『地球の歩き方』×『ムー』コラボ第2弾。縄文・古墳・UFO・妖怪・鬼…神秘と不思議の国“ニッポン”を旅する

文芸・カルチャー

公開日:2024/4/30

地球の歩き方
地球の歩き方 ムーJAPAN ~神秘の国の歩き方~』(地球の歩き方編集室/Gakken)

 2022年に発売された『地球の歩き方 ムー -異世界(パラレルワールド)の歩き方- 超古代文明 オーパーツ 聖地 UFO UMA』(地球の歩き方編集室/学研プラス)は、ともに1979年創刊のロングセラーブランド『地球の歩き方』と『ムー』がコラボレーションした本だ。

 ピラミッド、イースター島のモアイ像、ナスカの地上絵……。世界中に残る謎と不思議に満ちたスポットの数々を両方の視点から紹介したフルカラーのガイドブックは大きな話題となり、累計発行部数14万部を突破、星雲賞ノンフィクション部門を受賞した。

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 2024年3月22日、その『地球の歩き方』と『ムー』のコラボガイド第2弾、『地球の歩き方 ムーJAPAN ~神秘の国の歩き方~』(地球の歩き方編集室/Gakken)が発売された。第2弾もフルカラー、400ページの大ボリュームで、本の厚みは約25mmもある。第1弾の発売直後から制作に着手したものの、完成までに2年以上の歳月を要したというのも納得だ。

天安河原
アマテラスオオミカミの岩戸隠れの際に諸神が神議した場所とされる天安河原(あまのやすかわら)

 本書は神秘の国“ニッポン”を舞台に、縄文遺跡や古墳などの有名な史跡から、妖怪、鬼、UFOにまつわる怪しいスポットまで、身近でありながら謎に包まれている全国47都道府県のミステリースポットを厳選して紹介している。

 グラビア特集では、富士山、鬼、縄文遺跡、超自然、神輿をピックアップし、『地球の歩き方』による教科書的な“定説”と、『ムー』による大胆な“超仮説”が、同時並行的に掲載されている。たとえば、発掘調査で見つかった環状列石(ストーンサークル)や土偶などから縄文時代の人々の暮らしを考察する『地球の歩き方』に対して、「ストーンサークルはUFO基地? 土偶は宇宙人?」と書かれた『ムー』のページが続く、といった具合だ。

 メインコンテンツとなる国内のミステリースポット紹介は、「北海道と北東北」「南東北と北関東」「南関東と富士山」「中部日本」「関西」「中国&四国地方」「九州&沖縄地方」とエリア別に構成されている。

 地元のミステリースポットを探してみるもよし、気になったミステリースポットから旅の目的地を決めるもよし。各エリアの旅のモデルルートも掲載されているので、計画を立てる参考になりそうだ。

テキスト

 1つのミステリースポットに対して、『地球の歩き方』の取材による解説と、『ムー』の独自説が2ページにわたって掲載されており、住所やアクセス方法、見どころといった現実的な旅行ガイドとしても、読み物としても楽しめる。

「土偶は宇宙人?」と聞けば、驚くかもしれない。しかし、亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)で出土した遮光器土偶がゴーグル付きヘルメットや呼吸器のようなパーツを身につけている理由を考えると、紀元前1000~紀元前400年の人々が異星人に遭遇していないとは言いきれない。『ムー』の独自説はそんなロマンをかきたててくれる。

テキスト

 個人旅行者向けに旅の準備と技術の情報が充実しているのは『地球の歩き方』ならでは。本書も例外ではなく、「服装と持ち物」や「旅のトラブルとマナー」、さらには、突然古代の人と遭遇しても慌てないように「旅の古代日本語」まで掲載されている。

「旅のトラブルとマナー」では、「留意しておきたい日本の法律」や「神社仏閣参拝時のマナー」のほか、「ムー的トラブルの場合(異星人にさらわれたら/妖怪に襲われたら/UMAに襲われたら/呪いにかかってしまったら/タイプリープしてしまったら)」の対策も書かれているので、もしものときに役に立つかもしれない。

 縄文・古墳・UFO・妖怪・鬼……。何を信じるかはあなた次第だが、本書を読んで、神秘と不思議の国“ニッポン”を旅し、自分の目でミステリースポットの真実を確かめてみてはどうだろうか。

文=ayan

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