情表現においても同様だろう。あからさまに感情を表す西欧人に比べて日本人は控えめな態度で曖昧な表現を好み、滅多に出しゃばらない。相手を立てて陰となることを欲し、決して物事を否定しないその謙虚さは、海外に出れば、「Noと言えない日本人」と呼ばれ、揶揄されがちだ。
だが、それは日本人の被害妄想だったのかもしれない。実はジャパニーズの謙虚なイングリッシュは外国では好評らしい。この本は、海外でも臆することなく、日本人が日本人であることに胸を張れる1冊だ。
『ジャパニーズ・イングリッシュでいこう!』は、日本人ならではのクセを活かした英会話テクニック満載のエッセイだ。思わず謝ってしまったり、人の顔色を伺ってしまったり、どうも遠慮がちだったり…。今までは欠点と思い込んでいたそんな日本人ならではのクセをむしろ美点として使ってみる。すると、日本人の思いやりの精神は相手に物事を伝えやすくする武器となり、たちまち伝わる英語が話せるようになってしまう。
例えば、ホテルへのクレームを付ける場合、自己主張が苦手な日本人は、上手く立ち回れない場合が多い。だが、マイナスなワードも 日本人ならではの、キツすぎないワードで伝えれば良い。部屋が汚かったならば“It’s duty!”ではなく、“It is not very clean!”と言えばいいのだ。”not very+ポジティブワード”でやんわ〜り伝えると相手も自然と聞き入れてくれやすい。
相手の気持ちを一番に重んじることのできる日本人だからこそ可能な表現を使えば、今まで苦手と思っていた海外での自己アピールも簡単にできてしまう。大事なのは、卑屈にならずに、自分に自信を持つこと。見失っていた大切なことも、この本は教えてくれる。
どうも英語の勉強となると、あまり気が乗らないという人も多いだろうが、コミックエッセイならさらりと読める。英語に自信がないそこのあなた! 日本人らしさを武器に、この本で英語をペラペラにしちゃいましょう!
ジャパニーズ・イングリッシュでも良いんだ、と勇気をくれる
自己主張が苦手な「日本人あるある」がいっぱい
日本語の表現を思い出してから英語を話すだけで、伝わりやすくなる!?
コミックエッセイだから気楽に英語の勉強ができる! 忘れてた内容も頭に入りやすい
章の合間にある、4コマ漫画も面白い。勉強のショートブレイクになって、効率アップ!? 楽しみながら勉強できる1冊
(C)木内麗子/メディアファクトリー