気持ち悪いほどに青春

公開日:2012/9/22

惡の華 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:押見修造 価格:432円

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ふとした瞬間に過ちを犯していた、なんてことは中学生ではよくあること。うん、僕だって一つや二つはありますよ。ただそれが転じて最悪までいってしまった場合、人はどうするんだろうとふと考えてしまうのがこの作品。

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いつ何時、その瞬間が来るかは分からない。けれど誰しもにふりかかるかもしれない災いがそこにある。悪の華というのは、そんな過ちにつけ込んでどこまで人を落とすことができるのかという実験と共に、思春期の男子が考えそうな甘ったるい馬鹿な青春をほどよくミックスしたある意味で共感の持てる作品かもしれません。

それに加えてキャラクターの立ち位置がしっかりとしているので、とても見やすい作品です。シンプルに言えば三角関係を煮詰めた感じかもしれません。そこに「中村」という女子の持つ異常なエッセンスを垂らすと、さあ大変(笑)。
二人の少女に対する一人の少年の葛藤を「中村」という悪の華がいじらしくかき乱していきます。よくまあこんなことを考えるなあと感心する一方で、どんどん作品の気持ち悪いほどの青春に引き込まれている自分がいて、ちょっとびっくりです。良い意味で先を読ませないスリリングな展開に目が離せません(と壮大に言ってみるも、やっていることはただの弱みにつけ込んだ脅迫なんですけどね)。

さて最後に悪の華とは誰のことなのか、作品を読む限りは「中村」が該当しそうですが僕はそうではない気がしてなりません。それは何故かって? それは見てのお楽しみですよ。


おそらく作中の名台詞の一つ

「中村」の存在感がやばすぎる……

対照的に、主人公が憧れるマドンナがそこに

お宝を目の前にして究極の選択を

そして急転直下ともいえる最悪の出来事が……
(C)押見修造/講談社