友人と意見が違うことに悩む子ども。親はどんな風にアドバイスすればいい? 「ちいかわ」と一緒に学ぶ、友だちとのつき合いかた【書評】
公開日:2025/3/16

子どもと話していると、親が伝えたことを、驚くほど覚えていることがよくあります。だからこそ、親の発言は責任重大。ヘタなことは言えないなと感じます。特に困るのが、子どもが友だちのことで悩んでいる時のアドバイス。親だって誰かに教わったことなんてないし、自分の経験値で話をするしかなく、イマイチ自信を持てません…。
最近、学校では学べないことを教えてくれる児童向けの実用書が、注目を浴びているそうです。『ちいかわ お友だちとのつき合いかた』(ナガノ:イラスト、加藤裕美子:監修/KADOKAWA)もそのうちの1冊。昨年刊行されてから「子どものうちに知ってほしい内容」「やさしい文章で頭にスッと入ってくる」と評判で、子どもや保護者だけではなく、ビジネス書代わりに読む大人もいるのだとか。わが家でも、小学2年生の息子と一緒に読んでみました。

本書は、友だちづき合いをテーマにしたクイズに4択で答えると、タイプ別のアドバイスを読めるという構成。特に、息子に読んでほしかったのは「意見がちがうときはどうする?」というテーマでした。
息子は自分の好きな遊びがはっきりしているタイプで、以前から、一緒に遊んでいる友だちとぶつかることがよくありました。心配で見ていられず、「(相手の)○○くんのやりたいことも聞くんだよ」と伝えたところ、今度は友だちの意見ばかり聞くようになり、「自分の遊びたいことができない」とストレスを溜めるように…。自分のことを主張しすぎると相手を傷つけるし、相手のことを考えすぎると自分が傷ついてしまう。一筋縄ではいかない難しさに、親はもうギブアップ状態です。
そんな息子が「意見がちがうときはどうする?」の回答に選んだのは、私が彼に伝えていた「相手のやりたいことに合わせる」でした。この行動タイプの人に対するアドバイスは、下記のとおり。
相手の意見に合わせられるあなたはえらいね。でも、いつもそうしていると、つかれちゃうかも。自分のやりたいことも大切にしてね。
“いつも相手を優先するばかりでは疲れてしまう”とわかった息子は、納得したような表情になり、「じゃあ、両方のやりたいことをやったほうがいいんだね? ○○くんのやりたいことをまずやって、その次に僕がやりたいことをやればいいんじゃない?」と自分事にして考えることができました。どんな回答だったとしても否定せず、寄り添った上でアドバイスをしてくれるので、息子も素直に受け止められたようです。親もまた、アドバイスに沿って話し合いができるので、「きっといい方向に向かうに違いない」という安心感がありました。
すぐに成功とはいかないかもしれませんが、失敗したとしても、今後は本書で読んだアドバイスが道しるべとなってくれるはず。大人も「なるほど、その手があったか」と合点がいく対処法ばかりなので、親子で力を合わせながら、お友だちとのスムーズなつき合い方を学んでいきたいと思います。

ほかに息子が気に入っていたのは、キャラクターに例えて自分のタイプがわかる性格診断のチャートでした。診断結果は、「お友だちには優しいけど自分に厳しい」という「ちいかわタイプ」。自分のタイプを知ることは子どもにとっても興味深いらしく、ゲーム感覚で進めるのも楽しかったようです。また、「○○くんはこのタイプだね」と周りの友だちをキャラクターに当てはめて遊んでいました。性格はみんな違うし、違っていいことを理解してくれたら、と思います。

自分のいいところを見つける方法や、モヤモヤした時の対処法など、相手だけではなく、自分を大切にするための考え方を学べるのも本書の特徴。「ちいかわ」のかわいいイラスト入りで読みやすく、親には言えないような人間関係の悩みを子どもが自分で読んで学べるので、頼りになります。また、「相手に伝わる話し方」や「上手な謝り方」など、大人でも悩みがちなテーマもわかりやすく説明されているので、大人にもおすすめです。
大人になるにつれ、コミュニケーションの大切さを実感することは多くなりますよね。家族以外の社会がグンと広がる小学生の頃に人づき合いを学んでおけば、大人になってから人間関係でつまずくのを減らせるかもしれません。「自分も子どもの頃にこの本を読みたかった…」としみじみ感じる1冊でした。
文=吉田あき