刺激強めなディープエロの世界に抱腹絶倒!岩井志麻子×西原理恵子のエッセイ&イラスト集『サイバラ志麻子 悪友交換日記』【書評】

小説・エッセイ

PR 更新日:2025/2/3

サイバラ志麻子 悪友交換日記岩井志麻子:文、西原理恵子:絵/双葉社

 ホラー作家であり、歯に衣着せぬエロスの女王として知られる岩井志麻子さん。そしてその岩井さんと同い年で30年来の親友である漫画家の西原理恵子さん。

 このほど、そんなキャラ濃いめのお二人がタッグを組んだ初のエッセイ集『サイバラ志麻子 悪友交換日記』(岩井志麻子:文、西原理恵子:絵/双葉社)が登場する。昨年還暦を迎えたというお二人の旺盛な好奇心は止まるところを知らず、人生&友情、そして何よりエロについて赤裸々に綴るエッセイ&イラストの数々が強烈すぎる一冊だ。

 オープニングこそ、これまで共演する機会のなかった西原さんとタッグを組む喜びを綴る岩井さんだが、本編に入ればいきなりエロ強めの世界へ突入。

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 経験豊富で、様々なネタを開陳してくれるハードゲイの千鳥先生(仮名)、変わった風俗店での体験談を提供するスタッフたち――なぜか寄ってくるという様々な猛者の逸話を紹介しながら、岩井さん自身の性癖や体験もあっけらかんと開示しながら、時に哲学的(?)な思考もあったりして、ディープエロの世界が繰り広げられていく。

 もともとエロやスキャンダルなど芸能娯楽系の記事を中心に大人の男性の「本音」あふれる週刊誌『週刊大衆』(双葉社)での連載をまとめたものなので、エロ強めなのは何をか言わんや。見開き完結で100回分(本書では「100発目)と表記)と内容たっぷりの上に読みやすいのだが、なにせ刺激的なタイトルやサイバラワールドの際どいイラストが目立つので、正直、満員電車なんかで読むのはちょっとはばかられそう(笑)。

 とはいえ、ここまであっけらかんとエロ全開だと、清々しさまで感じるというか、笑っちゃうというか、思わず「人間っておかしいなぁ」と達観すらしてしまう。もしかすると、ここまであけっぴろげに堂々と際どいロネタを繰り出し続ける女たちの本って、これまであまりなかったのではないだろうか(なんたって本書の最頻出ワードは男性器の名称だ)。しかも出版元は双葉社でメジャー系。表向きは「往復書簡」的に涼しげな顔をしているけれど、これはなかなかエポックな本にも思えてくる。

 なお、単行本のお楽しみとしてお二人の対談が収録されているのも興味深い。本の中では西原さんが岩井さんの「ウケ」をする役回りになっているが、対談ではもちろん対等。お二人の飾らない「同級生どうしのいつものエロ話」のテンションが伝わってきて、なんだかそのたくましさにニヤリとしてしまう。

「将来は瀬戸内寂聴ポジションを狙う」と息巻く岩井さんと、そんな岩井さんを茶化しつつ、パートナーの高須院長を特別出演させつつ、独自のサイバラワールドで社会をあくまで下品に切る西原さん。最近、「刺激がない」と嘆くあなた、こんな弩級にパワフルな1冊で新しい世界を覗いてみてはいかがだろう。

文=荒井理恵

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