睡眠不足の現代人必読! 「不眠」「短時間睡眠」の怖さと克服法を専門用語抜きで紹介

更新日:2011/9/5

「睡眠」の真実

ハード : iPhone 発売元 : Mejiro Publications
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:200円

※最新の価格はストアでご確認ください。

みなさんは、1日何時間眠っていますか?
  
ふとけんは仕事が終わって自宅に到着するのが、ほぼ毎日午前2時か3時くらい。睡眠時間は、平均3~4時間と、追い込み中の受験生並みです(涙)。受験生やビジネスマンが寝る間を惜しんで勉強する、あるいは寝る時間を削って働く、ということが頑張っている証であると日本では思われています。

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仕事中や会議中にウトウトすると、こわ~い上司の怒鳴り声が飛んでくる会社も多いことでしょう。しかし、イタリアやスペインに行くと、シエスタの時間には働く人たちが家で昼寝をするために、お店も会社も銀行も閉まってしまいます。このように人類共通の「睡眠」という行為についての捉え方は、地域や国民性、文化などで異なるので、日本もイタリアみたいにならないかなあ、と時々思います。
  
しかし本書によると、「慢性的な睡眠不足は脳の機能を損なう可能性がある」ことがわかってきました。
  
動物として人間を考えるとき、睡眠と健康の関係を見くびってはいけない! ということなのです。最近日本で増えてきているという「うつ」も不眠と大きくかかわりがある、ということは定説になりつつありますし、子供の頃に「早寝早起きして、しっかり眠らないと、大人になれない」と両親に言われていたことが、実は科学的な裏付けのあったことだと今さら知って、かなり驚かされました。また著者は最近の「短時間睡眠ブーム」にも警鐘を鳴らしています。
  
この本は「たくさん眠って健康に生きよう」という主旨のもと、睡眠が脳に与える影響を中心に難解な用語を使わずに多面的なアプローチで書かれています。「年齢による睡眠パターンの変化」「睡眠に見られる男女差」「職業と睡眠の関係」「熟睡とは?」「睡眠の質を下げる身体面の要因」「アルコールと睡眠の関係」など、雑学としても役に立つ知識が満載で、睡眠にまつわる分析のみならず、克服法も合わせて紹介しています。
  
そういえば昨年暮れに、半導体製造装置の大手企業が昼寝用の仮眠室を設置するという新聞記事を読みました。昼食後など午後の一定時間内に30分間程度利用ができるというもので、昼食後など眠気をこらえながら机に向かう社員が多い中、「中途半端に我慢するより、しっかり寝てから仕事に戻った方が効率的」との考えです。
  
かつてふとけんたちが小学生のころは、真夏の炎天下での部活などで「水分は我慢しろ! 摂ってはいけない」と指導されていましたが、今の子供たちには正反対で「しっかり水分を摂って、脱水症状にならないように」と指導されています。これと同じように、仕事中のウトウトは「顔を洗って来い」といわれるのではなく、上司から「仮眠室で昼寝して来い」といわれる時代も来るのかもしれませんね。
  
本書の内容は、そんな時代の到来を(ふとけんの希望的観測をもって)予感させるものです(笑)。

本書はAppStpreで購入しましたが、ふとけんはこのUIは初体験。メニューは画面下部を下から上にフリック(なぞるように指を滑らす)すると登場します。フォントや背景色など画面設定機能はほとんどないので、そういう機能を楽しみにしている方にはちょっと不満かも? 内容は充実していると思うのですが

図版はなく、色もなく、見出しと本文だけで構成されていますから、エンターテインメント性はありません。しかし、「39 不眠の原因となる「不安」をどうやって解決するか?」のところで提示されている対処法の最初に、「①現実逃避する、現実から距離を置く」が登場するあたり、睡眠不足で過労気味のふとけんの心をわし掴みにしてしまいました!!

目次をタップすると本文ページに飛びますが、辞書機能や検索機能は実装されておらず。ふとけんもレビューを書き始めてもうすぐ1年になりますが、初期の電子書籍アプリな香りを感じてしまいます。わかりやすい見出しが付いているだけにもうひと工夫欲しいところ